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映画界に誇る14人の女性映画監督たち。そのパーソナリティと優れた作品をご紹介

映画界には、女性ならではの感性と視点を生かした作品を作る女性監督が数多く存在します。今回は、女性の映画監督を日本・海外に分けてご紹介!映画界に誇る有名監督から、注目が集まる若手監督まで、様々な人物を解説していますよ。是非参考にしてくださいね。

2020.11.02公開

【日本人】女性の有名映画監督4人!優れた作品もご紹介

①蜷川実花

日本人女性の有名監督と聞いて、蜷川実花を思い浮かべる方は多いでしょう。写真家として様々な賞を受賞され、アーティストのPV制作なども行う映像作家。2007年に『さくらん』という作品で映画監督デビューを飾り、以降多様な作品を手がけています。

蜷川実花監督の作品の大きな特徴は、独特の色使いとビジュアル。写真家としてのセンスが生かされた、芸術的な画が楽しめます。一種のエンターテイメントのような、刺激的な世界が体感できるでしょう。今後も注目が集まる、有名監督の一人です。

蜷川実花 代表作

  • 『さくらん』(2007年)
  • 『ヘルタースケルター』(2012年)
  • 『Diner ダイナー』(2019年)

②西川美和

西川美和も、有名な日本人女性監督のひとり。20代の頃、『ワンダフルライフ』という作品にスタッフとして携わったことが、映画監督を目指すキッカケになったとか。その後、助監督を経験したのち、『蛇イチゴ』という作品で監督デビューを果たしました。国内の賞を数多く受賞し、今もなお注目されている監督です。

西川美和の作品の特徴は、人間心理の捉え方。キャラクターが抱いている心の揺らぎを、独特な視点と高い描写力で描きます。軸のあるストーリー展開と脚本力で、観ている人の心を捕らえて離しません。記憶に刻まれる作品を楽しむことができますよ。

西川美和 代表作

  • 『蛇イチゴ』(2002年)
  • 『ディア・ドクター』(2009年)
  • 『夢売るふたり』(2012年)
  • 『永い言い訳』(2016年)

③安藤モモ子

有名な日本人女性監督に、安藤モモ子も挙げられるでしょう。俳優兼映画監督である奥田瑛二を父に持ち、幼い頃から映像作成に興味を抱いていたと言われます。ロンドン大学で芸術学と、ニューヨーク大学で映画作成を学んだ後、日本で映画制作に携わることを決意。『カケラ』という作品で監督デビューを果たしました。

安藤モモ子の作品は、「生きること」を真摯に問うたものが多いです。家族や孤独感、恋愛、LGBTなど、社会的なテーマを絡めながら、現実にとことん向き合って作られているのです。

重たいテーマを取り扱っているにも関わらず、心が沈むような余韻はほとんどありません。彼女の作品からは、人本来が持つ温かさを感じることができますよ。

安藤モモ子

  • 『カケラ』(2009年)
  • 『0.5ミリ』(2014年)
  • 『アエイオウ』(2018年)

④河瀬直美

河瀬直美も、高い評価を集める日本人監督の一人。専門学校の映画科を卒業したのち、ドキュメンタリー作品を制作し、様々な賞を受賞します。その後、1997年の『萌の朱雀』という作品を発表し、第50回カンヌ国際映画祭の「カメラ・ドール」という賞を20代で受賞。海外からも高い注目を集める日本人監督です。

2007年に発表された『殯の森』は、第60回カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞。2009年には、映画祭に貢献した監督に贈られる「金の馬車賞」を、アジア人女性で初めて受賞しました。その後も、様々な映画祭で数多くの賞を受賞しています。

河瀬直美監督の作品の大きな特徴は、独特の「間」。人が作った音は全て排除され、木々のざわめきや風の音、動物のいななきを感じることができます。作品を観ることで、人間が世界の一部であること、自然界の本来の姿に気づくでしょう。壮大な世界を感じたい方は、是非河瀬直美監督の作品を鑑賞してみて。

河瀬直美 代表作

  • 『萌の朱雀』(1997年)
  • 『殯の森』(2007年)
  • 『2つ目の窓』(2014年)
  • 『光』(2017年)

【日本人】女性の若手映画監督3人!注目したい作品とは?

①松本花奈

日本人の若手監督として注目されているのが、松本花奈監督。1998年生まれの20代で、現在慶應義塾大学に在学中。16歳の時に発表した映画『真夏の夢』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出品されました。その翌年に発表された『脱脱脱脱17』では、審査員特別賞と観客賞を受賞。

20代という若さながら、様々な賞を受賞している若手監督。映像制作を学んだ経験がないながらも、独特の感性と着眼点を活かし、様々な作品を手がけています。監督以外にも、役者や作家としても活動している彼女。今後の活躍に注目が集まる20代の若手監督です。

松本花奈 代表作

  • 『真夏の夢』(2014年)
  • 『脱脱脱脱17』(2016年)
  • 『スクールアウトサイダー』(2017年)

②山戸結希

山戸結希も、今注目が集まっている若手監督のひとり。大学に在学中に「言葉では表現できないものがある」という考えのもと、映画研究会に所属。その後独学で、『あの娘が海辺で踊ってる』という作品を撮影し、20代で鮮烈なデビューを飾りました。

彼女の作品の特徴は、思春期の少女の内面を映し出していること。思春期ならではの感受性の鋭さや、少女ならではの柔らかさを描き、「女の子とは」という疑問を投げかけます。また独特な台詞回しも、彼女の作品の魅力になっています。

山戸結希 代表作

  • 『あの娘が海辺で踊ってる』(2012年)
  • 『おとぎ話みたい』(2013年)
  • 『溺れるナイフ』(2016年)
  • 『21世紀の女の子』(2018年)

③酒井麻衣

酒井麻衣も、注目されている20代の若手監督です。京都造形芸術大学の映画学科で、映画制作やプロデュースを学びます。その後2016年に『いいにおいのする映画』という作品を発表し、グランプリを含む6つの賞を受賞。翌年の『はらはらなのか。』という作品で、商業映画監督としてデビューを飾ります。

彼女の作品の特徴は、ずばり「比喩表現」。実際に起こっていることや残酷な現実を、物語に落とし込んで消化させています。豊富なアイデアと現実が絡み合った作風で、高い評価を得ています。今注目の映画監督です。

酒井麻衣 代表作

  • 『いいにおいのする映画』(2016年)
  • 『はらはらなのか。』(2017年)

【海外】女性の有名映画監督3人!著名な作品も解説

①ジェーン・カンピオン

ハリウッドなどで活躍している海外女性監督として有名なのが、ジェーン・カンピオン。映画界で大成功を収めた女性監督だと言われています。アカデミー賞や主演女優賞、カンヌ国際映画祭のパルム・ドール、ヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞など、数々の名誉ある賞を受賞しています。

カンヌ国際映画祭の最高賞、パルム・ドールを受賞している女性監督は、ジェーン・カンピオンただ一人。作品を発表するだけでなく、映画祭の審査員を務めるなど、活躍の場が幅広いのも特徴です。海外の有名な女性監督の作品を見たい方は、是非彼女の作品を鑑賞してみて。

ジェーン・カンピオン

  • 『ピール』(1983年)
  • 『ピアノ・レッスン』(1993年)
  • 『ある貴婦人の肖像』(1996年)
  • 『ホーリースモーク』(1999年)

②パティ・ジェンキンス

パティ・ジェンキンスも、海外で有名なハリウッド監督の一人。音楽や写真、演出を学んだ後、映画制作に取り組み始めました。2003年に、『モンスター』という作品を発表し、長編映画監督としてデビュー。その後2017年のハリウッド映画、『ワンダーウーマン』を手がけ、その名を世に広めることとなります。

『ワンダーウーマン』は、オープニング興行収入でトップを獲得。初週末の収入は、女性監督のハリウッド作品として最高記録となりました。またジェニファー・ユー・ネルソンの『カンフー・パンダ2』の世界興行も超え、女性監督作品の最高収入記録を更新しています。

パティ・ジェンキンス 代表作

  • 『モンスター』(2003年)
  • 『ワンダーウーマン』(2017年)

③ケイト・ショートランド

ハリウッドや海外で有名な監督に、ケイト・ショートランドも挙げられます。2004年、『15歳のダイアリー』という作品で監督デビュー。2作目である『さよなら、アドルフ』は、ロカルノ国際映画祭でグランプリを受賞しました。

主人公を女性にした脚本に定評があり、独自の視点と感性で描かれた作品に注目が集まっています。これからの活躍に期待が高まる女性監督の一人です。

ケイト・ショートランド 代表作

  • 『15歳のダイアリー』(2004年)
  • 『さよなら、アドルフ』(2012年)
  • 『ベルリン・シンドローム』(2017年)

【海外】女性の若手映画監督3人!おすすめの作品もご紹介

①ナディーン・ラバキー

海外の注目若手監督として、ナディーン・ラバキーの名前を挙げる人は多いでしょう。監督兼女優として活躍しており、『キャラメル』という作品でデビューを飾りました。「パワフルなアラブ人女性」のTOP5にランクインするほど、高い注目を集めています。

2018年に発表された『存在のない子供たち」では、実際の難民の姿を描いています。「映画が人の人生を変える」をモットーに、長い時間と取材を重ねて作られる作風が特徴。

ナディーン・ラバキー 代表作

  • 『キャラメル』(2007年)
  • 『存在のない子供たち』(2018年)

②クロエ・ジャオ

クロエ・ジャオも、高い評価を持つ若手女性監督です。北京生まれの彼女ですが、幼い頃から西洋の文化に惹かれてきたとか。ロンドンの寄宿学校、ロサンゼルスの高校を卒業した後、ニューヨーク大学で映画製作を学習します。

大学で学んだ経験を活かし、西洋文化のカウボーイを描いた『ザ・ライダー』という作品を発表。高い注目を集めました。嘘臭さやファンタジー感が全くない、現実に訴えかける作風が特徴。観た人の心に余韻を残します。

クロエ・ジャオ 代表作

  • 『ザ・ライダー』(2017年)
  • 『ノマドランド』(2020年)

③キャシー・ヤン

キャシー・ヤンは、日本でも注目が集まる海外若手監督です。幼少期をワシントンで過ごし、ニューヨーク大学で映像学を専攻。同大学で映画の学士号を取得した後、映画作成の道に進みます。

2018年に『Dead Pigs』という作品でデビュー。2020年には『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』という作品を手がけ、注目が集まっています。

キャシー・ヤン 代表作

  • 『Dead Pigs』(2018年)
  • 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』(2020年)

日本や世界で活躍している女性監督の映画を鑑賞しましょう!

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女性の映画監督は、男性と比較するとまだまだ少ないのが現状。しかし女性ならではの観点から生まれた作品は、映画界に新たな風を吹き込んでくれます。世界で注目されている女性監督の作品を見れば、感銘を受けること間違いなし。今回紹介した有名・若手監督を参考にしながら、作品を探してみて。

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