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アセクシャル(エイセクシャル)の意味と特徴を解説。恋愛感情や性的欲求について
皆さんは「アセクシャル」というセクシャルマイノリティについてご存知ですか?言葉を聞いたことはあるけれど、意味は知らない…という人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、アセクシャルの意味や特徴を解説。この記事を読んで、アセクシャルへの理解を深めてください。
2021.04.09公開
アセクシャルとは、他人に対して恋愛感情や性的欲求を自認しないというセクシャリティ。「エイセクシャル」や「無性愛」と呼ばれることもあります。これは性的指向の一種であり、自分から望んで恋愛や性的欲求を抱かないようにしている、というわけではありません。
アセクシャルになる原因は、人によって様々。恋をする人が周りにいなかったという環境的要因や、過去に恋愛でトラウマを抱えてしまったという心理的原因が考えられます。また特に理由はなく、最初から恋愛感情や性的欲求を感じなかったという人も。
アセクシャルは、自認するまでに時間がかかりやすい種類のセクシャリティです。「周りとは少し違う気がする」と感じていても、それを「自分はアセクシャルなんだ」と自認するには時間を要します。
自認に時間がかかる原因は、「恋愛感情や性的欲求を抱かないのは、本気で人を好きになっていないから」「いつか恋愛感情を持てる相手が現れる」と考える人が多いから。自分がアセクシャルだと気づかず、不安や違和感を抱えている人も大勢いるのです。
また特徴に当てはまらなくても、その人自身が無性愛だと自認するのならそれはアセクシャルです。セクシャリティの特徴や考えなどにこだわりすぎず、当事者の意見を尊重することが大切。
アセクシャルの人は、実は1000人に8〜9人程度の割合でいるとされています。大阪府で行われた性的指向のアンケートでは、0.8%の人が回答。
同じセクシャルマイノリティであるLGBT比べると、まだまだ世間的な認知度が低いのが現状。そのため周りからの理解を得られず、「自分おかしいのか」と悩む人が多いのです。
アセクシャルの人に多い特徴として、恋愛をしてもドキドキしないということが挙げられます。好きな人ができると気分が高揚したり、一緒にいるとうまく話せなくなったり、ということが起こるもの。これは「恋愛感情」と呼ばれ、多くの人が自然に抱くものです。
しかしアセクシャルの人は、このような恋愛のドキドキ感を感じることがないとされています。理論的には理解できても、実感としてはわからない。恋愛漫画に感情移入してしまう、ということも少ないとのこと。友達の恋愛相談などを聞いても、心の底から共感することはほとんどない、というのがアセクシャルの特徴。
友情から恋愛に発展することが多いというのも、アセクシャルの特徴の一つ。アセクシャルの人は恋愛感情を抱くことはありませんが、恋をしないというわけではありません。恋愛感情ではなく、他の「情」を代わりにする方が多いのです。
強い友情を「恋愛感情」として置き換えることが多いため、友人から恋人に進展する確率が高いのですね。ただしアセクシャル当人は、恋人になった友達と他の友人の間に、明確な違いを感じていないことがほとんどのようです。
誰かから告白されて付き合うことになることが多い、というのもアセクシャルの特徴。アセクシャルの人は、自分から恋愛をしようと行動することがほとんどありません。そのため、他者から付き合って欲しいと言われ、「後々好きになるかも」と交際を始める場合が多いそうです。
しかしこの場合、アセクシャルの人が相手に恋愛感情を抱くことはありません。その人を尊敬したり、友人として好感を抱いたりすることはありますが、恋の高揚感を感じることはないのです。それ故に恋人とすれ違い、付き合ったとしてもすぐ別れてしまう…というケースが大半。
アセクシャルは、人として好きになった相手に性的欲求を感じることはないといいます。どれほど相手に愛情を抱いていても、肉体関係を持ちたいとは考えられないのが特徴。ただし絶対に性行為ができないというわけではなく、相手に求められたから、純粋にその人を愛しているからという理由で関係を持つこともあります。
アセクシャルの特徴の一つが、恋愛をしなくてはと焦ってしまうということ。アセクシャルの人は、わざと恋愛を避けている訳ではなく、性質的に恋ができないというセクシャリティ。そのため「恋愛しないの?」「結婚はまだ?」と言われるたび、「恋愛をしなくちゃいけない」と焦燥感に駆られてしまうんだとか。
周りから何も言われないように…と、無理に恋人を作るという人も。しかし大抵の場合がうまくいかず、苦痛に感じてすぐに恋人と別れてしまいます。こういったことが重なって、「やっぱり私はおかしいのか」「なんで恋愛ができないんだろう」と、自分を責めてしまう場合が多いのです。
アセクシャルと混合されがちなのが、ノンセクシュアルという種類のセクシュアリティ。日本語では「非性愛」と呼ばれているものです。似ているイメージが強いですが、ノンセクシュアルは「他人に性的欲求は抱かないものの、恋愛感情を抱く」のが特徴。
アセクシャルは、性的欲求も恋愛感情も抱かないというのが特徴。そのためこの2つは、全く別の種類のセクシャリティだと考えられます。
アロマンティックという種類のセクシャリティも、アセクシャルと混合されがちな性。アロマンティックは、他人に恋愛感情を抱かないという意味ではアセクシャルと同義です。しかしアロマンティックは他者に性的欲求を抱くと定義されているため、2つは異なるセクシャリティなのです。
アセクシャルと誤解されやすいセクシャリティとして、デミセクシャルというものもあります。これは強い愛情や友情を感じた人にのみ、恋愛感情や性的欲求を感じるというセクシャリティ。デミセクシャルの人も、基本的には恋愛感情や性的欲求を感じることがないため、アセクシャルと混合されやすいのです。
アセクシャルが受けがちなのが、喜怒哀楽がない人だという誤解。恋愛感情や性的欲求を抱かないということは、他人に対して興味がないのではないか、というイメージを持たれてしまうのです。アセクシャルは、他人に何の感情も抱かないわけではありません。
アセクシャルがよく勘違いされるのが、友情や愛情を抱かないということ。アセクシャルだからと言って他人に情を抱かないという訳ではありません。大切な人にはきちんと愛情や好意を感じますし、強い友情や絆を感じることも当然あります。
アセクシャルの人が最も受けやすいのが、結婚願望がないという誤解。アセクシャルは恋愛をしないんだから、結婚にも興味がないのでは、というイメージを持たれがち。しかし、結婚願望を持っているアセクシャルの人は多いとされています。
性的欲求や恋愛感情は抱きませんが、愛情は抱きます。パートナーと結婚して家族になりたい、家庭を持って子供に愛情を注ぎたい、と考えるアセクシャルの人は多いのです。
アセクシャルとは、他人に対して恋愛感情や性的欲求を感じることがないセクシャルマイノリティの種類の一つ。性質上「ドライな人」「愛情を感じることがない」など、誤解を受けることが多く、人には言えない悩みを抱えている人が多いのが現状です。
アセクシャルだからといって人に愛情を抱かないということはありませんし、結婚願望を持つ人も大勢います。特徴や意味をきちんと学び、アセクシャルについての正しい知識を得ることが大切なのです。
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