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私の愛するmuseたち「マララ・ユスフザイ」

フェミニズムを意識するきっかけになった私が尊敬する女性

2020.11.18公開

フェミニズムとは?

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昨今では、女性の権利向上や社会進出も当たり前になり、「フェミニズム」というワードを見聞きする機会がとても増えました。

しかし、私自身、フェミニズムというものがどんなものなのか?何を意味するのか?分かっていたようで、都合よく解釈していたのではないかと気づきをくれたのが、今回紹介する彼女の存在です。

大袈裟ではなく、彼女の存在なしには「フェミニズム」は語れないと思っています。

Malala Yousafzai (マララ・ユスフザイ)

Amazon:I Am Malala

私よりも10個近くも若く勇敢な女性、マララ・ユスフザイが私にフェミニズムを意識するきっかけをくれた尊敬する女性です。

イスラム教徒でパキスタン出身の彼女は、ノーベル平和賞などの多くの賞を受賞し日本への来日も果たしているのでご存知の方も多いかと思います。

マララがこれまでに受賞した賞を見れば、彼女のことをよく知らなくてもフェミニストだということがみて取れます。

2013年1月9日【シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞】

法律、労働、教育、研究、文学、社会活動などにおいて女性の自由と擁護と促進のために世界的な貢献をしたものに与えられる女性の自由を象徴するシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞を受賞。

2013年7月12日【国連人権賞】

人権の促進と擁護に対し、顕著な功績を残したものに送られる賞であり、選定には女性の地位委員会も参加しています。

また、7月12日はマララの誕生日であることから、国連は7月12日を「マララ・デー」とし、マララの活躍を称えました。

2013年10月10日【サハロフ賞】

人権と思想を守るために献身的に活躍したものに与える賞であり、毎年受賞式が行われる12月10日は世界人権デーに制定されています。

2014年【ノーベル平和賞受賞】

受賞時、17歳だったマララは史上最年少受賞者であり、米タイム誌が発表した「2014年最も影響力のある25人のティーン」に選ばれました。

2017年4月10日【国連平和大使】

ニューヨークにある国連本部にて史上最年少の19歳で国連平和大使の任命を受けました。

マララの活躍

パキスタンで1997年に生まれた彼女は、父親が経営する女学校に通い医師を目指していた女の子でした。

2007年に武装勢力TTPが行政を掌握すると、テレビやラジオ、娯楽とみなされるものは全て取り上げられ、女性が教育を受ける権利を奪い、さらには教育を受けようとするものから優先的に命を狙われるようになり、マララの父が経営する女学校も襲撃を受け乗っ取られてしまいます。

2009年、マララが11歳の頃、TTPの支配下で恐怖が渦巻く中で生活している人々の惨状を英国のBBCの依頼によりブログ配信を開始。

元々は若干11歳の幼いマララではなく、他に依頼をしていたBBCですが、TTPから命を狙われることを恐れたため、依頼人が見つからず、そんな中BBCの依頼を引き受けたのがマララでした。

彼女はブログで悲惨な国内の状況を伝えるだけでなく女学校への襲撃、破滅行為を批判し、女性が教育を受ける権利を訴え続け、BBCのみならず多くの英国メディアから注目される存在に。

2009年にパキスタン軍の軍事作戦によりマララの地元、スワートからTTPが追放された際にパキスタン政府がマララを本名で称え、講演会などにも出席し、マララが女性の権利について演説したことなどがきっかけで、TTPから命を狙われる存在へとなってしまいした。

2012年10月9日に恐れていた事が起き、マララはスクールバスに乗り込んできた武装した複数から頭部と首に2発の銃弾を受け、他2人の友人も負傷する痛ましい事件が起きてしまいます。

マララはパキスタンの首都イスラマバードで治療を受けた後、身の安全を守るためにイギリスへと搬送されました。

イギリスのバーミンガムで治療を続けながらも、彼女は「銃弾では自身の行動を止めることはできない」と、女性の権利、女性が教育を受ける重要性を叫び続けたのです。

銃撃を受けた6年後、2018年3月29日に帰国を果たしますが、その後は英国に移住し、2020年6月19日にオックスフォード大学を無事に卒業しました。

真似できないマララの勇敢さ

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マララの名は、パシュトゥーン人の英雄であるマラライという人物にちなんで付けられた名前で、まさに現代に生きる英雄そのもの。

パキスタンでは、先祖代々続くファミリーツリーがありますが、女性の名前はファミリーツリーには刻まれてきませんでした。

しかし、女学校を経営する父は家族の歴史上初めてファミリーツリーにマララの名を刻み、またマララも歴史的革命を起こし世界のフェミニズムを起こすきっかけを作ったひとりの女性として世界に名を刻んでいます。

マララは、2013年10月にオバマ前大統領と面会した際にもオバマ政権時の軍事作戦を批判している勇敢で賢い女性です。

先進国で男女の違いはあれど、何一つ不自由なく教育も受けられ選択技が多い私にとっては、衝撃的でショッキングなことであると同時に、女性の権利だけでなく社会情勢や政治についても彼女のおかげで深く考えるきっかけになりました。

2013年12月にはマララ基金を設立し、2015年7月にはシリア難民の少女を対象にした学校を開設しました。

憧れだけでは絶対に真似できない彼女の勇敢さや活躍、生い立ちの背景は想像を絶するものがあります。

フェミニズムとは何か?

恵まれた社会の中では、男性はもちろん、私を含めた女性も都合よく解釈しがちなこの言葉を、マララによって真のフェミニズムを知ることができたと私は思っています。

「女性だから」「男性だから」このような言葉で片付けていいものなど何ひとつなく、一個人としての人権、個人の思想を尊重する、そんな当たり前のことが当たり前にできる世の中にすべく、ひとりの女性として自分から変わる必要があるのだとマララから多くを学びました。

都合良くも悪くも多く溢れる「女性だから」というこの言葉から抜け出し、フェミニズムとは何か?今後も向き合い、女性として向上していきたいと思わせてくれるマララの信念と行動力は多くの女の子のロールモデルであり、私の憧れの女性です。

■Writer's Profile

ダブリン遥香

アメリカ人夫と国際結婚。一児のおとこのこママ。妻になってもママになっても私らしく!夫と息子とアメリカ暮らしを満喫中。

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