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日本のエコマークの意味を解説!基本を知って環境を守るための第一歩へ
日頃何気なく目にするエコマーク。日本のエコマークには、一体どのような意味が込められているか、ご存知ですか?そこで今回は、エコマークの意味や特徴を詳しく解説します。エコマーク以外の、環境保全マークも紹介していますよ。是非参考にしてください。
2021.03.03公開
日本におけるエコマークとは、環境保全に役立つことを意味する表示。商品生産から廃棄に至る過程で、環境に与える負荷が少ないことを表しています。リサイクル可能な素材で作られていたり、長期的な使用ができたりといった商品が、エコマークに認定されます。
エコマーク表示で「環境に良い商品」を明示することで、消費者が環境に配慮した商品を選ぶことを促しているのです。また企業の環境改善意識を強めるというのも、エコマークの持つ大きな意味です。
エコマークとは、地球環境を守ることを目的につくられたもの。日本のエコマークは、地球を人が包み込んだデザインとなっています。また、人間の手で「e」のマークを示しているのも特徴。
このeは、「地球(earth)」と「環境(environment)」の頭文字です。「私たちの環境への意識を変えることで、この地球を守ろう」という願いが込められています。
エコマークとは、厳しい基準をクリアした商品やサービスにのみ与えられる表示です。まず「資源採取」や「製造」、「リサイクル」といった商品の辿るライフステージの段階を審査。次に「地球温暖化の防止」や「有害物質の制限・コントロール」などの、環境評価項目が評価されます。
これらの基準を一つだけクリアすれば良いというものではありません。商品のライフサイクルを総合的に判断して、エコマークの認定が決まるのです。非常に厳しい審査である一方、信頼度が高いのも特徴です。
エコマークには、企業と消費者を繋ぐ役割があります。近年、環境保全に対する意識を持つ消費者が増加していますが、こういった消費者が商品を探す時、エコマークによってすぐに環境に良いアイテムを見つけることが可能に。環境保全に取り組む消費者と企業を、エコマークがつないでいるのです。
エコマークは、消費者の商品決定に大きく影響しているのですね。また企業側にも、組織一丸となって環境保全に取り組む団体が増加中。自社商品がエコマークを取得するだけでなく、会社で取引を行う際の目安になることも。
このように、エコマークは様々なところで消費者と企業を繋げているのですね。更にはエコマーク取得のために環境意識の高い取り組みを行う企業が増えるという効果も。
日本のエコマークは、認定の幅が非常に広いのも特徴。エコマークと言えば、制服やペットボトル、文房具などを思い浮かべる人が多いでしょう。しかしそれ以外に、エンジンオイルや建築用の資材、家具などにも、エコマークに認定された商品があります。
更に形のあるモノだけでなく、サービスにもエコマーク認定が可能。例えばホテルやスーパー、カーシェアリングなど。様々な種類のサービスで、エコマークが採用されているのですね。
日本のエコマークは、公平に運営・審査されているのも特徴。エコマーク認定の基準策定では、学識者や事業者などの検討や、パブリックコメントなどを採用。ここで決められた基準を基にして、中立機関や有識者などに審査を依頼しています。
有識者や専門家が審査した後は、第三者機関である「日本環境協会」がエコマークの認定を行います。認定までの非常に厳しい基準が、エコマークの信頼を形作っているのですね。
日本では、エコマークが採用されている商品を、すぐに検索することができます。日本環境協会のエコマーク事務局のHPには、「エコマーク商品を探す」という項目が設けられています。ここから、商品類型やジャンル、フリーワードなどで、認定商品を見つけることが可能。
このサービスは、エコマークへの認知度を高め、少しでも多くの認定商品を手にとって欲しいという思いから始まりました。すぐに商品を探せる状態を作ることで、エコマーク商品へのハードルを下げる、という目的もあります。
バイオマスマークは、生物由来の資源を利用した商品を示すマーク。動植物由来の素材を使用することで、環境への負担を軽減し、リサイクルを促そうとしています。バイオマスには、主に木材や生ごみ、海藻などが該当します。
これらのバイオマス資源は、生物が水や二酸化炭素を使って生み出すもの。そのため、この先も持続的に再生し続けることができます。化石燃料に代わって使用することで、地球環境の保全に期待されていますよ。
インキグリーンマークは、環境配慮を目的に作られたインキに付けられる表示の一種。印刷インキの中に、リサイクル可能なバイオマスが含まれているか、が審査基準となっています。
またインキグリーンマークは、環境配慮のレベルによって3つのランクに振り分けられます。どのインキがより環境にやさしいのか、すぐにわかる仕組みとなっています。インキグリーンマークの普及により、化石燃料由来のインキを減らすことが目的。
環境への配慮がわかる表示として、ライスマークもあります。これは、米ぬかオイル由来の「ライスインキ」を使った印刷物に与えられる、環境マークの一種です。インキには通常、大豆油が使用されます。しかし大豆油は北米が生産の中心なので、輸送の際にCO2が大量に排出されます。
また本来食用である大豆が、工業製品化されているという懸念もありました。一方ライスインキは、国内の米ぬかで作られるため、CO2排出量が抑えられます。また、捨てられるはずの米ぬかをリサイクルすることにも。
ライスインキが使われた印刷物にライスマークを与えることで、大豆油インキの消費量を減らし、環境保全を目指しているのですね。輸送にかかる費用の削減、米ぬかのリサイクルと言ったメリットにもなります。
エコマーク商品の一例として、自動車保険が挙げられます。あまり知られていないサービスなので、目にしたことがないという人も多いでしょう。
ハイブリッドカーを使用すると保険料が安くなる、保険を通じて地球環境を保護する活動の実施など、様々な取り組みがなされています。環境に優しい運転講習なども行われていますよ。
和室などに使われている畳にも、エコマーク認定の商品があるのです。商品に有害成分が含有されていないか、製造過程で汚染物質が排出されていないかが、認定のポイント。
また再生できる材料が50パーセント以上使用されていることや、長期間の利用が想定されているかも、認定の重要なポイントです。普段何気なく使っている畳ですが、エコマーク認定の商品にすることで、環境を守ることができますよ。
認定数は少ないですが、エコマークを取得している飲食店もあります。店舗で出る食べ残しや、エネルギー使用量を把握していることが、エコマーク認定のポイント。
国や地方自治体が制定する、環境法規にのっとった運営を行なっているかも、審査の重要な項目です。また、こうして認定された飲食店では、環境保全に関する情報が発信されていますよ。
エコマークとは、地球にやさしい商品であることを意味するラベル表示。エコマークが付いているかどうかで、その商品が環境に良いのか、判断することができるのです。今回紹介したエコマークの意味や、認定商品などを参考に、地球にやさしいモノやサービスを知りましょう。
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