フェムテックブランドが集まる大丸梅田「ミチカケ」責任者の高橋知世さんインタビュー

2019年、大丸梅田店5階にオープンしてから、多くの女性たちの様々なお悩みをサポートしてきた「michi kake （ミチカケ）」。「月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う」コンセプトにフェムテック、フェムケアのブランドが勢揃いするエリアです。

セルフプレジャーアイテムを扱うテンガの女性向けブランド「iroha（イロハ）」や、月経カップや生理用吸収型のサニタリーショーツ、海外のフェムテックアイテムを取り揃えるセレクトショップ「MOOND by LPC（ムーンドバイエルピーシー）」など百貨店初出店のブランドも。様々なフェムテックアイテムが一堂に介する売場は日本ではまだ珍しく、大きな注目を浴びています。

今回は、フェムテックやセクシャルウェルネスに関する情報発信や、アイテム紹介をされているmichi kake blog とのスペシャルコラボ！ michi kakeの責任者で、先日WWD NEXT LEADERS 2021も受賞された高橋知世（たかはしともよ）さんから michi kakeに対する思いや、今後の展望、4/7（金）〜開催される期間限定ポップアップショップなどについてお話を伺いました。

michi kake blog

michi kake Instagram

現場で聞いたお客様のリアルな悩みに寄り添っていきたい

michi kakeオープンのきっかけは？

百貨店の主力商品カテゴリーである婦人服の売上が低迷する中で、大丸梅田店では3フロアある婦人服フロアの中から、5階フロアの改装がミッションとしてありました。

大丸松坂屋百貨店の中でも大丸梅田店があるのは、激戦区である大阪キタ地区。他の百貨店との差別化をはかるため、他店が展開できていないカテゴリーを模索する必要がありました。

そんな中で「女性の性の悩み」を切り口に展開した、ポップアップイベントの開催が重なったんです。イベントで、生理に関するお悩みなどお客様のリアルな声を聞いたことで、お悩みに寄り添うコンセプトゾーンの必要性を実感し、michi kakeをオープンすることに決めました。

百貨店の中でこのようなコンセプトゾーンを立ち上げることは非常に新しい取り組みですよね。オープンにあたって、困難だったことや、課題だと感じたことはありますか?

ご出店いただいているブランド様のほとんどが百貨店への出店が初めて。なおかつリアル店舗の出店も初めてというお取引先様も多く、私たちが普段当たり前にやっていることや習慣がうまく伝わらなかったことも。全てがゼロからのスタートで苦労しました。

取り扱う商品も、前例がないものばかりで、常に手探り状態。店頭にディスプレイするPOP一枚作成するにも大変苦労したことを覚えています。

michi kakeのコンセプト「月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う」はどのように生まれましたか？

現代社会にはモノ・コトが溢れていて、みんな不自由なくそこそこ幸せに暮らしているように見えます。でもその一方で、一人ひとりの心の中を覗いてみれば、心や身体の悩み、家族が抱える課題、人付き合いの心配、社会問題など・・・現代女性たちは、これまでにない課題に直面しており、新たなストレスを抱えています。

人にはなかなか言いづらいこと、個々の胸の内に抱えているものを少しでも和らげてほしい。お客様の「しあわせ」に加えて、「心の隙間や悩み」にも私たち百貨店がアプローチし、少しでも悩み寄り添えたら、という想いを込めました。

michi kake出店ブランドや商品は、様々なお悩みに寄り添いアプローチしてくれるものばかり。どんな基準やコンセプトでアイテム選定をしていますか?

コンセプトである｢月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う｣を具現化するため、女性のお悩みに寄り添っているブランド様であるか、michi kake のコンセプトとの親和性があるかといった点も検討して、ブランド選定をしています。

またフロア全体の感度が高くあるよう心がけています。例えば、日本初や関西初などの話題性のあるブランド、注目度の高いアイテムやカテゴリにもアプローチ。お客様のリズムに寄り添った提案ができるショップを揃えました。

世代、性別を問わず幅広いお客様に愛されるセクシャルウェルネスのコミュニティスペースへ

michi kakeにいらっしゃるお客様は、どんな方が多いですか？

世代、性別を問わず、幅広い世代の方々にお越しいただいています。従来の百貨店のメインターゲットである30代後半～50代のお客様はもちろんのこと、michi kakeのオープン以降、20～30代前半の女性が増えました。特に今までは、あまりみられなかった20～30代のカップルでのご来店が特徴的です。

5階フロアは、もともとヤングレディスファッションフロアということもあり以前から親子でのご来店も多かったのですが、今はお洋服だけではなく、初潮を迎えられるお子様と一緒にご来店されて、販売員にお悩みを話されている姿などもよくお見かけします。男性お二人でご来店され、パートナーのためにご購入いただいたことも。素晴らしいシーンに立ち会うことができ、とても印象的でした。

お客様にとって、どんな場所でありたいですか?

どんな気分の時でも気軽に訪れる場所でありたいです。ゆっくりと過ごしていただく中で、お客様が抱えていらっしゃるお悩みや、問題に寄り添う売場を目指しています。

また百貨店からの一方的な情報発信だけでなく、お客様同士でも相互性のある発信ができるコミュニティ作りの場を目指しています。SNSの運営や、お客様にお楽しみいただけるイベントなども定期的に開催しています。

michi kakeの今後の展開や、ヴィジョンについてお聞かせください。

お客様のお悩みにも多く聞かれる「更年期」についても取り組んでいきたいです。更年期も生理と同じく、人それぞれ多種多様。人生100年時代と言われる現代社会において、見逃せない課題の一つです。

お客様一人ひとりに寄り添いながら、更年期をサポートできるソリューションも、michi kakeで提供していけたらと思っています。

4/7〜21デリケートゾーンケアアイテムが勢揃い！期間限定ポップアップショップ「ミチカケBUY NOW」

2021年4月7日(水)〜2021年4月20日(火)、デリケートゾーンケアアイテムを扱う10ブランドが勢揃いする、期間限定ポップアップ「ミチカケBUY NOW」が開催されます。

今回のポップアップイベントへの思いを教えてください

私自身、michi kakeを立ち上げてから、自分自身のことにも関わらず、自分の体について知らないことが多すぎて大変驚きました。そしてmichi kakeは様々な情報を私に教えてくれました。

情報を知ったことで、自分の中での選択肢が増え、自分の生活をより豊かにすることに繋がったと思います。そんな情報をお客様にも知っていただきたい。そんな想いから、期間限定ポップアップショップ「ミチカケ BUY NOW」は誕生しました。

第一回は、昨年2020年11月。ミチカケが1周年を迎える「michi kake 1st Anniversary」の目玉イベントのひとつとして「吸水ショーツまつり」と題し、全7ブランドの吸水ショーツを集めました。通常ブランドのショップ別でしか手にとって見ることのできない吸水ショーツを販売する7ブランドを一堂に集め、比較し、店内で試着までできる機会をご提供し、多くのお客様に喜んでいただきました。

「ミチカケ BUY NOW 」では今、みなさまに知ってほしいモノ（コト）を発信し、選択の幅を広げるお手伝いができればと考えています。

今回はのテーマは「デリケートゾーンケア」。お悩みを抱える方も多いデリケートゾーンに対して、店頭のショップスタッフとフラットに話せる場を提供したり、実際に様々なアイテムを手にとって直接みていただき、自分が心地よいと思えるアイテムと出会える場にしていただけたらと思っています。ぜひ皆さん、遊びに来てくださいね！