Interview
♯グッドバイブスウーマンvol.3<番茶さん/写真機修理店店主>
#グッドバイブスウーマン。その方の信念や生き方、在り方がわかるような、「10の質問」をお届けします。本連載は、グッドバイブスな友人・知人をご紹介していくリレー形式。第三回目にご登場いただくのは、番茶さん。
2024.10.11公開
■番茶
フィルムカメラ専門の写真家として活動する傍ら、2024年9月よりクラシックカメラの販売・修理店“番茶寫眞機店”をオープン。写真と言葉を紡ぐ唯一無二の作品を創り、壊れて動かなくなったクラシックカメラに命を吹き込んでいる。
A.肩書きは特になくて、みなさん好きにつけてくれていいですよって感じです。
フィルム写真を撮っていたり、文章を書いていたり、フィルムカメラ好きが高じて販売・修理店を営み始めたり、週末は子ども達相手にスポーツ心理学を教えていたりもして……。細かくあげれば他にもいろいろあるんです。
だけど実際は、作り名の「番茶」という名前がある意味肩書きのような形で、ひとつのアイデンティティになっているときが多くて、それが一番嬉しかったりします。
A.原動力みたいな大きな力は正直ない気がしていて、むしろフィルムカメラや言葉の世界に浸る時間を、人間界で生きるための原動力にさせてもらっているくらいで。
フィルムカメラがないと、文章を書いてないと生きていられないんです。
もちろん愉しいからやっているし、でも面倒くさい時もあるし、難しく感じる時もある。
だけどもう自分の一部だから向き合うしかない。
そういう営みすべてが愛おしくて、ありがたくて、生きさせてくれているなぁ、と感じます。
A.“生きているものの尊さ”や“大切な人に触れられる有り難み”は誰しも持ってると思うのですが、人よりも“死”を意識しながら感じている気がしていて。
というのも、実の父と母は幼い頃に離婚して、父と会いたくてもずっと会えなくていたんです。それで小学六年生の時に初めて父と再会をする約束ができたんですが、再会の1ヶ月前に自殺してしまった。
その時から、なんていうか言葉にするのが難しいんですが、心の奥底にずっと重たい何かがあるんです。
そういう生い立ちだからか、私の散文作品は死を題材にしたものが多いですし、フィルムカメラの修理も言わば命を吹き込む仕事なので、
私にとって“死”という概念が、選択や考えの軸になっているんだろうなぁと思います。
A.それこそ今回私を紹介してくれたAYAKA BRANDYと6年越しの再会をした時じゃないですかね。
彼女とは高校からの友人で、だけど高3の時に思春期の私には対処できないような難しい問題があって喧嘩別れしてしまったんです。
それから年月が過ぎて、嘘みたいな偶然が重なって再会して、雨降って地固まるように昔よりも仲良くなって……。彼女の繋がりからまたかけがえのない人達が増えていきました。
彼女との再会がなかったら、あの人にも、あの人にも出会ってなかったのか…みたいなのが無限に続きますからね。
そんな素敵な人が集まっていく彼女の存在はとても偉大だと思います。
A.面白い夢を見た時は散文作品のためにメモしています。そのあと、布団を畳んで、手帳を見て前日の夜に決めていたやることリストを確認してから動き出します。
A.お地蔵さんですかね(笑)
以前友人が「番茶さんは誰のものでもなくてお地蔵さんなんだよ」って言ってくれて気に入ってしまいました。
それまでも「何者でもない感じがいい」だとか「飾らないところがいい」とか「ずっとそこにいてくれる安心感がある」とか言ってもらえることがあって。
それも全部“お地蔵さん”に集約できるなぁと腑に落ちた時はちょっと笑けてしまいましたけど、そういう存在でいたいですね。
A.私が何かを創ることで、誰かの、何かのきっかけになれたら…とは常々思っています。
大きな転機とかではなくて、思い出そうとしても思い出せないくらいの、小さなきっかけになりたいですね。
A.「雨垂れ石を穿つ」は、ふとした時に浮かぶ言葉です。
わずかな水滴でも、長い間同じところに落ち続ければ、硬い石にも穴を開ける。
そんな意味なのですが、私は凡人すぎるくらい凡人なので、なんでも時間かかるし、毎日全力で生きろとか言われるとしんどいんです。
だから“小さな力でも続けることで得られるものがあるんだよ”と言ってくれているこの言葉には救われます。
A.“いろんな世界を持っているという意識を持つこと”です。
家族、友人、仕事、趣味、恋愛、それぞれを世界ととらえて、一つが上手くいかなくても、良い意味で他のどれかに現実逃避をしながら時間が解決してくれるのを待ったりしています。
もちろん自分ができる限りの最善は尽くしますが、それ以上どうにもならない時もありますよね。
そんな時にすべてが上手くいっていないと思い込んで不機嫌でいると、本当に全てが悪い方向へ向かってしまいますし、大切なものを失いかねないので。
A.しばらくは「番茶寫眞機店」としてフィルムカメラの販売や修理をしていくのですが、
最終的には画廊喫茶兼、寫眞機店を開いて、時間を忘れて過ごしてもらえるくらいの憩いの場を作りたいです。
「彼女と出会って作品を見せてもらった時、ニットの概念を180°変えられたくらいの衝撃を受けました。表現者としてのセンスも素晴らしいですが、内側の美しさにも驚かされます。魅力の爆弾のような人です」(番茶さん)
構成/竹尾園美
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