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Wellness

実録!アメリカで第一子を出産するまでの流れ

アメリカ人夫と結婚をし、現在アメリカに住む私は第一子をアメリカで出産しました。
日本での出産の経験がない私ですが、実際に私が経験したアメリカでの出産事情をご紹介します。

2021.03.17公開

エコーは出産までにたった3回⁈

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アメリカでは妊娠が発覚した後、産婦人科を受診できる時期や加入している保険内容など、日本と異なる部分が多くありますが、出産するまでのママの楽しみのひとつといえば、エコー(ウルトラサウンド)ではないでしょうか?

日本では、毎回エコーを行ってくれる産婦人科が多いと聞きますが、アメリカでは高額な医療費問題や専門医制度などもあり、エコーは出産までに平均3回ほど!赤ちゃんの成長過程をみる程度で何か問題が見つかったり、医師の判断でエコーが追加される場合もありますが、何の問題もなく赤ちゃんの成長が順調であれば、エコーは出産までに2〜3回ほどしかありません。

そのため、産婦人科での検診とは別にエコー専門機関があり、そちらで妊娠の記録(エコー写真やビデオ)を残すカップルもいます。

私たち夫婦は利用しませんでしたが、たった3回しかないエコー検診の日に、赤ちゃんのお顔がよく見えなかったり、性別が分からなかったりした場合に専門機関を利用する方もいるようです。

ちなみに、日々の産婦人科での検診は、ほとんどの方がパートナーと一緒に受診します。

私たち夫婦も毎回、夫婦2人で受診していました。

選べる出生前診断

いくつか種類のある出生前診断は、基本的には拒否しない限り受けることになります。アメリカは州によって州法が異なるので、州法で出生前診断を推薦している州もあります。

私が出産をしたイリノイ州では任意項目で、通常のエコー検診の際に70%の確率で問題を確認できるとの事だったので、特別な出生前診断は追加しませんでした。通常のエコー検診の際に行うのか、それとも特別な検査を追加で行うのかで費用も異なります。

出生前診断にかかる費用は加入している保険によって自己負担額は異なりますが、日本よりはるかに安く受けることができます。

グルコーステストは必須項目

アメリカでは診察毎の尿検査はもちろん、それとは別に全ての妊婦さんがグルコーステストを通常であれば妊娠24週〜28週頃に行います。

検診の約1時間前にブドウ糖のドリンクを飲み干し、その後の血糖値を測ります。実はアメリカで出産する約15%の日本人の方が、このグルコーステストに引っかかります!

その理由は、日本人は欧米人に比べて糖を分解するインスリン分泌が少なく、アメリカ人の妊婦さんと同じ量のブドウ糖を摂取して検査をすると1時間後にはまだ数値が高いため再検査になる方が多いとか。

体重管理は無し?

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アメリカの妊婦さんには厳格な体重管理は求められません。

母体とお腹の赤ちゃんんが健康であれば、何を食べても何キロ太っても問題無し!

妊娠糖尿病と診断された場合に限り、専門家や栄養士の元で食事指導を受けることになります。

予防接種は必ず受ける

アメリカでは拒否しない限り、妊娠27週から36週の間にインフルエンザとTdap(三種混合ワクチン)の予防接種を受けます。

Tdapとは、百日咳、ジフテリア、破傷風の三種混合ワクチンで、特に百日咳は感染率が90%と高く、妊娠しているママだけでなく、パートナーや身近な親族にも摂取が推薦されています。

無痛分娩が主流!

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アメリカでは専門医制度が進んでいて、麻酔医師も常駐している事もあり、こちらから自然分娩を希望しない限り無痛分娩が主流となっています。

また、様々な条件はありますが、水中分娩や自宅分娩なども選ぶ事も可能です。

バースプラン

母子の安全が第一ですが、病院の方針に反していなければ、バースプランを提出する事も可能です。

私たち夫婦は、第一子な事もあり、病院と医師達を信頼していたのでバースプランは提出しませんでした。

日々の検診で要望を伝えたり、コミュニケーションが円滑に取れていたので、バースプランを提出する必要はなかったと今でも思っています。

バースプランでよくある要望

  • 臍の緒をパートナーがカットする (行いました!)
  • カンガルーケアでそのまま授乳する (行いました!)
  • 胎盤がみたい (行いませんでした。)
  • 出産風景を撮影したい (禁止されていましたが出産後の写真撮影はOK!)

バースプランを提出しなくても、とても満足いくお産ができましたし、何よりも母体と我が子の健康が第一なので個人的には信頼できる産院と医師に任せるに尽きると思います!

とくに、アメリカの場合は専門医制度によって、その分野を極め医療関係者が揃っているので安心してお任せできました。

産後24時間で退院!

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無痛分娩、または自然分娩で出産し、母子ともに健康状態が良好の場合、産後24時間で退院となります。

アメリカではLDR*と言って、出産から退院までを同じ部屋で行う産院が多く、母子同室で休むまもなく授乳指導、生まれたばかりの赤ちゃんの検査に沐浴指導、チャイルドシートの装着指導などなど…とにかく大忙し!

立ち会い出産が基本でパートナーも一緒に宿泊しているので、赤ちゃんのお世話は夫婦で行います。

産後の食事も、食べたい時にメニュー表から自らオーダーする必要があります。

退院までの間のスケジュールの合間に、ニューボーンフォトを撮影してくれるカメラマンが部屋に訪れてくれて、希望すれば生まれたてホヤホヤの写真を記念に残す事もできます。

LDR*(Labor, Delivery, Recovery) :出産から産後、赤ちゃんのお世話まで行える個室です。産院によって異なりますが、私が出産した産院では産後、別室の個室(Recovery)へ移動しました。

男の子の選択

出産した我が子が男の子の場合、割礼を行うかどうかを決める必要があります。 

割礼を受ける場合には、退院するまでの間に割礼を済ませます。

アメリカ出産まとめと感想

日本での出産経験がないので、日本と比較することができないのですが、個人的にはアメリカでの妊娠生活と出産はとても快適でした。

定期検査も必ず夫と行き、我が子が生まれる前から一緒に妊娠の過程を確認することができ、ふたりで親になる自覚をお互いに確認できた事も良かったと思います。

また、産後24時間で退院と聞くと驚いてしまいますが、実際は、病院にいる間は忙しいものの、担当の助産師さんが付きっきりでケアしてくれますし、何ひとつ不自由なく快適に過ごせました。

生まれたばかりの我が子を連れて家に帰り、家族3人での生活が早々に始められた事も嬉しかったです。

退院後、すぐに新生児検診があったりするのでパートナーの協力は必要不可欠です!産休の夫が全力サポートをしてくれ、里帰りいらずの産後が過ごせた事もあり、新しい命を迎え入れた後は夫婦の絆、家族の絆がより一層深まるのを実感した幸せなアメリカ出産となりました。

■Writer's Profile

ダブリン 遥香

アメリカ人夫と国際結婚。一児のおとこのこママ。妻になってもママになっても私らしく!夫と息子とアメリカ暮らしを満喫中。

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