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フェミニズムを学びたい方におすすめの映画集。エンパワメントされたい全ての女性へ

フェミニズムを学びつつ、エンパワメントされる映画をチェックしたい!そんな方のためにまとめてみた、おすすめ映画集がこちら。男女平等や女性の権利について考えつつ、純粋にストーリーも楽しめる作品が盛りだくさんなので、ぜひ目を通してみてくださいね。

2020.10.11公開

フェミニズムを学べる映画とは?

①女性の生き方や権利を反映する映画

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フェミニズムを学べる映画は、簡単に言うと女性の生き方や権利を反映する映画のこと。そもそもフェミニズムとは「男女平等を目的に、女性の権利を支援すること」と定義されていて、古くから浸透してきた、「男性と女性では生き方や役割は全く別である」という考え方に対抗する思想といえます。

フェミニズムという思想が一般的になる以前からも、女性の生き方や権利を反映する映画は作成されてきました。時代やジャンルを問わず常に存在してきたけれど、現在では明確に意識されてフェミニズムを学べる映画が作られるようになっています。21世紀を迎え、フェミニズム活動がより盛んになっていることが感じられます。

②女性をエンパワメントする映画

フェミニズムを学べる映画は、女性をエンパワメントする映画という解釈もできます。フェミニズム活動が盛んになるにつれ、女性の受容者を意識して作られるようになったです。

ただし、そんなに難しく考える必要はありません。落ち込んだときに元気やパワーを分け与えてくれる、そんな力強い女性が描かれている映画として、気楽に楽しんでいけばOK。

③時代の流れとともに変化

フェミニズムを学べる映画の面白いところは、時代の流れとともに見せ方も変化していること。女性は家庭を守るべしとされてきた時代では、職業に就くことや結婚の自由といった問題を表すものが多く見られました。

ところが働く女性が一般的になってからは、女性ならではの問題に関わる生き方について、幅広くスポットが当たるように。さらに、男性ヒーローを必要としないほどに力強い女性戦士の出現など、現在では明確にフェミニズムを意識した作品に辿りついています。一方で裏テーマとしてフェミニズムを扱う作品も多く、見せ方やテーマを発掘していく楽しみもあるといえます。

アメリカ|女性をエンパワメントするフェミニズム映画

①風と共に去りぬ

女性をエンパワメントするアメリカの映画として、真っ先に挙げたいのが「風と共に去りぬ」。恋愛映画と思われがちな作品だけれど、フェミニズムの視点から見ると、とても興味深い映画になっています。

貞淑な妻となることが最善とされる時代に、主人公のスカーレットは数々のタブーを覆していきます。アメリカ南北戦争の動乱を乗り切るため、自らの情熱に忠実であるため、男勝りの才覚を見せつけながら周囲になんと評価されようと突き進む。大きな悲劇に見舞われてもなお、故郷で再起を図ろうと決心する強さは圧巻です。

また、恋敵となるメラニーの存在も欠かせません。スカーレットとは対照的に描かれるメラニーの行動は、男勝りでいることだけが強さではないと気づかせてくれます。1939年に発表されたクラシックな作品ではありますが、フェミニズムを学ぶにはおすすめの一品。

②エイリアン

SF映画の大作である「エイリアン」も、フェミニズムを学べる映画の一つに数えられるでしょう。主人公のリプリーは、圧倒的な強敵に果敢に立ち向かうアメリカの「戦うヒロイン」の先駆けとなった存在。仕事のうえで男性と対等に渡り合い、企業の陰謀を探り、戦いで勝利する行動力と力を備え持った、力強い女性なのです。

また、作品全体としてもフェミニズム要素が隠れていると指摘されることもしばしば。人間を襲い体内に卵を産み付けるエイリアンは、男性社会のメタファーとして解釈されています。となると、襲われる側の人間は男性社会に虐げられる女性のメタファー。リプリーは、男性社会に対抗するヒロインでもあるのです。力強い女戦士に憧れる人におすすめ。

③MADMAX怒りのデスロード

MADMAXシリーズは、アメリカの男性向けアクション映画というイメージが強い方も多いのではないのでしょうか。しかし、シリーズ4作目となる「怒りのデスロード」では、旅の同行者となる女戦士フュサリオの存在によって、フェミニズム視点がふんだんに含まれているのです。

フュサリオの行動理念は、虐げられた女たちの開放。自由を求めて逃げた5人の女たちを守りながら戦う。「怒りのデスロード」は、女を道具のように支配する男への抵抗の物語です。開始からクライマックスまで疾走感がありつつも、しっかりと人間模様が描かれているこちらの作品は、大迫力のラストにスカッと&感動すること間違いなし。

④20センチュリーウーマン

「20センチュリーウーマン」は、世代間を通してフェミニズムについて学べる映画。一人息子の教育に悩むシングルマザーが、二人の女性に指南役を相談することから物語が始まります。息子ジェイミーは1979年のアメリカを舞台に、母親と指南役を通じて、フェミニズムや女性の生き方、悩みについて向き合っていきます。

「20センチュリーウーマン」は、監督の自伝映画という側面を持つのも興味深いポイントです。監督のマイク・ミルズは、「女性のこと、セックスのこと、男であることも、ぼくはすべて彼女たちから教わった」というコメントを残しているそう。

⑤キャプテン・マーベル

女性のスーパーヒーローを主人公に据えた「キャプテン・マーベル」は、新しいフェミニズムを学べる映画と評される作品。アメリカのスーパーヒーローは得てして他人のために戦う存在として描かれるのですが、キャプテン・マーベルは「自分のため」というスタンスを崩さないのが特徴なのです。

敵役を撃破したあとに「お前に認めてもらう必要なんかない」と言い放つ場面は、とくに評価されているシーン。自分の存在証明に、他者の承認は必要ないというメッセージが含まれています。

日本|女性をエンパワメントするフェミニズム映画

①流れる

海外作品に比べると、日本の映画でフェミニズムを学べる映画と断言できる作品は、あまり多くはないでしょう。けれど全く存在しないわけでもありません。「流れる」は、1956年に公開された日本映画ながら、女性が独りで生きていくことを考えさせられる作品です。

花柳界という華やかな世界に身を置く女たちを描きながらも、男性に繋ぎ止められずに生きる姿が印象的。戦後の花柳界が消え去ろうという流れの中で、男に媚びない彼女たちはどのような生き方を選んでいくのか。未婚でも当たり前となった現代を生きる女性にこそ、おすすめした映画作品です。

②百円の恋

「百円の恋」は、挫折しながらも前に進むパワーが養える日本映画。主人公の一子は、引きこもりのニートだったのですが、妹が実家に戻ってきたことをきっかけに、外の世界に出ることに。しかし、待っていたのは差別や恋した男性からの裏切りでした。

けれど、一子は泣くだけでは終わりません。一子を捨てた男性がのめり込んでいたボクシングを始め、痣だらけになりながらも自分の生き方を見出していくーー。一子を演じた女優の安藤サクラさんは、撮影中にボクサー体型へと体を変化させるほどプロフェッショナルに徹し、第39回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞されました。

③21世紀の女の子

「21世紀の女の子」は、フェミニズムを意識して作られた日本映画。オムニバス形式で、21世紀の女の子に捧げる、挑戦的短編集とも呼ばれてます。

また、総勢15名の若手女性監督たちによる作品という点も特徴的。共通テーマとして「自分自身のセクシュアリティやジェンダーが揺らいだ瞬間」を扱っています。未来を期待される、日本の女性監督たちの実力を垣間見たいという方にもおすすめ。

ジブリ|女性をエンパワメントするフェミニズム映画

①風の谷のナウシカ

アニメにおけるフェミニズムを学べる映画を語るなら、ジブリ作品は欠かせません。ジブリのヒロインは、誰もが凛と立つ強さを備えているけれど、中でも「風の谷のナウシカ」は別格。1984年に公開された作品ですが、女性ならではのリーダーシップを発揮している姿は、眩しいほどに輝いています。

風の谷の姫という立場にあり、有毒の瘴気の森を歩く腕を持つナウシカ。民のために谷を取り巻く瘴気の無毒化の方法を模索し、戦いにおいては身を挺して前に立つことをいとわない勇気あるヒロインです。女性リーダーとしての決断力は必見です。

②魔女の宅急便

「魔女の宅急便」は、働く女の子がテーマのジブリ映画。13歳の女の子が主人公だけれど、親元を離れて自立していく姿に勇気づけられたワーキングガールも多いと言われている作品です。

自力で住む場所を確保し、自らの能力でできる仕事を開拓していく主人公。人脈づくりの重要さやスランプからの脱出と、共感できる点が多いことがおすすめポイント。落ち込んだときに元気になれる内容で、女性をエンパワメントするフェミニズムを学べる映画といえるでしょう。

③もののけ姫

ジブリで最もフェミニズムを学べる映画といえるのは、「もののけ姫」ではないでしょうか。主人公は男性ですが、ヒロインを含めて、登場する女性たちが皆とてもパワフルなのです。

ヒロインのもののけ姫も、タタラ場の村を治めるエボシも、自らが守ろうとする場所のために一歩も引きません。本来であれば女人禁制であるタタラ場で働く女たちも、誇りを持って仕事に励みます。ジブリの女性が見せるあらゆる力強さを感じたい方に、おすすめの作品。

ディズニー|女性をエンパワメントするフェミニズム映画

①アナと雪の女王

ディズニーといえばプリンセスと王子。そんなイメージを覆したディズニー映画が「アナと雪の女王」です。ディズニー初のダブルヒロンとして有名になりましたが、実は、王子様の助けを必要とせずに自ら飛び出すプリンセスが登場したのも初めての作品なのです。ディズニー映画において、フェミニズムが意識された初の作品にもなるとも言われています。

なんといっても多くの問題を抱えた主人公の一人であるエルサが、「ありのままに」と歌うシーンが見どころ。自立することを恐れずに、自分らしく、自由に前に進もうという決意が現れています。

②ムーラン

「ムーラン」は、性別という役割に挑んだ初のディズニーキャラクター。多民族の侵攻を控えた徴兵令に、足の悪い父の代わりに従軍する決心することからストーリーは始まります。女性が従軍することは軍規違反となるリスクを抱えながらも、女にだってできるという覚悟を貫いた作品です。

他のディズニープリンセスとは異なり、王女でもなく、恋愛相手も王子ではない。王家に関わる責任を持つわけではなく、普通の女の子が頑張る姿が特徴的。

③モアナと伝説の島

「モアナと伝説の海」は、「アナと雪の女王」以降に作成されたディズニー映画。そのため、フェミニズムの影響を受け継ぐ形で作られた作品です。王子様との恋愛よりも、女の子の自立や成長という点にスポットが当てられていることが特徴。

自分の生き方に迷いながらも、村を救うためにリーダーとして成長していく姿は、現実でも女性がリーダーになれる流れを応援していると解釈されています。

NETFLIX|女性をエンパワメントするフェミニズム映画

①ユニコーン・ストア

NETFLIXオリジナル映画にも、フェミニズム作品は豊富。中でも、とくに注目したいのが「ユニコーン・ストア」。「キャプテン・マーベル」で主演を務め、アクティブに活動するフェミニストとしても知られている、ブリー・ラーソンの長編映画監督デビュー作でもあるためです。

「ユニコーン・ストア」は、ブリー・ラーソンの経験や思想が反映されている映画とも言われています。本人が主演していることも含め、NETFLIXでフェミニズムを学ぶ映画として、まず見ておきたい作品の一つ。

②レボリューション-米国議会に挑んだ女性たち-

「レボリューション」は、下院議員に出馬した4人の女性新人候補者を追ったNETFLIXのドキュメンタリー映画。労働者階級出身の4人が、政治の世界で奮闘する姿を紹介しています。

男性候補者よりもハードルが上がると言われている選挙活動で、それぞれの信念を貫き通した彼女たち。男性と競い合うという現実を見ながら、フェミニズムについて考えるにはピッタリのNETFLIX映画です。

③エノーラ・ホームズの事件簿

「エノーラ・ホームズの事件簿」の事件簿は、2020年にNETFLIXでリリースされたばかりの映画です。主人公は、名探偵シャーロック・ホームズの妹。花嫁学校に放り込まれても、兄ゆずりの頭脳で事件の真相を究明するために飛び出していくほどアクティブな女の子として描かれています。

時代の背景的にも、平等のために立ち上がる女性たちが描かれていて、フェミニズム的なメッセージもちりばめられています。謎解きというエンターテイメントを楽しみながら、フェミニズムを学びたい人はNETFLIXで観てみてくださいね。

フェミニズムのおすすめ映画で力強く踏み出そう

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フェミニズムについて学べる映画は、意外に豊富なのです。ジャンルも様々だし、ジブリ映画からドキュメンタリー映画までタイプもたくさんあります。観ているだけでもエンパワメントされる作品ばかりなので、女性としての在り方を考えたい時、パワーを貰いたい時には、力強く踏み出すためにもフェミニズムを学べる映画の鑑賞がおすすめですよ。

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