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Bean to Barチョコレートとは?その製法とおすすめチョコをご紹介
「Bean to Barチョコレート」をご存知ですか?今、第三のチョコレート製法として注目されており、ヨーロッパや日本などで人気を博している商品です。バレンタインなどの贈り物にもぴったりな、おしゃれなものも多いんですよ。今回は、Bean to Barチョコレートの特徴や製法、おすすめの商品をご紹介します。
2021.01.26公開
Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)チョコレートとは、全ての製法を一つの工房で行なっている商品です。Beanはカカオ豆のことを、Barは板チョコレートを指す言葉。カカオ豆を現地から仕入れて焙煎する所から、板チョコ状に成形するところまでを、たった一箇所でやっているのが特徴なんです。
今までの板チョコレートの製法では、既に出来上がっている板チョコレートを再度溶かし、ブランド独自の味を付けるという流れが基本でした。カカオ豆の仕入れや焙煎、成形などの工程が、別々の工房で行われていたのです。
Point
Bean(カカオ豆)to(から)Bar(板チョコ)まで、1つの工房で製造しているチョコレート商品のこと。
新鮮な状態のチョコレートを作ることができるのも、Bean to Barの魅力です。一つの工房で工程を全て行うため、季節や豆の状態に合わせて少しずつ製法を変えることができます。また作ったチョコレートをすぐに供給することができるため、新鮮で深みのある味わいが楽しめます。
通常のチョコレートでは感じられない、フレッシュな状態ならではの香りと風味を体感できちゃいます。手間がかけられている分、段違いの美味しさが実現しているのですね。
Bean to Barは、今やチョコレート界のトレンドになっています。Bean to Barとは、2000年代初期にアメリカで生まれたチョコレートの製法です。初期はあまり注目されていなかったのですが、製法や美味しさが確立されてくると徐々に人気に。
今や、ヨーロッパや日本でもBean to Barを取り入れるお店が増えてきているのです。まだまだお店の数は少ないものの、これからどんどんメジャーになっていくと予想されています。
Bean to Barは、通常のチョコレートと比べて少々お値段が高め。板チョコレート一つで、1000円ほどかかることも珍しくありません。これは、品質の良いカカオ豆を使用していることが要因。えぐみや渋みの少ない豆を選定しているため、どうしてもお値段が張ってしまうのがネックなところ。
しかしその良質なカカオ豆を仕入れるため、カカオ豆の生産者と直接取引を行うことが多いのだとか。そういった流れから、フェアトレードの取り組みとしても注目されています。とはいえ、農家から直接仕入れているかは店舗によって様々。全てのメーカーがフェアトレードチョコレートという訳ではありません。
また一方で、カカオ豆本来の味を邪魔しないためにと、砂糖にもこだわっているメーカーも多くいます。そのような様々なこだわりから、 Bean to Barチョコレートの完成までには非常に長い期間がかかるそうです。早くても2ヶ月、長いと1年以上、開発にかかることも。美味しい素材と手間の多さが、値段に関係しているのですね。
まずカカオの実から、チョコレートの材料となる豆を取り出します。実には白いパルプに覆われたカカオ豆が30〜40粒ほど入っていて、これを取り出し、豆を発酵させていきます。発酵させることでパルプを溶かし、チョコレートの原料を生成するのです。
発酵後は豆の水分を飛ばすため、しっかりと乾燥させます。豆を乾燥させると、商品と同じようなチョコレート色に変化。この工程が終わった後はに日本に輸送されます。
海外から輸送されてきた豆には、異物が混入していることがあります。そのため、運ばれてきた豆から異物を取り除く作業が欠かせません。また、カカオ豆がきちんと発酵・乾燥しているか、色や香りは良いかなど、状態のチェックもここで行われます。
異物が混入していたり、状態の悪い豆を焙煎してしまうと、チョコレートの品質が大きく落ちてしまいます。そのため、焙煎前にチェック作業を行う必要があるのです。
選定に通った豆は、丁寧に焙煎されます。焙煎を行うことで、チョコレートらしい香ばしい風味になっていきますよ。また焙煎を行うことで、豆の薄皮が剥がれやすい状態になるというメリットも。
チェックが終わったら、豆を粉砕します。カカオ豆の外側には薄皮が付着しているのですが、この薄皮が残っていると、チョコレートの味に渋みが出てしまうのです。そのため豆を粗めに粉砕して、薄皮を剥がしていく必要があります。
豆を砕いた後は、風選という作業を行います。風選とは、薄皮と豆を分ける工程のこと。粉砕したカカオ豆を落としながら、ウィノワーという機械で風を送ります。風選を行うことで、軽い薄皮のみを吹き飛ばし、カカオ豆の中身だけを残すことができるのです。
風選が終わったら、豆をペースト状にしていきます。豆の半分以上は、「カカオバター」という脂肪分でできています。そのためカカオ豆をすりつぶすだけで、綺麗なペースト状に。ここで豆を細かくすり潰すほど、滑らかな舌触りになると言われています。
豆をすり潰した後は、コンチングマシーンという機械を使用し、ペーストを練り上げていきます。ペーストを練り上げる過程で、カカオ豆の余分なにおいや水分を除去。チョコレートらしいトロトロとした舌触りも、練り上げの工程で生まれるものです。
チョコレートを練りあげた後は、テンパリングと呼ばれる作業を行います。テンパリングとは、チョコレートの調温のこと。温度調整をしながらゆっくりとチョコレートをかき混ぜることで、硬さやツヤを調節。テンパリングをすることで、チョコレートの型離れを防ぐこともできるのですよ。
テンパリングが終わったら、チョコレートを型に流し込んで冷やします。チョコレートが固まったら型から取り出して、綺麗に包装をすれば完成。
東京でBean to Barチョコレートを取り扱っているのが、xocolというお店。東京都世田谷区の、閑静な住宅街にあるショップです。人工香料や乳化剤などが一切使われていない、カカオ豆本来の美味しさが楽しめるチョコレートが販売されています。
xocolで人気を集めているのが、「ケツァール」と呼ばれる商品。グラニュー糖とカカオのみで作られており、シンプルながらもコク深い味わいが楽しめます。
xocol 店舗情報
住所 | 〒158-0081 東京都世田谷区深沢5丁目2−1 |
営業時間 | 14−20時 |
電話番号 | 03-5706-1307 |
green bean to bar chocolateも、東京にある人気店の一つ。ベネズエラで採れた、希少性の高いカカオ豆を使用しているのが特徴です。カカオ豆の豊かな風味と、柑橘やプルーンなどの香りが広がりますよ。
Bean To Barチョコレートだけでなく、焼き菓子や生菓子なども取り扱われています。店内には食事スペースもあるため、チョコレートを楽しみながらゆっくりとくつろぐことも可能。
green bean to bar chocolate 店舗情報
住所 | 〒153-0042 東京都目黒区青葉台2丁目16−11 |
営業時間 | 11−20時 |
電話番号 | 03-5728-6420 |
DANDELION CHOCOLATEとは、東京都台東区・渋谷区の2箇所に位置する人気店。産地にこだわり抜かれた豆を使用しており、カカオの風味を色濃く感じられるのが魅力。
様々な産地の豆で作られたチョコレートが、複数展開されているのも特徴です。豆の産地によって異なる味を楽しめますし、お気に入りの一枚も見つかりますよ。またチョコレートの通販も行なっています。
DANDELION CHOCOLATE 店舗情報
住所 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目10−1 GYRE B1F |
営業時間 | 11−19時 |
電話番号 | 03-5962-7262 |
ミニマルは、東京都渋谷区にあるチョコレート専門店。カカオ豆と砂糖のみで作られており、口に入れるとローストナッツや柑橘、ドライフルーツなどの風味が広がります。カカオ本来の、ザクザクとした食感が楽しめるのも魅力。
板チョコレートだけでなく、チョコレートクッキーやガトーショコラ、チョコレアチーズケーキなども販売されていますよ。バレンタインの贈り物にもピッタリです。
ミニマル 店舗情報
住所 | 〒151-0063 東京都渋谷区富ケ谷2丁目1−9 |
営業時間 | 11−19時 |
電話番号 | 03-6322-9998 |
大阪でBean To Barが楽しめると人気なのが、Marc de Iguchido。大阪府池田市の、石橋駅から徒歩分ほどの距離に位置する店舗です。ベトナムやハイチ、マダガスカルなど、様々な産地の商品が取り扱われています。
またBean to Barを使ったホットチョコレートや、ジェラートなどを楽しむこともできますよ。通販サイトも完備されていますので、大阪に住んでいない方にもおすすめ。是非、Marc de Iguchidoのチョコレートを体感してみてください。
Marc de Iguchido 店舗情報
住所 | 〒563-0023 大阪府池田市井口堂3丁目2−3 |
営業時間 | 11−23時 |
電話番号 | 090-6249-4135 |
なかたに亭は、大阪府上本町に位置するチョコレート店。チャウドゥックやコロンビア、ベトナムなど、様々な産地のカカオ豆を使用しています。素材本来の味を生かした、板チョコレートが楽しめますよ。
タルトやブラウニーなど、焼き菓子も販売中。通販なども取り行われていますので、遠方の方でもなかたに亭のチョコレートを楽しむことができます。バレンタインなどの贈り物には、なかたに亭のチョコレートを選んでみてはいかがでしょうか。
なかたに亭 店舗情報
住所 | 〒543-0001 大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目6−27 中川ビル 1F |
営業時間 | 10−19時 |
電話番号 | 06-6773-5240 |
Cacaotier Gokanも、大阪の人気チョコレート専門店。店内には工房が設置されており、作りたてのBean To Barチョコレートを楽しむことができます。
Bean To Barチョコレートのタブレットは、ベトナム、ガーナ、コロンビアなどの5種類。他にも、カカオサンドやシャポー、チョコレート・マドレーヌなども販売されています。
Cacaotier Gokan 店舗情報
住所 | 〒541-0043 大阪府大阪市中央区高麗橋2丁目6−9 |
営業時間 | 10−19時 |
電話番号 | 06-6227-8131 |
DANDELION CHOCOLATEの"マヤマウンテン・ベリーズ"は、チョコレートの世界大会で銀賞を受賞した経歴が。そんな人気商品を、通販で手に入れることが出来ます。
フルーツのような酸味と甘みのある、濃厚な味わい。砂糖にもこだわられており、厳選地域のオーガニックシュガーのみが採用されているのも特徴です。ギフトラッピングも行われていますので、バレンタインなどの贈り物にも最適ですよ。
様々なフレーバーのチョコレートが楽しみたいのなら、foo CHOCOLATERSがおすすめ。PAN・CHA・NEUの3種類のフレーバーが取り扱われています。PAは、カシューナッツミルクを使用したミルクチョコレート。カカオ豆本来の味わいはそのままに、優しい風味が実現しています。
foo CHOCOLATERSは、そのコンセプトも特徴的。全ての商品が乳製品や卵などの動物性の材料を使用しないヴィーガンチョコレートで、「食」に対する多様性を示しています。「多種多様な人々が分かち合う瞬間」をコンセプトに、今までにないチョコレートやその作り方、アプローチの仕方を魅せてくれています。
通販で購入できるBean To Barとして、CRAFT CHOCOLATE BARSというショップも人気です。特にこの"ボリビア"という商品は、チョコレートとは思えないような、ジューシーな果実感が特徴の一つ。
口に入れて噛んだ途端、フルーツジュースのような甘酸っぱい風味が広がります。味が非常に濃いため、お酒と合わせて食べるのもGOOD。大人にも子供にも喜ばれる一品です。バレンタインなどの贈り物には、是非ボリビアをチョイスしてみて。
Bean to Barチョコレートには、普通の製法で作られた商品にはない魅力が詰まっています。今回紹介した東京・大阪のお店や、通販で販売されている商品を是非手にとって見て、通常のチョコレート商品にはない、Bean to Barチョコレートならではの魅力を味わってみてくださいね。
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