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海外の生理用品事情を知りたい!日本との違いやナプキンorタンポン以外のアイテムも
海外の生理用品事情、日本とは違いがあるの?海外の生理用品の意外な事実や使用されている背景をご紹介。あまり知られていないナプキンやタンポン以外の生理用品も載せていますよ。日本との違いを比較しながら、海外の生理に対する考え方も是非知っていってくださいね。
2021.05.07公開
海外の現状として、特に欧米では生理に関してオープンな傾向にあります。日本よりも性教育が充実している背景があることから、生理用品がタブー扱いされることが少ないのが特徴。生理事情について話すことは、恥ずかしいことではないし、隠すべきことでもない という意識が広がりつつあるのですね。
そのため、ナプキンやタンポンを購入してもレジ二重包装されることはありません。男性が奥様や恋人のために生理用品を買いにいくことも珍しくありませんし、学校で配布された生理用品を面白がって騒ぐ、などといった光景も少ないと言われています。性教育が充実している国ほど、生理用品は特別なアイテムではなくなっているのです。
海外における生理用品の購入事情には、地域差があります。日本では気軽に購入できることが多い生理用品ですが、国によっては割高であったり、高級品であったりすることがあります。
例えば、インドやネパール、アフリカなどの国々では生理用品が高級であることから、農村部や貧困層では布やタオルで代用されることもあるのだとか。
海外では、「生理の貧困」という問題から生理用品の無料配布が注目されています。例えばスコットランドでは、2020年に世界で初めて「生理用品の無料提供」を実施する法案が可決されました。経済的な理由から、生理用品を購入することに苦労する人が多いこと明らかになったことが理由です。
そのような理由から生理用品の購入に苦労するケースは、海外のあちこちで見られます。スコットランド以外でも、ニュージーランドやフランスなどの国で、政府が学生への無料配布を実施するようになりました。
日本でもNHKが2021年に実施したアンケート調査で、経済的な理由から生理用品を買うのに苦労したことがあると答えた人が20%、買えなかったことがあると答えた人が6%いるという結果が。海外の流れを受けて、2021年に企業レベルで無料配布を実施する動きが見られるようになっています。
「生理の貧困」に関する問題から、海外の国では生理用品を非課税とする動きも見られます。イギリスやカナダ、アメリカの複数の州で非課税が導入されています。また、オーストラリアやインド、ケニアでも同様です。
日本においては、経済的な負担を軽くするため、軽減税率の対象とすることを希望する声が高まっています。現在はまだ呼びかけや署名の段階なので、これからの動きが注目されています。
海外では、新しい生理用品の普及も広まっています。ナプキンやタンポンとは異なる、"第三の生理用品"と呼ばれるアイテムたちです。日本でも知られつつありますが、まだまだ知名度は高くありません。傾向としては、繰り返し使えることや、女性の健康および環境に配慮するといったコンセプトのものが見受けられます。
「生理の貧困」を受けて、繰り返し使える第三の生理用品には、低コストで使い続けられるというメリットが。また、化学繊維フリーで女性の健康にも優しいと言われています。さらに第三の生理用品を使うことは、環境に影響を与えるナプキンやタンポンの使用が減ることに繋がるため、環境配慮の点からも注目されています。
海外の生理用品の事情をチェックするなら、使用されているアイテムにどんな違いがあるのかも気になりますね。日本と比較して、どんな特徴が見られるのかチェックしてみましょう。
海外のナプキンをチェックしてみると、パッケージがカラフルでおしゃれな物が多い傾向があります。海外でカラフルなパッケージを見かけて、思わず立ち止まってしまったという声も見られますよ。
日本のナプキンは比較的おとなしめの印象で、パステルカラーを基調としたパッケージが目立ちますね。しかし、少しずつではありますが、かわいいデザインのものやカラフルなパッケージのものが普及してきています。
スペインの割と小さめの町のスーパーの生理用品コーナー、色使いが明るくてカラフルで可愛かったな、思わず写真撮った。こういうのほしい。#NoBagForMe pic.twitter.com/XlVGXvYNRL
— yuk/おかざき (@jai_kali_maa) May 14, 2019
海外でのナプキンの使用率は、日本と比較すると低めです。日本の場合、9割の女性がナプキン派だというデータがありますが、海外では半分にまで下がるケースも。
ナプキンの使用率が海外で低い理由には、タンポンや第三の生理用品が広く普及していることが挙げられます。また、国によっては貧困や慣習などの理由から、ナプキンを始めとした生理用品の使用率が低いことも挙げられます。
ずっと観てみたかった「パッドマン」を観た!
— nagiyu (@nagiyu) February 1, 2021
インドが21世紀になってもナプキン使用率12%だったってのは衝撃だった…
生理が穢れとか、ナプキンが汚い女の物とか、トンデモない世界だわ…
全てが解決ではないけど第一歩を踏み出せたのは間違いないと思えたわ。
日本に産まれてヨカッター
ナプキンのバリエーションに関しては、海外のほうが少ない傾向があります。使用率が低いことから、9割の女性がナプキンを選ぶ日本と比較して、種類が限定されるのではないかと考えられています。必要とされる機会が少ないと、種類は増えないのですね。
生理用品、日本のは安くて質が良い。
— Risa C🕊🌻🇺🇦 (@risa03caprice) March 2, 2021
カナダのは薄くて良かったが、高く種類もあまりない。
海外はタンポンか他のものの使用率が高いのかも🤔
欧米を中心に、海外ではタンポンの使用率が高い傾向があります。日本でのタンポン使用率は、わずか5%ほどだと言われていますが、北欧では30%を超えるケースも。国によって、どの生理用品を選ぶのか、事情が異なってくるのですね。ちなみに、パッケージもおしゃれでかわいいものが多いですよ。
アメリカの生理用品めちゃかわだからみんな見て。タンポンでこのデザインとか何事おしゃれすぎ😭 pic.twitter.com/3gGii3F291
— chanmina (@sheena_jpn) October 28, 2020
タンポンの使用率が高い海外では、ラインナップも豊富になるという特徴が見られます。ラインナップの多さに驚いてしまったという声も多数。サイズや素材、パッケージカラーやデザインなどこだわりのポイントが感じられます。タンポン派の女性にとっては、選択肢の幅が広がるのは嬉しいことですね。
台湾に来たのでついでに、ナプキンも買いました!パワパフのやつが見つからなかったのが残念😔
— たかむら (@_laika1957_) August 14, 2019
あと、タンポンの種類の多さに驚き
これから海外旅行に行く時は生理用品事情を見てみるのも面白いかも pic.twitter.com/LusQ5Ve17E
ドイツで驚いたのが生理用品。どれも薄いし、羽なしが多く、オーガニックコットンは当たり前、下着に合わせて黒いのとかもある。タンポンもカップも種類豊富。選択肢が多い。皆の生理が軽くなっても、メーカーには色展開とかの方向はあるんだから、変わってほしいなぁ。>RT
— すずこ (@0szk0) August 22, 2020
海外で販売されているタンポンは、環境保護という観点から、プラスチックフリーの流れにあります。タンポンの種類は、指で挿入するフィンガータイプと、プラスチックのアプリケーターで挿入するタイプに分かれます。
プラスチックゴミの排出を減らすため、アプリケーター付きのタンポンは少なくなりつつあります。日本の場合は、フィンガータイプよりもアプリケーター付きのほうが主流です。
環境保護のためにプラスチックのアプリケーターがついたタンポンが店頭から消えて困っている国があるとニュースで拝見しました。
— 青い虫 (@aoimushidesu) March 4, 2021
私はタンポンは指で押し込むタイプのものしか使ったことがないのです。
アプリケーターが無くても何とかなる気がするのですが、無いと生きられない人もいるかしら。
海外で注目されるナプキンやタンポン以外の生理用品には、「月経カップ」というアイテムがあります。第三の生理用品とも呼ばれるアイテムですね。主に医療用シリコンを素材にして作られたカップで、膣内に直接挿入して、経血を溜めるための生理用品です。
カップ内に経血が溜まったら、トイレに捨ててしまえばOK。使用した月経カップは、洗うことで繰り返し使っていけます。また、ナプキンによるムレや経血のニオイから解放されるというメリットがありますよ。
デメリットとしては、使い方にコツが必要で、慣れるまでは失敗する可能性があることです。また、使用後の月経カップは、再利用するために煮沸消毒する必要があるため、お手入れにやや手間が必要となります。詳しくは下の記事で解説していますので、是非ご覧になってみてくださいね。
海外で注目されるもう一つの生理用品は、「吸水型サニタリーショーツ」です。吸水性や防水性を備えた布を、何層にも重ねて作った下着のことで、生理のときにナプキンなしで履くだけで対処できるアイテム。ナプキン装着の煩わしさから解放されると、人気になりました。
ただし経血量が多い生理2日目などは、ナプキンまたは月経カップとの併用が推奨されます。また、洗濯に関しては、水洗いで経血を落とせば洗濯機洗ができますが、乾燥に時間がかかるというデメリットが。柔軟剤や漂白剤の使用もNGな点にも注意が必要です。
海外における生理用品事情には、じつに様々な違いが見られます。日本とは全く事情が異なる例が見られたり、日本も無関心ではいられない問題が発見できたりする例がありましたね。
何気なく使っている生理用品には、女性の健康だけでなく、貧困や環境問題にまつわる事情が関係することも。海外の事情をチェックして、日本のことにも目を向けてみるのも興味深いですよ。
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