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ミニマリズムの定義って?アートから日常生活にいたるその言葉の在り方とは
近年、「ミニマリズム」という考え方が浸透していっています。言葉は知っているけれど、詳しい定義や意味はわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、ミニマリズムの定義や由来、在り方について解説。是非チェックしてみてください。
2021.04.22公開
ミニマリズムとは、「最小限の要素だけを使った様式、または手法」という意味の言葉。英語で「最小限」を示すminimalという単語が派生した、「Minimalism」がという言葉が由来です。
ミニマリズムとは、元々はアメリカのアート分野で広まった手法です。装飾を足すのではなく表現を必要最小限まで省略する、という様式を意味していました。このミニマリズムの考え方は、現在様々な分野に派生しているのが特徴。
日本では主に、生活スタイルを意味する言葉として使われています。最小限の生活をする人を「ミニマリスト」と呼ぶのは、日本ならではの文化なのです。
ミニマリズムの意味は、生活やファッション、アートなどの分野によって、それぞれやや異なるのが特徴。生活での「ミニマリズム」には、「必要なものだけを持つ暮らし」という意味があります。日常に潜む無駄を削ぎ落として、余白を意識した生活を追い求めるという、日本で広まっている考え方。
ファッションでの「ミニマリズム」とは、単純な色や形によって表現する手法のこと。キラキラとした装飾で飾り立てるのではなく、最大限にシンプル化することが目的です。近年日本でも広まりつつまる考え方で、ミニマルファッションを取り入れる人やブランドが増加中。
アートにおけるミニマリズムは、「装飾性を可能な限り排除し、極限まで単純化されたもの」と表現されています。1960年頃のアメリカで大流行した考え方で、幾何学的なデザインのものが多くあります。定義が明確でない分、アーティストによって解釈が大きく異なるのもポイント。
日本でミニマリズムと言うと、「捨てる、省く」という行為に注目されがち。しかし元々ミニマリズムとは、「自分が求めるものに集中する」という手法。本当に実現したいものを絞るため、それ以外を取捨選択するということが、ミニマリズムの本質的な考え方だと言えるでしょう。
日々の生活様式にミニマリズムを取り入れたいのなら、月々の出費を見直してみて。毎月どのような分野にお金を使っているのか確かめることで、日常に潜む無駄を見つけ出すことができます。
出費の無駄を省き、必要最低限のお金のみを使うようにすれば、自然とミニマリズムな生活に近づくことが可能に。まずは家計簿を付けて、自分が何に出費をしているか把握してください。
「使うのか手放すのか」の二択で考えるというのも、ミニマリズムを実現する上で大切なこと。ミニマリストは基本的に、使わないものは持ち続けない主義。必要なものだけを残し、要らないものは捨てることで、ミニマリズムが体現可能になります。
しかし実際に物と向き合ってみると、必要かどうかの判断が難しいもの。「いつか使うかもしれないから」と考えてしまい、物を取捨選択できない人も多いです。そんな時には「使う日のために取っておく」という選択肢を思い切って無くすことで、断捨離が捗るようになりますよ。
捨てるべきか使うべきか迷った末に残すことにしたものは、「今月中に使う」などの期限を決めてみるのも良し。もし実際に使ったのなら手元に残し、使用しなかったのなら潔く捨てる癖をつけましょう。忘れてしまわないよう、スケジュール帳やカレンダーなどにメモを残しておくのもおすすめ。
部屋の余白を増やすという意識を持つことで、ミニマリズムを生活に取り入れやすくなります。断捨離が思うようにうまくいかない、何を捨てればいいか悩むという方におすすめの方法。「捨てる」ということから一度離れて、家のスペースを確保することを意識してみて。
例えば、床に散らばっている本や物などを一つずつ整理していく、壁に貼ってあるポスターを剥がすなど。白い部分をどんどん増やしていくことで、無理なくミニマリズムを取り入れることができます。
ミニマリズム実現のためには、重複しているアイテムを絞ることが大切。「壊れたら困る」「なくしたらどうしよう」と、ついつい同じようなアイテムをストックしていませんか?このような考えでは、物はなかなか無くなりません。用途が被っているものは捨てるようにするだけで、無理なく物を減らしていけますよ。
ミニマルライフで最も大切なのが、物を増やさないようにするという意識。どれだけ頑張って断捨離をしても、たくさん物を購入してしまっては意味がありません。ミニマリズムを取り入れようと決意した瞬間から、「物をこれ以上増やさない」と決意してください。
ファッションにおけるミニマリズムは、ただシンプルなだけではなく、洗練されているかが重要。不要な物を取り除くことで、計算されたデザインが浮かび上がることかどうかが大切なのです。
ミニマリズムを取り入れたファッションは、メッセージ性が強いというのも特徴。ゴテゴテとした形状や装飾を除去することで、一目で「何を意識したのか」がわかるのです。
ミニマリズムファッションの基本になるのは、ベーシックなアイテム。トレンドを取り入れるのではなく、どんな時代でも使えるようなカラー、形状であるかどうかが大切なのです。シンプルな分、着こなしを考えるのが難しいのも特徴。
ブランクーシの彫刻『無限柱』って、第一次世界大戦の対ドイツ戦で命を落とした戦没者たちの慰霊碑として、ルーマニア国内に建てられたものなんだね。https://t.co/vKO0JN4Fx4 pic.twitter.com/Z1a6T4T0Tc
— Shinya Watanabe 渡辺真也 (@curatorshinya) February 29, 2020
ミニマリズムが体現されたアートとして有名なのが、『無限柱』と言う作品。ルーマニア出身の彫刻家、コンスタティン・ブランクーシの作品です。ブランクーシは過度な装飾を施す「マニエリスム」を嫌い、必要なものだけを残す「ミニマリズム」を独自に提言した芸術家。
『無限柱』は、ブランクーシの一番の芸術品と呼ばれるアート。ひし形のブロックが積み重ねられたような構造で、シンプルさの中に奥深い芸術世界が広がっていると高く評価されました。ミニマリズムの先駆者でもありますので、まずはブランクーシの作品からチェックしてみることをお勧めします。
Donald Clarence Judd (1928年6月3日 - 1994年2月12日)
— cha_bo (@cha_bo39) January 18, 2019
ドナルド・ジャッドが目指していたのは、何ものにも従属しない物質としての存在(スペシフィック・オブジェクト)、だった。従来の物語的な絵画から、最も遠ざかろうとしたのだ。
作品には無機質な素材が用いられタイトルが付けられなかった。 pic.twitter.com/Oj3ID4qTGl
『スペシフィック・オブジェクト』は、ドナルド・ジャッドによる作品傾向。ミニマリズムアートの中で最も人気がある芸術家であるとされ、現代でも注目され続けています。ひたすらに冷たく、本能に訴えかけてくるような作品が多いのが、ドナルド・ジャッドのアートの魅力。
フランク・ステラ(1936-・アメリカ)
— 402号室 - TAMAOKI Jun (@room402g) July 15, 2019
戦後アメリカの抽象絵画を代表する作家。
シンプルなブラックシリーズ、幾何学形態で構成された不正多角形シリーズ、分度器シリーズを初期に制作。
『Tomlinson Court Park』1959https://t.co/8g9bejxNgS pic.twitter.com/N0LDphjPvv
『ブラックシリーズ』は、フランク・ステラによる作品。ミニマリズムの考え方に強く影響され、最低限の表現を突き詰めた作品を模索しました。『ブラックシリーズ』は、黒いエナメル塗料でストライプを描いた作品。絵画へのイメージを極限まで排除し、あるべきものだけが表現されています。
近年日本で、「ミニマリズム」を意識した生活スタイルやファッションが流行しています。ミニマリズムは「要らないものを捨てる」ことばかりに注目されがちですが、本来は「自分が必要とするものに集中する」と言う考え方。ミニマリズムの詳しい定義を知った上で、考え方を日常に取り入れてみてください。
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