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子供のうちに知ってもらうために。自分と異性について学べる性教育の本をご紹介
子どもの為の性教育には、話し言葉だけでは伝えきれない部分もきっとたくさんありますよね。ご家庭や教育の場で、子どもに向けて性教育を始めたいと思う方のために、子どもの年代別におすすめの本をまとめてみました。どうやって子どもと話したら良いか分からないという保護者のための本もあるので、ぜひ併せてご覧くださいね。
2020.12.15公開
性教育と一言でまとめても、実際にはいくつかのジャンルに分かれます。最も馴染み深いのは、体とセックスに関する教育。男女の身体の仕組みや生殖、性感染症などに関する知識が当てはまります。
日本では、主に学校の保健体育の時間で触れますね。「命育(めいいく)」とも呼ばれ、性や妊娠・出産などを含む、命について正しい知識を身につけることを課題としています。
性犯罪にまつわる教育も、性教育に含まれる内容の一つ。性犯罪の被害者とならないよう身を守る方法を学ぶことに加え、加害者とならないための教育も当てはまります。
また、「性犯罪の被害者は女の子」というイメージもありますが、男の子の被害者も少なくありません。女の子でも男の子でも、性犯罪にまつわる教育を受けることは大切です。
性教育の中には、男女平等にまつわるものも含まれます。男女には性差があっても平等であることに理解を深めたり、性差別問題について考えたりするものですね。
男女平等にまつわる教育は、日本ではあまり触れられない分野。男女の違いって何?ジェンダー意識とは?性的偏見ってどういうこと?親も子どもも、学ぶことがたくさんあります。
フランスやオランダなどの性教育先進国では、同性愛やトランスジェンダーにまつわる教育も行われています。LGBT+とも呼ばれる、セクシュアル・マイノリティに関するものですね。
同性愛やトランスジェンダーを含むセクシュアル・マイノリティに関する教育も、まだまだ発展途上な分野。セクシュアル・マイノリティ差別や、自分の性について悩む人はゼロじゃないと、学んで理解していくことが大切です。
子どもへの性教育は、幼児期である3~4歳からでも十分に意味があります。『コウノトリがはこんだんじゃないよ!』は、命育への第一歩となる絵本です。男の子と女の子の体のことから、妊娠・出産にまつわることが学べます。
また、命育だけでなく人種や文化、多様なジェンダーについても紹介。対象年齢は4歳で、すべてひらがなで書かれていますが、イラストを見るだけでも興味深い絵本になっています。
『ぼくのはなし』も、命育に関する学びができる絵本。生命の誕生や、自分が生まれてきたことに対する喜びを伝える一冊になっています。
タイトルとイラストから男の子用の絵本にも見えますが、女の子用としても十分。同シリーズには、プライベートゾーンに関しての知識と、自分の体と心を守る大切さを説く『わたしのはなし』もあります。
『いいタッチわるいタッチ』は、性犯罪を防ぐための学びができる絵本。プライベートゾーンに関する学びと、いやだと感じるタッチに対して「NO」と言うことの大切さを教えてくれます。
巻末には、保護者に向けた文章も。子どもが危険な目に遭わないためにはどうすれば良いのか、性的虐待を受けた子どものサインはどういうものなのか、大人が知っておきたい知識が掲載されています。
『とにかくさけんでにげるんだ』は、性犯罪を含めて、子どもに犯罪から身を守るための知識を伝える絵本。危険なことに遭遇しそうになったら、どんな行動をすればいいの?怪しい人に出会ったら?色々なシーンを通して、子どもができる対処法が学べます。
また、性被害を受けてしまった場合の保護者の接し方や心構えも巻末に掲載。深刻なテーマを、手に取りやすい絵本にまとめています。
『いろいろいろんなかぞくのほん』は、多様な家族の姿を描いた絵本です。大家族もいれば、ひとり親の家庭もあるし、養子を迎えた家族だってある。
また、父親が二人いる家族も紹介されています。多様な家族の姿の一つとして、さらりと触れられており、LGBT+の入門編としても人気です。
小学生も中学年になると、第二次性徴期を迎えます。命育の一環として押さえておきたいのは、女の子の体のメカニズムと生理の仕組み。『生理だいじょうぶブック』なら、詳しく知ることができます。
小学生の女の子の身に起こる変化について教えたいときにおすすめ。産婦人科医が監修している本というのもポイントが高いですね。プライベートゾーンやLGBTの話題にも踏み込んでいます。
小学生の男の子も、第二次性徴期に迎えて知識を得ておくことは大切。『おれたちロケット少年』は、男性器の形や変化などをテーマに、マンガ形式で分かりやすく伝えてくれます。
精通や勃起などで不安を抱えやすい小学生の男の子も、前もって自然なことだと知っておくことで心構えができるでしょう。性交や性感染症、男性器の洗い方なども紹介されています。
『ネットのルール』は、インターネットにおけるトラブルに巻き込まれないよう、知識や注意点を伝えてくれる一冊。性犯罪を防ぐための性教育の一貫としても、押さえておきたいポイントです。
いまやスマホやPCだけでなく、携帯ゲーム機からもネットに接続できる時代。知らず知らずのうちに、性犯罪に巻き込まれる可能性も増えています。コミュニティサイトでの振る舞いや個人情報の流出防止など、小学生でもネットのルールは無視できません。
『あかちゃんはどうやってつくられるの?』は、赤ちゃんが生まれるプロセスが率直に伝えられている一冊。絵本形式なので、小学生の低学年からでも手に取りやすいでしょう。
日本の命育ではなかなか触れられない、同性カップルの赤ちゃん事情について考えられることも特徴。不妊や体外受精、帝王切開に養子縁組なども絡めながら、赤ちゃんが生まれることについて学べます。
『あっ!そうなんだ!性と生』は、絵本と大人向けの文章の二部構成になっている本。絵本部分で紹介されている点について、子どもへの伝え方のポイントや補足してほしいテーマの解説が載っています。
プライベートゾーンの名称や体の仕組みが分かる「からだ」の章、命育について触れられる「いのち」の章、ジェンダー意識やLGBT、性被害などについて書かれた「わたしとみんな」の章といった構成に分かれています。
思春期に入ると視野に入ってくるのが、体と心の成長。『女の子、はじめます』は、思春期の変化にとまどう女の子に寄り添ってくれる一冊です。成長における体の変化や、恋愛における性との向き合い方などを紐解きます。
プライベートゾーンに関する理解や、女の子が知っておきたい男の子の体の仕組み、男らしさや女らしさなどジェンダーに関する内容も含まれていますよ。
思春期の男の子も、恋愛と性に悩むとき。『マンガでわかるオトコの子の「性 」』は、性的欲求との向き合い方や、女の子の体のことを教えてくれます。もちろん男の子自身の体のことも。
また、ネットで氾濫するセックスのリアルとファンタジーについての知識や、性犯罪に関する内容も掲載。13のテーマが分かりやすく解説されています。
『子どもとマスターする51の性のしくみと命のだいじ』は、男の子と女の子のどちらにも勧められる性教育の本。性教育のあらゆる分野を、思春期の子どもに向けて段階的に紹介しています。
内容は、プライベートゾーンを含んだ体の変化や特徴、命育に関する知識、思春期の心と体との向き合い方など。さらに、性犯罪や性被害、LGBTなど幅広く網羅しています。
『SEX & our BODY』は、中学生から高校生におすすめの性教育の本。セックスにまつわる事柄を中心に、体や心を守る方法が学べます。
体の仕組みや妊娠の仕組み、性病に関する知識などをイラストやデータとともに解説。セックスは簡単にできるけれど、体と心は傷つきやすい。10代の子どもに向けて、正しい知識を持ってセックスと向き合うことの大切さを教えてくれます。
『13歳から知っておきたいLGBT+』は、セクシュアル・マイノリティについて触れることができる一冊。当事者の体験記を通して、性の多様性について学べます。
また、10ページほどの用語集が掲載されていることも魅力。LGBT関連の用語は、まだまだ一般的に知られていないものが多いので、入門編として活用できます。
『おうち性教育はじめます』は、子どもへの伝え方に悩む保護者の方におすすめ。いつから始めたらいいの?どうやって話したらいいの?性に関する子どもの素朴な疑問への答え方は?そんな保護者の悩みに答えます。
『おうち性教育はじめます』のコンセプトは、「日々の会話が子どもを守る」。毎日の家族の会話の中で、体と心の守り方を親子で考えていける本です。
子どもといきなり性教育の話をするのは難易度が高いと感じる方には、『メグさんの女の子・男の子からだBOOK』がおすすめ。カナダで子ども向けの性教育のワークショップを手掛ける著者が、絵本形式で伝え方をまとめているので、一緒に読むだけでもOKです。
プライベートゾーンからセックス、妊娠・出産についての流れを科学的に語るので読みやすい一冊。日本の保護者に向けたQ&Aのコーナーもあるので目を通してみましょう。
性教育というものについて理解を深めたい場合は、『0歳からはじまるオランダの性教育』を読んでみましょう。日本ではまだ馴染みの少ない、性教育先進国の考え方が分かります。
また、障害を持った子どもたちのための性教育にも言及している、数少ない本の一つ。色々なタイプの子どもを対象にした性教育について知ることができます。
『先生と親のための LGBTガイド』は、LGBTについての正しい知識と、当事者との接し方について学べます。知っていると思っていた用語でも、実は色々と混同していたり、間違ったイメージを持っていたりする可能性も。ゲイとは?性同一性障害とは?トランスジェンダーとは?基本のポイントを押さえられます。
また、自分の子どもや身近な子どもがLGBTで悩んでいたら?無意識に当事者を傷つけていない?そういった子どもたちへの配慮や、向き合い方も学べる一冊です。LGBTを身近に感じて、理解を広げるうえでもおすすめですよ。
子どもの性被害を防ぐために、加害者の心理も知っておきたい。そう思う方は、『「小児性愛」という病―それは愛ではない』という本に触れておくのも良いでしょう。
筆者は、小児性犯罪者の治療に長年携わってきた人物。通常では理解しにくい、犯罪者の認知の歪みについて解説しています。ただし、内容が重く、読み進めることに抵抗感を抱く可能性も高い本である点には注意しましょう。
子どもへの性教育が重要視されるようになった現在、気軽に手に取って学べる本があるのは嬉しいことですね。いきなり話すのには抵抗がある場合も、本の力を借りることでワンクッション置くことができます。
また、大人自身の学びに繋がることも。性教育先進国でもまだまだ手探りの分野は多いので、子どもと一緒に読んで学ぶことが大切です。子どもたちの心と体を守るためのより良い道を、一緒に考えていきましょう。
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