最近耳にする機会も増えてきた「卵子凍結」という選択肢。

my-museの編集部会議でも「トライしてみたいと思っていた!」「気になる!」という方や、「お友達との会話のトピックに出てくることが増えた!」なんて声も。

でも、実際にやってみよう!となると、分からないことだらけで不安もありますよね。

今回は、my-museライターに聞いた「卵子凍結について気になる5つのコト」を、サンコーファーマシー BILANX private medical salon代表で薬剤師の三好和加さんに伺いました。

「卵子凍結という言葉は知っていたけど内容は全くわからない」「考えたことがなかったけど気になる」「卵子凍結という選択肢を考えてみたい」と思っている方、参考にしてみてくださいね!

そもそも卵子凍結とは?

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卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若いうちに質のいい卵子を凍結保存しておくこと。卵子は年齢を重ねると共に老化してしまい、質が低下した卵子では妊娠率が下がります。しかし、出産を希望する女性の皆が、さまざまな事情によって必ずしも若いうちに出産できるわけではありません。卵子凍結はそうした女性が年齢を重ねた時においても、妊娠する確率を少しでも高められる手段として利用されています。

現在では、出産の高齢化対策や不妊治療の一環として多くのクリニックで卵子凍結が取り入れられています。2013年にガイドラインも整備され、これまで多くの卵子凍結を使った出産が報告されています。

以前は凍結保存の技術が未熟で、卵子凍結は行われず、受精卵の凍結のみでしたが、近年は技術の発達により未受精卵の長期保存が可能になり、実用化されました。さまざまな理由で妊娠が難しくなる状況がある中で、妊娠を希望する人にとってその道を閉ざさないための有効な手段となっています。

引用:卵子凍結について 赤坂レディースクリニック

https://akasaka-ladies.jp/oocyte_cryopreservation.html

「今はまだ余裕がないけれど、いつか出産がしたい」「出産するという選択肢を残しておきたい」といった考えから、早いうちから質のいい卵子を凍結しておく「卵子凍結」が注目を集め始めています。

Q1.何歳から卵子凍結可能?何歳くらいから検討すべき?卵子凍結にもリミットはある?

卵子凍結をしたいと思うなら、早ければ早い方が良いです。

35歳から妊娠率は低下すると言われているので、遅くても34歳くらいまでに検討すべき。

凍結をするときの年齢の卵子(例えば、30歳で凍結=30歳の状態の卵子)なので、40歳などは厳しいですし、卵子凍結をするメリットも少なくなってきてしまいます。

下記を参考にしてみて下さい。

有効性を考えるなら・・・34歳までに。

必要性を考えるなら・・・36歳までに。

事情にによっては・・・39歳でもトライできます。

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Q2.気になる保存期間。どれくらいの期間保存が可能?保存期間が長くなっても、卵子の質や効果は変わらない?

保存期間による低下は分かりませんが、凍結することで質が下がったり、融解時に問題が起こることがあると言われています。体外受精の際には、凍結された卵子を融解する必要があり、この過程で卵子が破損してしまい、使用できなくなる場合があります。このようなことから、凍結した卵子を融解する際の生存率は40〜70%程度と言われています。

実際のデータにおいても、凍結卵子は通常卵子よりも妊娠率は低いです。

病院によっても異なりますが、基本的に凍結卵子の最長保存期間は、50歳の誕生日の前日までです。凍結保存をするには、採卵日1年後より、1年毎の更新として凍結保存更新料を支払う必要がある病院が多いです。

参考:https://akasaka-ladies.jp/oocyte_cryopreservation.html

Q3.卵子を取り出す方法は数パターンありますか?どんな方法がありますか?

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卵巣刺激方法(卵子を成長させること)はアンタゴニスト法、クロミッド+HMG法など、色んなバリエーションはありますが、意味は同じです。

卵子を取り出すには、排卵誘発剤を用います。内服薬・注射・点鼻薬と複数ありますが、一般的には注射で行うことが多いです。採取したい卵子の数や患者様のホルモン値によって医師と相談の上で誘発方法が決まります。その後、卵巣に針を刺して、卵子を採取し、凍結保存するという流れです。

参考:https://akasaka-ladies.jp/os.html

Q4.痛みの感じ方は人によって違いますか?痛いとよく耳にしますが、痛くない方法や全身麻酔もできますか?

痛みは人それぞれ感じ方によって異なりますが、最近では全身麻酔可能なので、不安な方は麻酔をされる方もいらっしゃいます。

「採卵」による副作として痛みを伴う場合や、「排卵誘発剤」による副作用でつわりのようなつらさを感じる方もいらっしゃいます。

Q5. ネットの情報だと不安・・・卵子凍結って海外では当たり前?海外でも日本と同じ方法?

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海外でも国によるかと思いますが、米国と比較すると細かな違いはありますが、基本的には同じです。

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アメリカでは2014年のFacebookか、出産や養育に関する福利厚生の一環で卵子凍結の支援を追加してから、他のテクノロジー企業も次々とこの福利厚生をプログラムに追加していて、世界でも卵子凍結がより広まりつつあります。

高齢になると卵子凍結が難しい、費用がかかるなどデメリットもありますが、いつか子供をうみたいと思っている方は選択肢の一つとして検討してみるものいいかもしれませんね。

参考:https://www.workersresort.com/jp/culture/egg-freezing2019/

■監修

三好和加(サンコーファーマシー BILANX private medical salon代表 薬剤師)

徳島県生まれ。武庫川女子大学薬学部卒業後、薬剤師国家資格取得し、都立広尾病院薬剤部で薬剤師、世界最大の広告会社WPPグループであるサドラー・ジャパンのメディカルライター職を経て、ニューヨークへ渡る。Ernest Mario School of Pharmacy at Rutgers University ラトガース大学薬学部、大手ドラッグストアや独立系薬局など多数の薬局での研修や視察を経て帰国し、有限会社サンコーファーマシーに入社。2018年取締役執行役員に就任。現在、徳島文理大学薬学部の特任講師も務める。2019年10月1日、薬に頼らない、カラダづくりをコンセプトとする西洋、東洋医学の両面から、ホリスティックな視点で最適な処方や改善策をご提案するメディカルプライベートサロンビランクス開業。2021年8月、新たに調剤薬局を開局。

HP:BILANX private medical salon
Instagram: @bilanxmedical
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