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女性が働きやすい職場の特徴&取り組みを解説。現代社会に必要な仕事環境とは
女性が働きやすい職場って、どんな環境のことを指すの?女性の社会進出が当然となってきた、現代だからこそ見られる特徴をまとめてご紹介。企業における具体的な取り組み例や、女性が働きやすい会社を見つけるポイントと一緒に、併せてご覧ください。
2021.04.18公開
女性が働きやすい職場が求められている背景には、ジェンダー平等の実現という目的があります。SDGs(持続可能な開発目標)の目標5にも掲げられているもので、男女平等を実現することに加えて、女性や女児の能力を伸ばし可能性を広げることを目指しています。
女性の社会進出が当然となった現代ですが、まだまだジェンダー平等までの道のりは長い、というのが現状。とくに働き方の面では、女性が活躍しているとは言いにくいとされています。仕事で成果を挙げても男性と比べて評価されにくかったり、昇進しにくかったりする傾向が見られます。
女性が働きやすい職場とは、活躍しやすい職場とも言えます。男性と同じように評価されたり、キャリアアップできたりする環境が必要なのです。
Point
ソニー生命保険株式会社が行った『女性の活躍に関する意識調査2020』では、「女性がいきいきと活躍していると思う」と回答した人は36.9%でした。まだまだ高い水準とは言えないため、働きやすい職場の実現で、今後に期待したい数字となっています。
働く女性の中には当然、仕事も子育ても両立したいと考える女性が多くいます。お腹に子を宿す女性は、出産前〜産後しばらくは、育児と身体のケアのためにどうしても仕事のセーブが必要になってきます。
そのような時期を迎えるにあたり、「育児休暇は取れるのか」「休暇後に自分のポジションはあるのか」「時短勤務は可能なのか」などと不安になってしまう環境では、喜ばしいライフイベントにも関わらず、心配になってしまいますよね。
また、サポートしてもらえる制度は存在しているものの、取得できるのは女性ばかりという風潮では、女性だけでなく男性にとっても働きやすい環境とはいえないでしょう。制度の充実とともに、男女の区別なく子育てと仕事を両立しやすい文化を築くことが大切です。
生産年齢人口の低下に対応するためにも、女性が働きやすい職場が求められています。とくに、少子高齢化が進む日本で重要視されている課題。これからも生産年齢人口が減ると予測されている日本では、女性の社会進出や活躍の推進に大きな意味があるのです。
女性が働きにくい職場が多いと、当然離職率も高くなることに。女性の力が求められる社会になったことから、職場環境の改善が必要とされています。
女性が働きやすい職場の特徴には、ライフイベントに対応できる制度が整っていることが挙げられます。とくに注目されるのは、出産・育児に関する制度や、介護休暇に関する制度。女性だけでなく男性も取得しやすくなっているとベストだと言われています。
また、復職制度の充実も大切なポイント。「出産や育児が一段落して、会社に戻ろうとしたら居場所がなかった」というケースも見られるためです。他にも、実績によってパートから正社員に転換できる制度、社内保育所や保育料の補助といった制度なども大切だとされています。
求められる制度の例
フレックス制や時短勤務など、多様な働き方ができることも、女性が働きやすい職場の特徴の一つ。家庭の状況に応じて、柔軟に働けることは嬉しいポイントです。
企業や職種によっては、正社員で在宅勤務という例もありますし、ワークシェアリングの導入で、社員同士がフォローし合う働き方なども見られます。仕事の時間や場所は、もはや固定されるものではないのです。
多様な働き方の例
女性が働きやすい職場の特徴には、有給や休みが取りやすいということも挙げられます。とくに、子供や要介護者がいる場合には柔軟に取得できると嬉しいですよね。急な体調の変化への対応や、学校行事への参加などがしやすくなります。
また、月に1回訪れる、女性特有の体調不良の際に取得できる特別休暇を導入している例も。病気ではないからと見過ごされがちですが、ひどい場合は動くのも辛いときがあるので、有給や休みが取りやすいと助かる女性も多いですね。
日本においては、有給や休みは取りにくいのが現状。入社直後や転職直後といった事情があると、さらに取りにくくなります。突発的な事情に対して、有給や休みに寛容な会社であると働きやすいと言えます。
職場の環境や雰囲気が良いことも、女性が働きやすい会社の特徴になります。どんなに制度が充実していても、周囲の理解が不足していたり、受け入れられる風土が育っていなかったりすると働きやすいとは言えません。
職場の環境は上司や経営者の考え方によって変わってきます。女性の社会進出や活躍に理解がある経営者であったり、管理職に育児経験者がいたりすると働きやすい職場であることが多いと言われています。
女性の成長やステップアップを応援してくれる会社であることも、働きやすい職場になります。とくに、キャリアアップしてバリバリ働きたいという女性にとって大切なポイントですね。
女性の働きに対する評価がきちんとなされている、女性管理職やリーダーを育成するための取り組みがされている、後輩の指導や相談が任されるローモデルがいるといった例が挙げられます。
『日本IBM』は、2020年度版の「女性が活躍する会社BEST100」において、総合1位に輝いた会社。1960年代という早い段階から女性の社会進出を応援する社風があり、キャリアアップという意味で働きやすさを追求した取り組みが行われています。詳しい取り組み事例は、下記を参考にしてみましょう。
取り組み事例
『株式会社サイバーエージェント』では、女性が長く働き続けられる環境づくりを目指す「macalon」という独自制度を採用しています。
とくに注目したいのが、妊娠をサポートするための取り組みが充実していること。妊活休暇や、妊活・妊娠に興味がある社員のためのカウンセリングなどが利用できる制度があります。
取り組み事例
『株式会社シグマクシス』は、多様な人材が働きやすい職場づくりに注力していることが特徴。現代社会に必要とされる環境を揃えていっていることで知られています。もちろん、女性の働きやすさも例外ではありません。
女性が働きやすいという観点から注目したい取り組みが、社員のライフワークバランスをサポートする福利厚生。安心して育児ができるよう、産前産後休暇の有給が付与されるだけでなく、最大100万円の出産祝い金の支給といった取り組みが行われています。
取り組み事例
【プラチナえるぼし制度】これまで、女性活躍推進に関する状況等が優良な企業に対して『えるぼし』認定制度がありましたが、さらに上位の認定制度『プラチナえるぼし』が令和2年6月1日に創設されます。
— 岡田留理@ふくい産業支援センター ベンチャー支援担当 (@okada_ruri) March 22, 2020
『くるみん』と『プラチナくるみん』みたいな! pic.twitter.com/hKkErYSYQ3
再就職や転職で、女性が働きやすい会社を見つけたいときは、「くるみん」や「えるぼし」マークの有無をチェックしてみましょう。
「くるみん」マークは、厚生労働大臣から与えられるもので、「子育てサポート企業」であることを認定しています。「えるぼし」も、厚生労働大臣から認定されるマーク。男性と同様に仕事ができる、「女性が働きやすい企業」であることを証明するものになります。
それぞれのマークには、ランクがあり、プラチナが最上級とされています。再就職や転職の前に、どんなマークを持つ会社なのか調べてみてください。
女性が働きやすいやすい会社を見つけるには、求人・転職サイトの情報をチェックしておくことも大切です。求人・転職サイトに掲載されている情報には、平均残業時間や制度といった情報に加えて、出産・育児休暇や復職制度の取得率といった情報なども見つけることができます。
また、情報の精度を補強するために、求人・転職サイトでの口コミチェックもしておきましょう。リアルな口コミをチェックすることで、本当に女性が働きやすい会社なのか判断しやすくなります。
女性の社会進出が活発になった現代では、新しい働き方や必要な仕事環境を整えることが求められています。男性中心で作られていた仕組みを、女性も一緒に頑張れる仕組みにする必要があるのですね。
会社側が準備するのを待つのも一つですが、女性視点だからこそ分かる働きやすさがあります。これからのライフワークバランスを考えて、どのような取り組みや環境が必要なのか、今以上に考えていきましょう。
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