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環境問題を映画で学ぶなら。明日の生き方を考えさせられるおすすめの作品集
環境問題を学びたいと思った時、映画という手段はおすすめの勉強方法の一つ。今回は環境問題について分かりやすく学べる、様々な作品を集めてみました。SDGsの観点もまとめてあるので、映画と一緒にチェックしてみてくださいね。明日の生き方を考える参考になりますよ。
2021.02.14公開
環境問題に関する映画は、身近な問題に対する気付きを与えてくれます。SDGsを始め、豊富なテーマを色々な視点から扱っているためです。今まで当たり前だと思っていたことが環境に思わぬ影響を及ぼしている可能性が。
また、問題の取り組み方に対する、新たな視点を与えてくれるものもあります。正しい取り組みだと思っていたことに、意外な落とし穴が見つかることがあります。
遠い国で起こっている環境問題にも、映画を通じて触れることができます。遠く離れた場所の出来事だからといって、環境問題とは無関係だと言い切れません。
私たちの知らないところで、私たちに大きな影響を与える問題が起こっていることも珍しくありません。映画の世界を通して、自分事として捉えてみてください。
環境問題を扱った映画では、改善策を見つけるヒントを得られる可能性があります。そのようなヒントを得るには、リアルに問題を追求しているドキュメンタリーがおすすめ。ドキュメンタリーを通じて、実際に行われている問題改善のための取り組みも知ることができます。
環境問題に対して、何らかのアクションを起こしたいと思っている方は、映画を通じて学びを得てみましょう。SDGsに関連するドキュメンタリーも増えてきているので、参考になりますよ。
映画で学ぶために知っておきたいのが、環境問題はSDGsの基礎部分になるということ。SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標のことを意味します。国連サミットで採択され、17個の目標のもと、人間・地球・繁栄に関する行動計画を提示しています。
そんなSDGsの開発目標は、ウェディングケーキモデルという図で示されることがあります。モデルでは、地球環境という基盤のうえに、社会と経済が成り立っていることを説明。環境問題は、SDGsが掲げる目標の全てに関わっていることを表しています。
SDGsのウェディングケーキモデルによると、環境問題に直結する目標は4つとされています。安全な水に関係する目標6、気候変動対策にまつわる目標13、海と陸の豊かさを目指す目標14・15が該当します。
また、ウェディングケーキの土台外ですが、目標7も無視できません。再生可能エネルギーにまつわる目標で、環境問題と密接な関係があると言われています。水力発電や原子力発電など、環境に大きな影響を与える可能性を持つものが揃っています。
環境問題に直結するSDGs
環境に関わりが深いSDGs
SDGsとの関係が深い、主な環境問題は10種類ほど挙げられます。環境問題を扱った映画でも、テーマとされることが多いので、意識しておきましょう。
詳しい種類は、下記のリストの通りです。SDGsの目標達成のために、サステナビリティに基づいた対策が求められるものばかりが揃っています。
主な環境問題
『サンゴレンジャー』は、日本のサンゴ礁の環境破壊問題と地域開発をテーマにした映画です。美しいサンゴ礁を破壊する橋の建設に対して、反対活動を試みる主人公。しかし、船しか交通手段のない島では、橋の完成は島民にとって大きな意味を持ちます。
環境のためには開発を諦めるべき?病院や学校の問題が解決するなら、多少の環境破壊もしょうがない?便利な生活と環境破壊は紙一重、SDGsの目標達成の難しさが垣間見られます。
日本の林業は、100年先を見据える必要がある仕事。水を育み、気候変動を緩和し、資源となってくれる存在との付き合い方には、高度な技術と知識を必要とします。サステナビリティの意味に触れることができる、おすすめ作品です。
『WOOD JOB!』は、林業をテーマにしたおすすめ映画。1年間の林業研修プログラに参加した主人公が、自然の中で奮闘する姿を描いています。
『エメラルド・フォレスト』は、熱帯雨林の破壊と文明社会をテーマにした作品。現実のアマゾンでも直面されている問題を描いた洋画になっています。
2019年から2020年にかけて、ブラジル国内では1万1088平方キロメートルの熱帯雨林が破壊されたと言われています。こちらの洋画作品を見ることで、SDGsが森林保護を提唱する理由を感じ取ることができます。
『エリン・ブロコビッチ』は、実話をベースに製作された洋画。企業の水質汚染問題に、無職のシングルマザーが被害者と団結して立ち向かうストーリーです。
映画では、一人ひとりの力は小さくても、団結することで環境問題の解決は可能になることを教えてくれます。自分にできることを始めるための、勇気をもらいたい人におすすめ。
パニック映画に分類される『デイ・アフター・トゥモロー』は、気候変動をテーマにした洋画。地球温暖化によって突如訪れた氷河期に翻弄される、人類の社会を描いています。
世界的な大ヒットになった洋画で、興行収入の一部を植林資金として拠出していることも特徴。環境問題を放置したままでいると、いつか大きなしっぺ返しが来る、ということを警告しています。
『ハッカビーズ』は、哲学的な側面を持つコメディ映画ですが、環境保護に賛同する人の視点も楽しめる洋画。環境問題と保護活動に参加する人たちは、切り離しては考えられません。
内容の面白さに関しては賛否両論ありますが、ポリシーをもって保護活動に賛同する人たちの姿を垣間見ることができますよ。やや誇張された面もありますが、考えを深めるためにおすすめしたい洋画です。
『アバター』は、3D映像による劇場公開した作品として、日本でも大きな話題を呼んだ洋画。SDGsの観点から見ても興味深い作品となっています。
貴重な鉱物資源が眠る惑星パンドラで交わされる、資源開発会社と先住民との交渉。提示される条件に興味を示さない先住民に対して、会社側は強硬手段に出るように。環境破壊で母性を瀕死にまで追いやり、他星でも同じことを繰り返そうとする地球人の姿は、SDGsを達成できなかった未来の姿かもしれません。
普段の生活で当たり前に存在している「水」の存在。しかし地球規模で見ると、水不足や汚染水など、私達の見えないところで様々な問題が生じています。この作品では、そういった状況のリアルを、世界各国で捉えた映像になっています。
2014年のカナダ・アカデミー賞にて最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞したこの作品の、美しくも儚い情景は、きっと目に焼き付くことでしょう。当たり前な存在だからこそ思い出したい、水の大切さや地球規模の危機を学べる映画です。
『不都合な真実』は、地球温暖化の深刻な状況を紹介したドキュメンタリー映画として有名。温暖化による様々な環境の変化を、リアルに映し出しています。
アカデミー長編ドキュメンタリー賞も受賞している作品で、気候変動に対応するための様々な取り組みを紹介する続編もあり。映画を見ることで、環境問題と真剣に向き合うことになった人も多いと言われる名作。
瀬戸際を意味する『The 11th Hour』というタイトルのドキュメンタリー映画では、様々な環境問題を紹介。世界各国の有識者が語る、当時の状況を知ることができます。
製作からすでに10年以上が経過していることから、現在の状況と比較することもおすすめ。SDGsの採択は、果たして影響を与えたのか無意味だったのか、答え合わせができるドキュメンタリーとなっています。
『COWSPIRACYサステナビリティの秘密』は、畜産が与える環境問題について言及したドキュメンタリーです。サステナビリティが求められる現在、なぜ畜産が問題視されないのかを意識させられるおすすめの作品。
ヴィーガンとなることを勧めている側面もありますが、サステナビリティを考えるうえで見ておきたい映画になります。Netflix製作なので、配信をチェックして視聴することも可能です。
環境問題で不安になることが多いドキュメンタリーの中で、前向きにしてくれるのが『TOMORROW パーマネントライフを探して』。エネルギーや食料問題などについて、世界各地で行われている取り組みを紹介しています。
サステナビリティを実現するために大切なのは、未来を見据えて行動すること。色々な分野で、新たな可能性を模索する人々から、パワーを分け与えてもらえる作品になっています。
環境問題を扱ったアニメ映画として有名なのは、『風の谷のナウシカ』。日本が誇る大ヒットアニメの一つですね。人類が生きていける環境が破壊された未来を描いたもので、自然との対立と共生を考えさせられる作品となっています。
1984年に公開された映画ですが、今なお色褪せない名作。内容の面白さも相まって、子供と一緒に環境問題を学びたいときにおすすめです。
『木を植えた男』は、1987年にアカデミー賞短編アニメ賞を受賞した作品。ひたむきに木を植え続けて、森を再生した男性の人生を描いています。
実話と間違えられることが多い映画ですが、「木を植えることを好きになってもらいたい」という思いをもとに描かれた、絵本を原作にしたもの。破壊された森林の再生には、長い時間が必要であることを教えてくれます。
明るい雰囲気の作品ながらも、環境問題の悲しさを訴えかけてくるのが『ハッピーフィート』。ダンスが大好きな主人公のコウテイペンギンは、魚を採れなくしたという責任を負わされ、仲間から追放されることに。
しかし、魚が採れなくなった真の原因は、人間の漁による乱獲でした。人間の行動が他の生態系に大きな影響を与えることを、子供と一緒に学べる映画となっています。サステナビリティを実現しなければ、地球のすべての生き物が飢える可能性が。
環境問題を学べる映画には、あらゆるジャンルのものがあります。とくに数が多いのはドキュメンタリーですが、娯楽でありながらも、環境問題に対する人間のあり方を突きつける作品はたくさんあります。
日本だけではなく、地球規模での環境問題について知っておきたいことは色々。映画を通して観れば、これまで知らなかったこと、自分の中での存在感が薄かったものも、きっと鮮明に見えてくるのではないでしょうか。
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