Wellness
LGBTQフレンドリーで多様性を受け入れる『Hotel Cen』
先日、とても素敵なホテルとの出会いがありました。それが新大久保にある『Cen Diversity Hotel & Cafe』。
海外のブティックホテルのようにおしゃれでありながら、日本初のダイバーシティホテルという点が、注目ポイント。
実際に試泊で訪れたので、海外旅行気分を感じながら誰もが必ず今までにない居心地の良さを体感できる『Hotel Cen』の魅力をレポートします。
2021.09.09公開
とてもおしゃれなデザインが目を引くブティックホテルの『Hotel Cen』ですが、ただおしゃれなホテルというわけではありません。
『Hotel Cen』は、日本初のダイバーシティホテル。国籍、性別、年齢に捉われず、すべての多様性を受け入れるホテルです。もちろん、同性カップルでも宿泊が可能。
“百人百様の行き方を尊重し、人種や国籍、宗教、性別にとらわれずすべての人に寄り添う”をコンセプトとしています。
『Hotel Cen』が位置するのは新大久保の百人町という住所で、この立地も『Hotel Cen』のコンセプトと見事に合っていますね。
そして、『Hotel Cen』という名前も、ラテン語で百を意味する「Centum」から由来しているそう。誰もが受け入れてもらえる、ここにいていいんだと安心感を感じられるのが、ホテルのコンセプトからも感じられます。
『Hotel Cen』では多様性を重視し、ダイバーシティへも配慮したサービス、施設を提供しています。
例えば、お手洗いは「Boys/Girls」と分かれているのではなく、「All Gender」に。お手洗いが「All Gender」であることはどんなジェンダーの方にとっても、大きな安心感に繋がりますね。
また、チェックイン時にホテルに伝える情報には性別がありません。どの性別の方でも受け入れるというホテル側の考えであり、LGBTQの方にとっても嬉しい配慮ではないでしょうか。
スタッフの方が多国籍なのも『Hotel Cen』の特徴。ホテルに滞在するだけで、日本人に限らず、いろいろな国の人に出会える貴重な機会にもなります。
そして、『Hotel Cen』は、大きなゲートを抜けて敷地内に入るようなデザインになっており、ホテルの敷地内が外から丸見えということにはなりません。
好奇の目に晒されることに心を痛めることもあるというLGBTQの方もいらっしゃる中、外から不用意に覗かれることがないという安心感は嬉しい配慮だそう。
LGBTQ当事者ではなくても、通行人にジロジロ見られずにゆっくり過ごせるのは、プライベートを守られているようで大きな安心感につながります。
『Hotel Cen』はコンパクトな作りではありますが、ディテールまでが凝っていて、ニューヨークの一角にあるようなブティックホテルを彷彿とさせます。
ホテルのコンセプトメイクにはLGBTQ当事者のデザイナーを採用しており、性別を超えての居心地の良さやおしゃれの感じ方が体現されていると思いました。
客室に入ると、そこはニューヨークのアパートの一室のような雰囲気。
決して広くはないのですが、不思議と部屋にこもっていたくなるような快適さを感じます。
シャワーブースとトイレはガラス張り!
蒸気である程度見えなくなるのですが、目隠しのブラインドがあるので、友達同士で宿泊しても大丈夫です。
客室にはテレビがなく、その代わりに各部屋にタブレットが完備。フロントとの連絡ができるだけではなく、YouTubeの視聴も可能です。
ドライヤーやコットンや綿棒も完備。
また、フロントでお願いしたら、ストレートアイロンとしても使えるコテも貸していただけました。
旅行となるとヘアアイロンやコテも必需品なので、フロントで借りられるのは嬉しいですね。
ロビーでお出迎えしてくれるのが、カラフルで力強い圧巻のアート。
こちらは、今注目のアーティスト小松美羽氏の作品です。
小松美羽氏は、神獣など日本の伝統的な文化に、現代的な芸術感を融合させた力強い作品が特徴的なアーティスト。
1対の2羽の鳥は、2018年にGINZA SIXオープン1周年記念イベントにて、小松美羽氏がライブペイントで描いた作品。
この作品を観られるだけでも『Hotel Cen』を訪れる価値があると思えるほど、パワーを感じられる作品がロビーを彩ります。
my-museでは、小松美羽さんのライブペインティングの様子もお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
『Hotel Cen』が多様性を受け入れていることが視覚的にもよくわかるのが、ところどころで使われているピクトグラム。
ピクトグラムとは、いわゆる絵文字の一種で、視覚だけで情報を伝えられる優れものです。情報手段としてはもちろん、デザインとしても見ていて可愛くて分かりやすい!
日本語が分からなくても、英語が分からなくても、ピクトグラムを見ればそれが何を示しているのか分かるので、どんな国籍の方が泊まりに来ても安心してホテルに滞在できるのだろうと感じます。
『Hotel Cen』の外壁のウォールアートも注目です。こちらは半年に1回くらい描き替えられているそう。
今のアートは日本人アーティスト・月光氏の作品で、おしゃれなうさぎが目を引きます。
滞在の方はもちろん、このフォトジェニックなウォールアート目当てに訪れる人も多いのだそう!
『Hotel Cen』ではコロナ対策もしっかりと行われています。 そのひとつが、端末でのチェックイン。 スタッフと会話することなくチェックインが可能なので、飛沫感染対策にも。 チェックアウトもこちらの端末で簡単にできてしまいます。
百人町という地名に因んで、色々なデザインの「人」という文字が並んでいるところがとても可愛く、細部までのこだわりを感じさせます。
ホテルの客室にはバスタブがなく、シャワーブースしかありません。その代わりに、ホテル2階にはバスタブ付き浴室が2部屋あります。
こちらは、完全予約制。シャワーだけでは疲れが取れない、ゆっくりお風呂に入りたいという方はもちろん、子連れでバスタブがないとお風呂が不便という方にも安心です。
また、同じく2階にはコインランドリーがあります。洗濯、乾燥もできるので、長期滞在でも便利ですね。 電子レンジもあるので、周りのお店でテイクアウトしたものを温めてということも可能。
コインランドリールームには作業スペースもあり、出張利用の方はここで仕事をする人もいるのだそう。
電源もあるので、PC作業にも安心です。
『Hotel Cen』には「Cen Cafe」というカフェが併設されています。こちらは、宿泊客はもちろん、カフェだけの利用で立ち寄ることも可能。
カフェ内はそんなに広くないのですが、1階、2階、3階にそれぞれテラス席があり、お天気の良い日はテラス席利用がおすすめ!
私は、宿泊翌日にお邪魔して、ロイヤルミルクティーをいただきました。 カフェもWi-Fi完備なので、美味しいドリンク片手に仕事をしたり、打ち合わせをしたりという使い方も可能です。
開放的でありながらプライバシーも守られ、とても居心地の良い「Cen Cafe」。コロナ禍でなければ、それこそ色々な国籍、性別の方が気軽に集う場であったのだろうと想像できます。
『Hotel Cen』はラグジュアリーホテルではないですが、一人一人に寄り添ってくれることが分かり、その人に合ったおもてなしの心が伝わるホテルでした。
施設やサービスのちょっとした細やかな配慮はもちろん、ホテルにいて疎外感や緊張感を感じずに「ほっとできる」そんなホテルです。
それは、どんな人の生き方も尊重し、多様性を受け入れ寄り添うというホテルのメッセージをしっかりとスタッフの方も体現されているからかなと思いました。
LGBTQ当事者の方には「安心して滞在できるホテルがあるよ!」と自信を持っておすすめできます。
そして、LGBTQフレンドリーなのはもちろん、出張利用、家族での宿泊、友人同士でのステイケーションなど、どんなお客様も快適にくつろげる安心感がありました。
ちょっとニューヨークの一角にいるような気持ちになって、温かな気持ちのおもてなしを感じ、自己肯定感が高まる。
そんなステイができるのが『Hotel Cen』。
新大久保ならではの韓国街歩きも楽しめるので、韓国とニューヨークの両方の雰囲気まで味わえるのもちょっとお得な気分。
LGBTQ当事者の方でもそうでない方でも、ぜひ温かな気持ちに包まれる『Cen Diversity Hotel & Cafe』がおすすめです。
元国際線客室乗務員。現在は、旅、美容、ライフスタイルを中心として執筆活動をしながら、モダンカリグラファーとしても活動中。子育てをしながら、「ママでも美しく楽しく」をモットーに、美ライフスタイルを追及中。
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