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セクシャルマイノリティはゲイやレズビアンだけじゃない。多様な種類と意味を解説

男性・女性という定義には当てはまらない性別を持つ、セクシャルマイノリティ。レズビアンやゲイ以外にも、様々なジェンダーがあります。そこで今回は、セクシャルマイノリティについて詳しく解説。様々な種類と用語の意味を紹介していきます。

2021.03.24公開

セクシャルマイノリティを取り巻く現状

①世間的に認識されていないケースが多い

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セクシャリティには様々な種類がありますが、その全てが認知されているわけではないのが現状。「異性愛が当たり前」「身体的な性別と性認識が違うのはおかしい」など、セクシャルマイノリティを理解していない声も多いです。

この現状は、SDGsのジェンダー平等問題にも関係します。SDGsが目標としているのは、どんな性別の人にも平等な社会作り。セクシャルマイノリティだからと差別を受けることのないよう、法律や制度の整備が求められています。

②性別適合手術に保険が適用されるようになった

セクシュアルマイノリティを取り巻く現状はまだまだ厳しいですが、前向きな動きがあるのも特徴。その一例が、性別適合手術に健康保険が適用できるというもの。これは2018年の4月に整備された制度です。

しかし実際は、健康保険が適用できる医療機関が少ないという現実があります。また身体的性を徐々に変えていくホルモン療法は、未だ保険適用外。まだまだ改良しなくてはいけない点が山積みなのです。

③フェイスブックでは58種類の性別が用意されている

セクシャルマイノリティに関する動きとして注目されているのが、フェイスブックの取り組み。アメリカ版のフェイスブックでは、自分の性別を58種類のセクシュアリティから選ぶことができるのです。

今まで紹介してきたセクシャルマイノリティ以外にも、様々な種類の性別が用意されているのが特徴。Gender Fluid(性別が流動的な人)や、Neutrois(身体的無性になりたいという人)など、幅広いセクシュアリティに対応しています。

性的指向が関わるセクシャルマイノリティの種類

性的指向とは、恋愛感情や性的欲求がどういった対象に向くのか、といった定義。どのジェンダーの人を好きになるのかで、セクシャルマイノリティの種類は変わります。

①ゲイ

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性的指向が関係するセクシャルマイノリティとしてよく知られているのが、ゲイという性別。ゲイは、自分を男性として認識しており、性的指向が男性だというセクシュアリティです。

ゲイという用語には、性的指向と性自認以外の意味は含まれていないのが特徴。生物学的な「身体性」や、自分がどんな性別でありたいかという「性表現」は、ゲイであるという判断には関係しません。

②レズビアン

レズビアンは、LGBTの「L」に当たるジェンダー。自分を女性だと認識しており、その上で女性に恋愛感情や性的指向を抱くという意味がります。ゲイと同じく、性表現や身体的性という観点は含まれないのが特徴。

欧米では、同性を好きになる人のことを「Gay(ゲイ)」と表現するのが一般的。そのためレズビアンの女性が「ゲイ」と名乗ることも珍しくありません。ただし日本では、ゲイとレズビアンの分類がはっきりしているため、同性愛者の女性が「ゲイ」を名乗ることはほとんどありません。

③バイセクシュアル

バイセクシュアルというジェンダーは、性的指向が男性・女性の両方であるという人。この用語は、LGBTと「B」に当たるセクシュアリティを指します。

バイセクシュアルという用語は、「男性と女性に恋愛感情や性的欲求を抱く人」を意味します。そのため本人が男性であるか、女性であるかと言ったことは問われません。本人の性別を記述したい場合は、「バイセクシュアル女性」などのような表記をするのが一般的。

④ポリセクシュアル

ポリセクシュアルも、性的指向が関係するジェンダーの一種。男性・女性以外の複数のジェンダーが恋愛対象になる、というセクシュアリティを指します。複数性愛、多性愛と呼ばれることも。

ポリセクシュアルの特徴は、好きになるセクシュアリティに条件があるということ。例えばトランスジェンダー男性とレズビアンは好きになるけれど、ゲイやバイセクシュアルの人には恋愛感情を抱かない、など。全てのジェンダーを好きになる、というわけではないのです。

⑤パンセクシュアル

パンセクシュアルという用語には、「恋愛感情や性的欲求を抱く上で、相手の性別が条件にならない」という意味があります。簡単に言うと、「相手がどんな性別を持っていても、関係なく人を好きになる」という考えのこと。

パンセクシュアルの人は、性的指向に相手のセクシュアルを意識しません。全てのセクシュアルの人を好きになる可能性がある、という意味でもあります。

⑥アブロセクシュアル

セクシュアルマイノリティの種類として、アブロセクシュアルというジェンダーもあります。これは、好きになる性が流動的に変化するという意味を持つ用語です。

「昔はバイセクシュアルだったけれど、今はパンセクシュアルだ」「今日の自分はポリセクシュアルだな」など、性的指向自体が変わっていくのが特徴。性的指向が変化するスパンや回数などは、人によって異なります。

恋愛感情が関係するセクシャルマイノリティの種類

「恋愛感情が関係する」とは、好きな人に対して恋愛感情や性的欲求を抱くか、という基準。例えば異性愛者は恋愛感情も性的欲求も抱きますが、中にはこういった感覚を抱かないというセクシャルも。

①アセクシュアル

アセクシュアルとは、他人に対して恋愛感情や性的欲求を一切抱かない、というセクシュアリティ。人口の約1パーセントが、このアセクシュアルだとされています。

厳格な定義では、「他者に恋愛感情を抱かない」のがアロマンティック、「他人に性的な魅力を感じない」のがアセクシュアルです。しかし日本では、「恋愛感情を抱かない」という人にも、アセクシュアルという用語が使用されます。

②ノンセクシュアル

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セクシュアルマイノリティとして、ノンセクシュアルという性別があります。他人に対して性的な欲求は感じないが、恋愛感情は抱くというのが、ノンセクシュアルの特徴。アセクシュアルの一種として考えることもあります。

同じノンセクシュアルの人でも、どこまでを性的欲求とするか、という線引きはそれぞれ異なります。手を繋ぐ、ハグをする、キスをするなど、人によってパートナーとできること・できないことが変わるのが特徴。結婚したいか、子供は欲しいかなどの考え方も、人によって違います。

③リスロマンティック

リスロマンティックというのも、恋愛感情が関係するセクシュアリティの一つ。自分自信は他人に対して恋愛感情は抱くが、誰かに好かれることは望まない、というジェンダーを指します。

リスロマンティックの方は、誰かを好きになることはあっても、交際関係を持ちたいとは考えません。好きな人と恋愛関係になると想像するだけで、不快な気持ちになることも。好きな相手に恋愛感情が存在していることを認めたくない、という考える人もいます。

④デミセクシュアル

デミセクシュアルは、自分が信頼している人に性的欲求を持つ、というセクシュアリティ。基本的には、他者に対して性的欲求を抱くことはありません。しかし深い愛や友情を感じた相手だけには、性的欲求を抱くことがあるのです。

「自分が信頼している」「強い絆を感じている」という考えがベースになっており、恋愛感情が基準になっているわけではないというのが特徴。恋愛感情を抱く相手でも、強い信頼を感じていなければ性的欲求は感じない、というケースもあります。

⑤デミロマンティック

デミロマンティックは、感情的な絆や信頼を感じる人にのみ、恋愛感情を感じるというセクシュアリティ。滅多なことでは他人に恋愛感情を抱きません。相手の容姿に一目惚れする、少し話しただけで恋に落ちる、ということがないのが特徴。

先程紹介したデミセクシュアルと同じく、強い信頼や絆を感じる他者に何かしらの感情を抱きます。その感情が恋愛感情なのか、性的欲求なのかによってセクシュアルが変わるのがポイント。また中には、デミロマンティックとデミセクシュアルの両方を持つ方もいます。

身体的性別が関わるセクシャルマイノリティの種類

身体的性別とは、身体の構造上の性別のこと。身体に違和感を感じているか、自分の性別に求められる振る舞いを嫌うか、ということでセクシャルマイノリティの種類が区別されます。

①トランスセクシュアル

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身体的性別が大きく関わるのが、トランスセクシュアルというジェンダー。自分が認識している性別と、身体的な性別が異なっており、それに対して嫌悪感や違和感を抱いている人を指します。

トランスセクシュアルの大きな特徴は、外科的な性別適合手術を望んでいるということ。実際に性別適合手術を受けた人も、トランスセクシュアルに分類されます。

②トランスヴェスタイト

トランスヴェスタイトとは、性認識と身体的性が一致しており、自分の性別と異なる振る舞いを行う人のこと。生物学的に男性または女性であるとみなされ、性別に合う服装や言葉使いを要求されることに、違和感を覚えるのが特徴です。トランスヴェスタイトの人を、クロスドレッサーと用語で表現することも。

例えば「自分は女だ」と思っており、身体的にも女性である人が、男性的な服装を好むようなケースがあります。自分の認識とは異なる性としての行動をする。これがトランスヴェスタイトです。

性別の認識が関わるセクシャルマイノリティの種類

性別の認識とは、「僕は男性だ」「私は女性だ」のように、自分が感じている自身の性別のこと。「心の性別」と呼ばれることもあります。自分の性別をどう考えているかどうかで、ジェンダーは細かく区別されるのです。

①トランスジェンダー

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自分の性認識が大きく関係するのが、トランスジェンダーというセクシュアリティ。LGBTの「T」に当たる性別です。様々な意味を持つ用語ですが、狭義のトランスジェンダーは「他者から見られる性別と、自分の性認識が異なる人」を指します。

例えば、周囲の人からは女性だと思われているが自分では男性と認識している場合、トランスジェンダーだと定義されます。先程解説したトランスセクシュアルと混合されることも多いですが、大きな違いは外科手術を希望しているかどうか。身体に違和感を感じておらず手術を希望しない場合、トランスジェンダーと定義されます。

②ノンバイナリー

ノンバイナリーも、自身の性別の認識が大きく関係するセクシュアリティ。自分のことを男性・女性のどちらかだとは思えない、という人のことを指します。「Xジェンダー」「ジェンダー・オーサム」とも言われ、「第三の性」と定義されることも。

ノンバイナリーには、大きく分けて中性・両性・不定性・無性の4つの性別があります。中性は、男性と女性の間のジェンダーだと自認しているもの。両性のひとは、自分を男性でもあり女性でもあると捉えているのが特徴です。

不定性は時期やタイミングによって性の認識が変わり、ある時は女性、またある時は男性だと考えるセクシュアリティ。無性は、自分が男性でも女性でもないと思っている、という人のことを指します。

③クエスチョニング

自分のセクシュアリティが何なのか悩んでいる、又は意図的に性別を決めていないのが、クエスチョニングと呼ばれる人達。「どんな性別もピンとこない」「わからない」というのが、クエスチョニングの考えです。

自分の性的指向や性自認について「どんな性別も違和感がある」「一つだけには決められない」「まだ決まらない」と考える場合、クエスチョニングだと言えます。性別を決めないことで、自分が生きやすい環境を作っているというクエスチョニングの方も。

セクシャルマイノリティの種類や用語の意味を知りましょう

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「セクマイ」と略されることもあるセクシャルマイノリティ。男性・女性やLGBTだけでなく、様々なセクシュアリティが認識されつつあるのが現状です。facebookに登録されている種類のように、多くの分類があることが分かりましたね。今回の内容を参考に、性に関する捉え方を広げてみてください。

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