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3Rをさらに広げた"5R"とは。環境のために取り組みたい5つのアクション
近年、環境保全のための「5R」という活動が注目されています。これは従来の3Rに2つの要素をプラスしたもので、より効果的にゴミ削減に取り組むというもの。今回は、5Rの定義やそれぞれのアクション、私たちができる取り組み例などを詳しくご紹介します。
2021.04.16公開
5Rとは、ゴミを減らすためにできる5つの行動を意味する言葉。ゴミ削減として有名なのは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の頭文字を取った「3R」。
この3Rに、Repair(リペア)とRefuse(リフューズ)を加えたものが5R。3Rよりもゴミ削減に対する意識を高めることができ、自然環境を守る上で目標とするべき指針となっています。現在多くの企業や自治体が、3Rから5Rに切り替えているのも特徴。
5Rは、持続可能な循環型社会を作るために実践されている取り組み。循環型社会とは、限りのある資源を繰り返し使うことで自然環境を守るというもの。
ゴミの削減に取り組むことで廃棄物を少なくし、埋め立て処分や焼却による環境への影響を軽減する、ということも目的の一つ。5Rに含まれる行動や意味を知り、一人一人がゴミ削減に向けて行動することが求められています。
リフューズとは、そもそも必要としていないもの、自分が大切にできないものは手に入れない、というもの。私たちは普段の暮らしの中で、様々な物を無料で手に入れています。
手に入れたものを使うのなら良いのですが、時には使用予定のないものをもらってしまうことも。こういったものは結果的にゴミになってしまいます。このような不要なものは貰わない、という行動がリフューズの定義。
リデュースとは、「ゴミそのものを減らすように努力する」という考え方。ゴミになりそうな物を受け取らない「リフューズ」とは違い、積極的に廃棄物を減らしにいく行動です。
例えば、商品を購入する時はゴミが少なくなる物を選ぶなど。環境のことを考え、どうしても出てしまう廃棄物をなるべく最小限に抑える、という意味があります。
リユースの意味は、まだ使える物は繰り返し使用して、簡単にゴミにしないというもの。一度使ってしまったからとすぐに捨ててしまうのは、非常にもったいのないこと。何度も繰り返し使い、物が持っている価値を引き出すという考え方です。
リユースやリフューズが「ものを増やすときの注意点」だったのに対し、リユースは今ある物をゴミにしない取り組みなのです。また同じ物を繰り返し使うことで、無駄な商品を購入せずに済む、という利点も。
壊れてしまった商品は捨てず、できる限り直して使い続けるというのが、リペアの考え方。周りに様々な物が溢れている現代社会では、少しでも商品が壊れてしまうとすぐに捨ててしまいがち。
ほんの少しの傷や直るはずの不具合で、商品を捨ててしまうのはあまりにもったいないです。直せば新品と同様に使える物は、なるべく修理して使い続けるようにするべき、という考え方。
リサイクルとは、どうしてもゴミになってしまうものは再利用するというもの。使えなくなったからと、燃えるゴミ・燃えないゴミとして捨てていませんか?それでは物を再利用することができません。
使えなくなった物はそのまま捨てず、資源や素材として回収してもらいます。姿かたちを変えることで、再び使えるような状態に仕上げるのがリサイクルの考え方。
リフューズの取り組み例として、レジ袋を断るようにするということがあります。レジ袋の廃棄量が増えつつあり、自然環境が汚染されると懸念されている近年。買い物をするたび、レジ袋を店から受け取っていませんか?このレジ袋を断るようにすれば、ゴミの量を減らすことができるのです。
使われるレジ袋の量を減らせば、袋を作る時に使用される原材料の無駄遣いも削減可能。おすすめは、買い物用のマイバッグを持ち歩くという方法です。可愛らしいものやおしゃれなデザインのバッグなど、様々な商品が販売されていますよ。お気に入りのバッグを見つけたら、是非レジ袋の代わりに使ってみて。
お店に置いてあるフリーペーパーはサンプルを貰わないようにする、という取り組みもおすすめ。こういったものは無料で配布されていることが多いため、つい手に取ってしまうという人が多いもの。
もらったは良いけれど、結局使わずに捨ててしまった…という経験をしたことがある人も大勢います。例え無料であっても本当に興味がある物以外は手に取らない、という意識を持ってみて。
リフューズの取り組みとして、あなたの家に入っているチラシを断るようにする、という方法もおすすめ。いつも大量にチラシをもらうけれど、ほとんどゴミ箱に入れている…という方がほとんどでしょう。
思い切ってチラシを断ることで、紙のゴミを削減することが可能に。また紙を作る際に使われる、植物や木材などの使用量を減らし、自然環境を守ることにも直結しますよ。
リデュースの取り組み例として、「長く使い続けられるか」ということに注目して商品を買う、ということがあります。買い物をする時、つい安くて質が良くない商品を買っていませんか?「安かろう、悪かろう」という言葉通り、そういった商品はすぐに壊れてしまうもの。
これではゴミを増やすことになってしまいますし、新しい商品を買う手間もかかります。例え価格が高めでも品質の良い物を購入することで、こういったゴミの量を減らすことにつながります。
包装が少ない商品を選んで買うというのも、リデュースの取り組みの一例。スーパーマーケットなどでは、商品がプラスチックやビニールなどで過剰に包装されている様子を目にします。
商品を包んでいる紙やプラスチックなどは、すぐに捨てることになってしまいますよね。包装が少ない商品を買うことによって、ゴミを減らすことが可能になるのです。また包装が少ない商品を買う人が増えれば、企業がそういったアイテムを取り扱うようになるため、社会全体のゴミ削減にも。
リユースに取り組みたいのであれば、フリーマーケットを活用することをおすすめします。あなたがいらないと感じるものでも、誰かにとっては必要なものであることも。
その逆も然りで、フリーマーケットであなたが欲しいと感じるものに出会える可能性もあります。最近ではフリーマーケットのアプリなどもリリースされていますので、手軽にリユースの活動ができるのも嬉しいポイント。
リユースの取り組みとして、詰め替え式のシャンプーやボディソープなどを買うようにする、という方法も。使い終わったボトルを取り替える必要がないため、家庭でのゴミを削減することができます。
ボトルシャンプーよりも詰め替えタイプの方が安いため、経済的に嬉しいというのも魅力。ほとんどのメーカーが詰め替えタイプの商品を取り扱っていますので、買い物をする際はチェックしてみてください。
角が擦れた、色落ちしてしまった…そんなカバンを修理して再度使うようにするのが、リペアと呼ばれる取り組み。汚れや傷がついてしまったからと、簡単にカバンを捨ててしまう人が多いのが現状です。
しかし小さな傷やほつれ、色落ちならば、修繕のプロに任せることで綺麗に直ります。これまで使ってきたカバンが、まるで新品のようになって返ってくるのです。「もう使えないから」と捨ててしまう前に、是非修理を検討してみて。
普段使いをしているシャツやズボンなどを修繕するのも、リユースの取り組みの一つ。私たちの周りには、たくさんのアパレルブランドがあり、有り余るほどの洋服が販売されています。そのため、少しでもほつれたり汚れたりすると、すぐに服を捨ててしまう人が非常に多いのが現状。
あまりにも大きな破れなどはともかく、虫食いなどの少しの損傷ならば自分で直すことができます。また服の汚れは、クリーニングに出すことで元の状態になることも。できる範囲は自分で、ダメならプロに依頼しながら一着一着を大切に扱ってください。
リサイクルの取り組みとして最も簡単にできるのが、古紙でできたトイレットペーパーを使うこと。トイレットペーパーの中には、使い終わった紙などを資源を再利用して作られている商品が多数あります。
古紙を使っているトイレットペーパーを選ぶことにより、間接的ではありますがリサイクルを促進することに。トイレットペーパーを作るための木や植物を守ることができ、環境の保全にもつながります。
資源回収に協力するというのも、リサイクルの活動の一つ。資源には限りがあり、使った物をそのまま捨てているといつか底をついてしまいます。森林や植物を搾取し続けることにもなりますし、ゴミを燃焼させることで環境に悪影響を及ぼすことも。
資源回収を行うことで、こういった事態を防ぐことができるのです。食品用トレーやペットボトル、アルミ缶などの回収に取り組まれているスーパーを利用し、資源をリサイクルしてもらいましょう。また資源ゴミを分別して出すようにする、というのもリサイクルにつながる取り組み。
使い終わった携帯電話を回収サービスに出すのも、リサイクルの一環として推奨されている取り組みです。あまり知られていませんが、携帯電話やスマートフォンには、鉱物や金などの貴重な資源が豊富に使われているもの。
携帯電話をリサイクルすれば、これらの資源をまた新しい商品に再利用できるのです。鉱物資源の使いすぎを食い止めることにもつながりますよ。故障したり、機種変更をしたりした後の携帯電話は、なるべく回収してもらうようにしてみて。
5Rとは、持続可能な循環型社会を作るための取り組みのこと。企業や国、環境省などに頼らずとも、自分たちで行動を起こすことができるのも特徴。今回紹介した5Rの定義や実践例を参考に、自分に何ができるのか考えてみてはいかがでしょうか。
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