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夫婦別姓のメリット&デメリットを分かりやすく。賛成意見や問題となる具体例から解説
昨今注目されている、夫婦別姓について。夫婦別々の姓を名乗ることで、どんなメリットやデメリットが生じるの?そもそも夫婦別姓制度って?気になる制度のメリット&デメリットを、具体例と一緒にご解説。夫婦で別姓になることの意味や求められる理由と併せて、ぜひチェックしてみてください。
2021.03.02公開
夫婦別姓制度とは、結婚した後も「夫婦で別々の姓を名乗ること」を指します。日本では、結婚すると女性が男性の姓を名乗るのが一般的。男性が女性の姓を名乗り、「婿入り」する例もありますが、夫婦で同じ姓になるという点は同じです。
しかし、様々な理由から夫婦別姓を望む声も。自分の姓にこだわりがある、仕事のうえで不都合が生じる…といった意見から、夫婦別姓を求めるケースもあります。
また、「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標5に掲げられる「ジェンダー平等」の意識も、夫婦別姓制度に関係。日本では結婚した夫婦の約96%が、男性側の姓を選択していると言われています。「女性が夫の姓を名乗るのは当然」とする慣習を打破するために、夫婦別姓制度を求める声が見られます。
Point
SDGsの「ジェンダー平等」とは、男性も女性も含めて、すべての人が同等の権利を持つことをめざしたもの。差別や有害な慣行などの撤廃を始めとして、9つのターゲットが据えられています。
日本ではまだ認められていませんが、世界的には夫婦別姓をOKとする国は多く存在します。イギリスやフランスといったヨーロッパはもちろん、中国や韓国といったアジアでも夫婦別姓を認めている国は見られます。
アメリカの場合は州によって若干異なりますが、どちらの姓を名乗っても良いという傾向があります。先進国で夫婦同姓を基本としているのは、日本だけと言われているため、「ジェンダー平等」の観点からも今後の動向が注目されるところです。
夫婦同姓が基本の日本でも、「選択的夫婦別姓」という制度が注目されています。選択的夫婦別姓とは、結婚した男女が、自分の姓をどうするか自由に選べるようにする制度のこと。「夫婦で夫の姓を名乗る」、「夫婦で妻の姓を名乗る」、「夫も妻も結婚前の姓をそのまま名乗り続ける」という3つの選択肢が生まれます。
夫婦別姓制度は、過去にも数度導入が検討されましたが、いずれも実現に至りませんでした。結婚で姓を改めることには、多くのデメリットも生じます。姓を改めることは圧倒的に女性の方が多いため、「ジェンダー平等」の概念が一般的になりつつある現在は、選択的夫婦別姓制度導入に関する意識も高まっています。
夫婦別姓制度に対する賛否の割合は、若い世代に賛成意見が多い傾向が見られます。とくに注目されているのが、2020年に早稲田大学研究室と市民団体によって実施された、選択的夫婦別姓制度に対する意識調査。20代~50代の男女7,000人に対して行った調査結果で、約70.6%が賛成と回答しています。
また、割合は女性の方が高いことも特徴的。20代~30代の女性の80%以上が賛成と回答しました。結婚で姓を変えることについて、多くの疑問を抱えていると考えられています。いつから導入が可能になるのか、最も注目している世代とも言えますね。
夫婦別姓に対しては、反対という根強い意見も見られます。早稲田大学研究室と市民団体が行ったアンケートでは、反対は14.4%のみでした。
しかし、朝日新聞デジタルのフォーラムアンケートでは、1万9,613票の回答のうち、賛成が8,530、反対が10,832という結果も。若い世代を意識した早稲田大学のアンケートと比較して、年代は反映されていませんが、対象者によっては反対意見が上回るという可能性が。
夫婦別姓にすることのメリットの一つが、姓の変更手続きが不要になること。具体例としては、住民票や運転免許証、パスポートやクレジットカードなどの氏名変更が挙げられます。変更が必須となるものも多く、一つひとつ処理していくことは手間ですし、仕事を休む必要も出てきます。場合によっては手数料がかかることも。
夫婦別姓が可能になると、手続きに時間もお金もかける必要がなくなるのですね。賛成意見としてとくに多いメリットで、離婚した場合も同じ理由で悩まされるという声も見られます。
もし夫婦別姓の政党にならなかった場合、
— わこん (@owako085) July 20, 2019
・氏名変更の手数料
・仕事の機会損失分の給料
・手続きにかかった交通費
を国に請求する訴訟を一緒にしてくれる人いないかな。#夫婦別姓
夫婦別姓には、仕事のキャリアが保てるというメリットもあります。今まで築き上げてきた信用と実績が、結婚して姓が変わってしまうことでゼロに戻ってしまう可能性が。会社に務めていた場合、社内や取引先の人に個人を認識してもらえなくなることがあります。
また、研究職の方の論文における実績という具体例も。研究職の場合、論文の名前が変わってしまうことで実績を失ってしまう可能性があります。夫婦揃って研究職に就いている場合、どちらの姓にするにも不都合が生じるため、早く夫婦別姓制度になってほしいという賛成意見が見られるほどです。
女性活躍❗️
— しむら幸司(志村幸司) (@Ganbaroyonabaru) February 7, 2021
女性は結婚すると姓が変わる。
そのため独身時代のキャリアが周りに忘れられたりもする。そして、自分を説明する際にも旧姓から話す事も。選択的夫婦別姓などの導入が女性活躍には欠かせない。#女性活躍 #選択的夫婦別姓
プライバシーが守られることも、夫婦別姓のメリットの一つ。姓を変えると、結婚したことがすぐに周知されます。仕事によっては結婚したことが知られると、不利益に繋がる場合も。また、姓が変わるのは離婚時においても同じこと。結婚以上にデリケートな情報が周囲に知られてしまうという具体例も見られます。
結婚・離婚が知られることは仕事のうえで負担になるため、夫婦別姓の導入を希望するという賛成意見も多数。プライバシーが守られることは、かなり大きなメリットになります。
選択的夫婦別姓制度が導入されたら迷わず私は旧姓を選んでいたな。前職で旧姓で仕事をしているのに取引士証を提示すると新姓が明記されていて、私の全てを見られる気持ちですごく嫌だった。宅建士は個人情報保護の観点から住所は隠せるけど名前は流石に。女性、男性にも選択肢が増えるっていいよね。
— たこやき まゆこ (@ghibli_mayukot) January 16, 2021
姓を失わなくて済むことも、夫婦別姓のメリットになります。自分の姓に愛着があったり、相手の名字が好きになれなかったりする人は多数。相手の姓になると、自分の名前との組み合わせが悪く、良くない語呂になってしまうなどの具体例も見られます。
また、賛成意見の中には、珍しい姓を自分の代で途切れさせたくないという声も。夫婦別姓が導入されることで、解消される悩みも多くなると考えられています。
入籍する日近くなってきたんだけど、名字変わるのが本当に嫌🥲
— 𝚌𝚑𝚒𝚗𝚊𝚝𝚜𝚞. (@kinaritopink_) January 21, 2021
事実婚も嫌🥲
私珍しい名字で、しかも一人っ子なんです。関係ないって思いたいけど、これまで何人もの人が守ってきたものを私で終わらせるって申し訳ない。
夫婦別姓制度できてほしい。
夫婦別姓が認められていない現時点では、正式な婚姻とみなされず優遇措置が受けられなくなるというデメリットが生じます。「事実婚」という扱いになり、配偶者控除や医療費控除の夫婦合算などが認められないという問題点が。
また、子どもが生まれたときに父親の認知手続きが必要となったり、パートナーが亡くなったときに財産相続がスムーズにできなかったりという問題点が生じることも。
選択制夫婦別姓への道 その4
— zakihacky (@zakihacky) February 9, 2021
「婚姻契約書」
事実婚なので婚姻契約書を作ろうということになり、公証役場に相談。
しかしやはり地方都市の公証役場、そういったケースはあまり経験がないらしく、タイトルは死因贈与等契約に(笑)#選択制夫婦別姓
夫婦別姓となることを選んだ場合、家族の一体感がなくなるおそれがあるというデメリットも。家族として結婚するのに、姓が異なると絆が希薄になるのではという問題点が懸念されています。
また、子どもが生まれた場合、両親のうちのどちらか1人だけ姓が異なる可能性も。家族の中で1人だけ異なるのは、疎外感を生み出すのではという問題点も見られます。
これはあくまでも個人的な意見だけど、夫婦別姓ってなんか寂しいよね。
— 俺様太郎 (@oresamatarou) December 20, 2015
同じ家族なのに、違う姓を名乗るのっていくら一緒にいても距離があるように感じるし、同じ家に住んでてもシェアハウスしてるんだなって思える。
こんなこと言ったら女の人権無視した意見って言われるかな。
夫婦別姓となった場合、子どもに迷惑がかかる可能性があるというデメリットも。夫婦別姓が認められていない時点で、両親の名字が異なっていると、子どもが心苦しい思いをするのではと考えられています。いじめという意識がなくても、周囲から両親の姓が異なることを指摘されるのではという問題点も。
また、夫婦別姓が導入された場合でも、子どもが受け継いだ姓を望んでいなければ変更の手間が生じる可能性が。夫婦別姓のメリットであった「変更手続きの不要」が、子どもの代で発生するのではという問題点が指摘されることもあります。
@rukisyu 子供を仮に父親姓にしました。
— 鉄くず (@tetsu28tfx) December 17, 2015
物心ついて「母親姓がよかったのにー!」
じゃあ変えよう → あんたらがメイドイといっていた手続きを子供に経験させることになりますが?
と、なりかねんのよね・・・。その問題をどーするんだろかなー、と。
夫婦別姓は、これからのために理解を深めていく必要がある問題。制度が導入されるかどうかは、まだまだ未定ですが、夫婦別姓を選ぶうえでのメリットとデメリットを理解しておくことは大切ですね。
女性の社会進出が当然となった今、仕事においても私生活においても、影響することはたくさんあるでしょう。ご紹介した具体例を参考に、自分に合った選択肢を考えていってくださいね。
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