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PRプロデューサー・笹木郁乃さんが語る、「“いいモノ”だけでは売れない時代に、どう戦う? PRの極意とは」

#新しい時代のウーマンズリーダー

「エアウィーヴ」「バーミキュラ」を大ヒットさせた立役者でもある、PRプロデューサー・笹木郁乃さんにインタビュー。「PRは、社会を変える力がある」と語る笹木さん。その極意とは? そして仕事や家庭を両立しながらのライフスタイル、自身の在り方についてお伺いしてきました。

2025.04.03公開

PROFILE

笹木郁乃/Ikuno Sasaki

株式会社LITA 代表取締役 / エグゼクティブPRプロデューサー/ PR塾主宰。宮城県仙台市生まれ。山形大学工学部機械システム工学科を首席で卒業後、「アイシン精機(現:株式会社アイシン)」にて自動車開発に従事。その後、株式会社エアウィーヴに転職し、広報として年商1億円から115億円への成長を支える。さらに、愛知ドビーではバーミキュラのブランド価値向上に貢献。現在は、企業のPR支援を軸にした株式会社LITAを経営し、PR塾を主宰。これまでに1,600社以上、8,000名を超える起業家を支援・育成。「PRの力で社会課題を解決する」ことをミッションに掲げて活動している。著書に『説明の上手い人がしていること』(クロスメディア・パブリッシング刊)など。

@ikuno_sasaki

PRで培った、人の心を動かすコミュニケーション力

―笹木さんはPR塾やセミナーの主宰など、「PR」を軸にお仕事されていますが、そもそも「PR」とは?

笹木:PRという仕事がもたらすものって、ただ商品が売れる、ブランドが人々に知られるということだけではなく、その先にあるのは「社会貢献」だと思っています。良いものを作った企業がきちんと世に知られ、人々の生活を豊かにしていく。そのプロセスが実っていけば、企業が活気づき、社会も人も充実していく。PRには、そんな大きな力があると思っています。この力を信じて、PRへの道を歩み始めました。

―たしかに、「PR(Public Relations)」という言葉を調べたら「企業や個人が社会と良好な関係を築くための活動」とありました。宣伝や広報といったニュアンスで認識していましたが、それだけじゃない要素があるんですね。笹木さんが思うPRの魅力とは?

笹木:自分が手がけた製品が流行って、誰かの世界が変わるって、簡単には言い表せないくらい嬉しいことなんですよ。社内も活気づくし、社員も自分の仕事に安心や自信が持てる。どんなにいいものを作っても、知られなければ、それは存在しないのと同じ。PRって、その魅力を言葉にして伝える大事な仕事だと思っています。

また、地方の企業だった場合、企業が活気づいたことで地方が元気を取り戻したり、地方創生が進んだりもする。さらに言えば、新たな雇用の場を生み出すこともあります。これは、私たちが一番実感しているところです。

―そもそもなぜPRという仕事を選んだのでしょうか。

笹木:PRの仕事に就いたのは機運といいますか、自然の流れだったんです。大学は工学部でしたし、新卒で就職した会社は大手自動車部品メーカー。私はエンジニアとして働いていました。でも、研究職って直接「ありがとう」と言われる機会が少ないじゃないですか。たとえば、「このゴムがあったから人生変わったよ」と言われることは滅多にないわけで……。

もちろん立派な仕事とは思っていますが、自分は直接社会に影響を与えて、「仕事が誰かの幸せになっている」って感じたかったんです。入社して3年は頑張りましたが、どんどんエネルギーが下がっていくのを感じていて、このままでは難しいなと思って寝具メーカーに転職をしました。

―「エアウィーヴ」への転職ですね。広報の力で年商1億円から115億円へ成長したと伺っています。

笹木:たしかに、PRに力を入れてから企業はどんどん成長していきました。でも最初からうまくいっていたわけではないんです。入社当時はまだ無名のスタートアップで、社員は私ひとり。給料は前職の半分ほど。条件的には悪くなるように感じるかもしれませんが、あえて私はその道を選んだんです。転職活動の中でふと過去を振り返ったとき、「何か明確な目標があるときの自分が、一番輝いている」と気づいたんです。だからこそ、まだ誰も知らないこの会社で、ゼロから挑戦できることが無限にあると感じました。「この会社を日本一にしたい」——その強い想いを胸に、必死に営業をかけました。けれど、どれだけ頑張っても、なかなか売れなかったんです。

―そうなんですね。

笹木:営業も大事。でも、それだけでは足りない。どれだけ素晴らしい商品でも、ただ存在するだけでは、誰の心にも届かない。世の中にその価値を伝え、人々の目に触れさせ、心を動かしてこそ、初めて「選ばれる」チャンスが生まれるんだと実感したんです。

―良いものということは前提かもしれませんが、その「伝わり方」「広がり方」は大切かもしれないですね。

笹木:はい。そこから私は一つひとつのメディアにアプローチしていくことに力を入れはじめ、想いを込めて製品の魅力を伝えました。もともと研究職でしたし、話すのが得意ではない方だったので最初は苦戦したのですが、徐々に慣れていったのもあって、相手の反応が少しずつ変わっていきました。それである日、ひとつのメディアが取り上げてくれたんです。すると波紋が広がるように、別のメディアも興味を持ち始め、やがて世の中に届いていったような感じです。そして気づけば、売り上げが動き出していた。ただ「売る」のではなく、「伝える」ことの力ってすごいな、と気づきました。

―なかなか地道な作業ですね。とはいえ数打てば当たる、ということだけでもないと思うんです。取り上げてもらうために心がけていたことはありますか?

笹木:100人いれば、100通りの響くポイントがあります。以前は、プレゼン資料があればそれをもとに誰に対しても同じように話していました。でも、実際にお話しするうちに相手によって興味を持つ部分がまったく違うことに気がついたんです。

プレゼンといっても、最初の10分くらいは雑談になることが多いです。「どういうコーナーを担当されているんですか?」とか「どんな情報を求めていらっしゃいますか?」といった会話をしながら、相手の関心を探っていきます。私は事前にかなり調べてから伺うタイプなので、「この前、〇〇の記事を担当されていましたよね」などと話すことで、そこから自然と会話が広がることも多いです。

やはり、相手のことをよく知った上でお話しするのと、そうでないのとでは、伝わり方がまったく違います。事前にリサーチをして、相手がどんなことに興味を持っているのかを考えておくことで、より深い会話ができると感じています。

―それは相手もうれしいですよね。

笹木:「この記事、素敵でした!」と感想を伝えたり、「〇〇の視点が面白かったです」と話したり。実際、自分の話をするよりも、相手のことを知ろうとする時間のほうが多いくらいですね。

そのうえで、「この方にはこういう紹介のしかたがいいかな」と考えます。たとえば、プレゼン資料が50枚あったとしても、〇〇さんには10枚くらい飛ばして説明したほうが伝わりやすいな、とか。逆に「ここはたぶん興味がないだろうな」と思うところは、あえて触れないこともあります。

―日常の対人関係でも、コミュニケーションとしてとても大事な心構えかもしれませんね。

笹木:そう思います。たとえばお見合いでも、相手の趣味に合わせて話しますよね。用意したスピーチをダラダラ話されても、絶対つまらないですし。

PRといっても、ただ情報を伝えるだけではなく、コミュニケーションの本質に関わるノウハウなんですよね。仕事でも、友人関係でも、恋愛でも、どんな場面でも活かせることだと思います。

仕事も成功して、家庭円満も叶える秘訣

―その後も笹木さんが手掛けたバーミキュラも大ヒットとなりましたね。企業において多くの功績を残されたと思うのですが、独立したきっかけは?

笹木:独立したきっかけは、出産でした。3社目のベンチャー企業で働いていたとき、子育てとの両立に限界を感じたんです。仕事も家庭も大切。でも、どちらかが犠牲になるのは、どうしても納得できなかった。だから、時間の融通が効くフリーランスとして、PRの仕事をしながら家庭も大切にしたいと思ったんです。

最初の3年間は、ただがむしゃらにやり続け、3年目からは一人で回すことにも慣れてきた。そうなってくると今やっていることの上限が見えてきて。どれだけ頑張っても、担当できるクライアントは3〜4社が限界。世の中に対する影響度の狭さを感じてしまって。それがだんだんと、ジレンマになっていきました。

「一度きりの人生、このままでいいのかな?」

そんな思いが胸に湧いてきました。社会に貢献しているのか? 自分の人生、これでいいのか? このままだと、5年後、10年後も同じことをやっているのではないか……。そんなふうに悶々とするようになりました。

―その意欲は、どこからきているのでしょうか?

笹木:小さい頃、交通事故に遭ったことが大きく関与していると思います。事故で脳の手術をして、医師からは「植物人間になるかもしれない」とまで言われたそうです。幸い、私は無事でしたが、そのとき深く「生かしてもらった」という感覚を持ったんです。だからある意味、とても生き急いでいるんです(笑)。

フリーランスで悶々としていたとき、「どうせなら社会に影響を与えることができる経営者になりたい」と思うようになり、法人化を決意して。「日本一のPR会社になる」と心に決めました。「あの会社があったから日本が変わった」と言われたい。そういう生き方をしたい、と思ったんです。

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信頼している、株式会社LITAの仲間たち

―単に「社長になりたい」「トップになりたい」「稼ぎたい」ということではなく、社会にインパクトを与えるための手段、ということですね。

笹木:まさにそうですね。会社経営者になって高い時計買いたいとかそういうのはなくて、やるからには日本一のPR会社になりたいし、日本を変えるようなチャレンジをしたい。そのために会社を大きくしていきたいとは思っています。

―ちなみに、今では事業と家庭を両立できていますか?

笹木: 今は、週末の土日と月曜日を愛知県の自宅で家族と過ごし、それ以外は東京で仕事をするという二拠点生活を送っています。このスタイルが私にはとても合っていて、心地よいバランスが取れていると感じます。毎日一緒にいるわけではないからこそ、家族により優しく接することができるのも、意外なメリットですね(笑)。

―旦那さんは最初から理解してくれましたか?

笹木: 最初から、とはいきませんでしたね。今ではとても理解し、協力してくれているので本当にありがたいのですが、起業をすることすらも「え?」という感じで、戸惑いもあったようです。

でも、私にとっては仕事も家庭もどちらも大切。仕事に全力を注げないことは、自分にとって大きなストレスになってしまいます。そうなると、家庭でも不機嫌になってしまう。結果として、家の雰囲気も悪くなってしまいますよね。だから、「私がご機嫌でいることが、みんなにとってもハッピーなはず」と、何度も伝え続けました(笑)。

そのうち、夫も少しずつ私の気持ちを理解してくれるようになり、今では本当に協力的になってくれました。やはり、自分の気持ちは言葉にして伝え続けることが大切ですね。もちろん、最終的に理解し、支えてくれている家族には心から感謝しています。

仕事こそ自己開示が必要

―PRとして企業との関わり方において、大切にしていることはなんですか?

笹木: 意識しているのは、私たちはただのビジネスではなく、本当にその会社を応援しているようなPRを提供したいと思っています。応援団のように、企業が本来持っている力を引き出してあげたいんです。

―本当の応援団、素敵ですね。

笹木: ただ結果を出すだけじゃなく、心から応援したいんです。そのために私たちができることは何か、ということを常に考えながら支援しています。

―そうなると、親和性がある企業と組むことが重要ですね。

笹木: そうですね、たしかにそれは大事です。せっかくお金をいただいて「勝たせたい」と思っても、実際には自社でなく、ただ輸入してきた商品を売るだけだったり、既存の商品をパッケージだけ変えたものだったりすると、どうしてもPRしづらいんですよ。なので最初に「勝たせる要素」があるかどうかをしっかりヒアリングします。

重要なのは、商品力とその商品に込められたストーリーです。「どうしてこの商品を作ったのか?」という背景や、その商品が生まれる過程での挫折、努力、情熱。それらがしっかりと語られているかどうかが、成功へのカギになります。

さらに言えば、今の社会が抱えている課題に対して、どれだけ時流にマッチしているかも大きなポイントです。この3つが揃っている商品があれば、PRは本当に強力な武器になりますね。それがあれば、心から「勝たせたい」と思えるんです。

―「PRは社会貢献」とお話されていましたが、信念としてどのようなことを大切にされていますか?

笹木: まず経営をする上で、売上だけ上がっていても意味がないと思っています。大切なのは、自分が提供しているサービスが、人々の幸せを作り出しているかどうか。それが一番大事なんです。企業が拡大して、それが誰かを幸せにしている。その実感がなければ、私はその仕事に意味を感じません。社会に影響を与える活動をしているかどうか、そしてまわりの人々を幸せにしているサービスを提供しているか、この軸を大切にしています。そこに自負があるからこそ、「日本一のPR会社」と自信を持って言えるんです。広める自信がないと、絶対に伝わりませんからね。信じていないものを広めるのは難しいです。

―その先の人々が幸せになることまで考えているんですね。その人が幸せなら、身近な人も幸せになるかもしれない。

笹木:極端な話、もしその企業が詐欺師だったり、何か違法なことをしていたりしたら、どれだけ素晴らしいPRをしても意味がないですよね。逆に言うと、私たちが関わる企業が本当に価値のあるものであって、誠実に活動しているかどうかが最も大切です。もしその企業が詐欺的なもので、それを広めることで傷つくお客さんがいるとしたら、それは私たちの責任にもなるわけですから。

―経営者の信念がしっかりしていることが大事ですね。組織であるからには、トップの方針が絶対になるというところはどうしてもあるじゃないですか。

笹木:そうですね。 経営者の方針によっては、「クレームが多い商品でも、売上のために展開を続けよう」といった判断がなされることもありますからね。

―PRはクライアントの伴走者と考えると、クライアントとの信頼関係も必要となってくると思うのですが、そういった関係性を築くために大切にしていることはありますか?

笹木:見栄を張らないこと、ですかね。なるべく自己開示するようにしています。「うちの会社ってすごいんです!」と誇示するよりも、「まだまだ小さいけれど、頑張っています」と言うほうが、人は応援したくなるし、警戒心がなくなりますよね。過去に大失敗した話や、現在の苦労を正直に伝えることで、「この人は信頼できる」と感じてもらいやすくなる。

もちろん、自信を持つことは大切です。ただ、それと同時に「応援される力」もすごく重要。自分の弱さや過去の失敗も含めて開示することで、仲間として受け入れてくださるような感じがします。

―もともと、自己開示はできるほうでしたか?

笹木:いえ、昔は全然できてなかったですね。プライベートではもともとオープンな方ですが、仕事ではプライドが邪魔してカッコつけていた部分があったと思います。経営者として3〜4年が経ち、挑戦してもうまくいかないことや、人が離れていってしまう経験を通して、「自分一人でできることには限界がある」と痛感しました。それから、自然とカッコつけるのをやめていった感じですね。

―ご自身の弱い部分を認めるようになっていったんですね。

笹木:もう、受け入れざるを得ないくらい失敗をしてきたので(笑)。人ってスーパーマンじゃないし、誰にでも得意と不得意がありますよね。たとえば、私は「新規開拓」は得意だけど、「社員に丁寧に教えていくこと」は苦手なんです。だからこそ、組織づくりが得意な人を巻き込んで、一緒に会社を成長させていくのが一番いいと思っています。自分にできないことは素直に人に頼る。そのぶん、たくさん感謝して、一緒に良い会社を作っていきたいです。

―たくさんの経験を通したからこその、しなやかな強さを感じます。

笹木:ありがとうございます。そういった柔軟性がないと、50億、100億といった単位の売り上げを上げていくのは難しいかな、と。

―どれくらいの売り上げが目標なのですか?

笹木:目標としている売り上げは100億。利益は30億ですね。社員は1000人規模の会社にしていきたいです。

―100億! 夢がありますね。

笹木: 目標に向かって努力することが、私にとっては趣味のようなものなんです。ただ、がむしゃらに働き続けるのが必ずしも最善だとは思っていなくて。自分をいい状態に保つために、運動と睡眠の時間はしっかり確保するようにしています。

週に2回は水泳で心身をリフレッシュし、土日はたっぷり10時間眠ってしっかり休息をとる。そうすることで、パフォーマンスを落とさずに走り続けることができるんです。30代までは気力だけで突っ走れましたが、40代に入ってからは疲れやすくなり、些細なことでイライラすることも増えてしまって。でも、水泳を始めてからは驚くほど心身のバランスが整いました。

―自分をいい状態に保つ工夫、大事ですね。

笹木:何が最適かは、人それぞれ違いますからね。私は今、PR塾で起業を目指す方、起業した方へのアドバイスもしているのですが、なかなか軌道に乗れない人の多くが、時間の使い方に課題を抱えています。常に時間に追われ、疲れ切ってしまっている。口ぐせのように「休みたいけど、そんな時間がない!」と言っている方ほど、実は効率が落ちているんです。ただ「休む」のではなく、自分を能動的にメンテナンスすること。それが結果的に、最大のパフォーマンスを生み出す秘訣なのだと思います。

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講座中の様子

―最後に、これから起業したい、事業を大きくしたいと考えている人へアドバイスをお願いします!

笹木:私のまわりで成長しているリーダーたちを見ていると、「人と一緒にやるのが上手な人」が多いんですよね。逆に、すべてを自分でこなそうとする人ほど、器用貧乏になってしまい、結果的に苦労が増えてしまう。もちろん、人と組むことにはリスクもあります。途中で離れてしまうこともあれば、責任を負う場面も出てくる。でも、それでも挑戦し続けるマインドが大事なんです。私は、「失敗しないと人は成長しない」と思っていて。大きな挑戦をして、大きな失敗をする人ほど、どんどん成長していく。だから、カッコ悪くても「やっちゃった!」でいいんです。

―今の時代、SNSの影響でまわりの目を気にしてしまう人も多いですよね。

笹木:そうですね。私は起業して8年間、SNSを活用してきましたが、「あれをやります!」「これを始めます!」と言って、途中でやめることなんていくらでもありました。でも、多くの人は「やめます」って言えないんですよね。その結果、ダラダラと続けてしまう。たとえば誰かとコラボして商品を作ったものの、売れなくても「やめる勇気」がなくて続けてしまう。旗を下ろす決断ができないんです。

私にとってのターニングポイントは、「やめる」と言えたことでした。方向性を変えると、離れていく人もいる。でも、それって本当に気にするべきことなのかな?って。大切なのは、自分の近くにいる人たちが理解してくれること。だからこそ、心おきなく挑戦できるんです。

―なるほど。周囲の反応を手放せたのが大きかったんですね。

笹木:そうですね。PR塾の受講生の目も気になりますし、「郁ちゃん、これやるって言ってたのに方向性変えたね」なんて思われることもある。でも、「まあ、いいか」って思えるようになりました。

「郁ちゃんって、そういう人だよね」「失敗もするよね」って、そういう見られ方をされることもあります。がっかりする人も、もちろんいます。でも、そこに一つひとつ反応していたら、何もできなくなるんですよね。

―究極、「気にしない」ことが大事なんですね。

笹木:そうなんです。やってみないと分からないことって多いんですよね。自分の中ではちゃんとロジックがあって進んでいても、外から見れば「ブレている」と思われることもある。でも、そんなことを気にし始めたら意味がない。だから私は、他の人のSNS投稿をあまり見ないようにしています。見ていると、無意識に自分も見られているような感覚になってしまうので。

―方向性は変わっても、自分の軸をブラさなければ良い、ということですね。でも、そうやって継続できるというのは、仕事と人生のゴールが同じだからこそ、かもしれないですね。

笹木:そう。私は仕事と人生の夢が完全に一致しているのですが、それってすごく幸せだと思います。私にとっては、「自分の夢に向かって挑戦できていること」が何より幸せ。たとえ夢を達成したとしても、また新しい目標を見つけて進んでいくと思います。おそらく、元気に生きているうちはずっとそんな人生なのかな、と。私も会社も、楽しみながら成長し続けられたら。そんな仕事の在り方を、みんなが見つけられたらいいのかもしれませんね。



PRと聞いて、「家康様、今日は関ヶ原でPRイベントです」という本を思い出した。歴史を題材に広報テクニックを学ぶという斬新なアプローチで話題となった著書だ。この本では、歴史はストーリーテリング(物語を紡ぐ)技法を探り、現代のPRに活かすといったもの。

それだけ広報というのは共感や感嘆、関心を呼ぶような内容が大切ということでもある。しかしながら、そこに“嘘”があってはならない、とも思う。要は表現の仕方であり、そしてそれを伝えるのは人間で、それを受け取るのも人間。つまるところ、心と心を繋ぐリレーであり、それはつまりコミュニケーションでもある。

笹木さんへのインタビューを経て感じたのは、(とても安易な表現にはなってしまうけれど)「信頼できる方だな」という印象だ。それって、何事においても大切なことではないだろうか。いい人・悪い人というジャッジでもない。信頼におけるということは、仕事においてだけでなくあらゆる人間関係においても必要なこと。改めて、原点に立ち還ることができたように思う。



取材・文/竹尾園美

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PRプロデューサー・笹木郁乃さんが語る、「“いいモノ”だけでは売れない時代に、どう戦う? PRの極意とは」

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