「自分自身の信じるところを正直に生きればいい」仕事を続けるべきか考えていた10数年前、ふと目にした草間彌生さんの言葉は、なぜか印象的でした。今でこそ世界を代表する現代アーティストとして活躍されていますが、草間彌生さんは幼い頃からハンデを抱えてきた女性。ここでは、3月29日(月)まで開催されている作品展「我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである」を振り返りながら、人生の切り開き方を考えたいと思います。

自分のマイナスを「最強の武器」に変える

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草間彌生さんの代表作品といえば、一度見たら忘れない水玉のかぼちゃ。でも作品の原点は、統合失調症や不安神経症と呼ばれる精神的な病から見えた幻覚・幻聴からきているといわれています。心理カラーで見ても、作品でよく見かける黄色×黒という色の組み合わせは、危険を認識させやすい警告色。実家が種苗店ということで、水玉は「種」をイメージしたのでは?なんて友人と話していたことがありますけど、結果として不安や孤立など自分のマイナス面を絵に落とし込んだことが、人生を切り開くことにつながったんですよね。

自分の弱みを最大の武器にする・・・視点を変えれば、欠点を隠さず、ありのままの自分を見せて生きた結果が反映されたということ。今年3月22日で92歳になる草間彌生さんですが、この価値観は国や人種、性別、世代関係なく受け入れられるだろうし、むしろこれからは、自分らしさを出した生き方が注目される時代。新宿区にある草間彌生美術館で開催されていた「我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである」には、草間彌生さんという人間の個性が溢れていました。

草間彌生美術館で見つけた幻想空間

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こちらが草間彌生美術館。ガラス窓に白い水玉がデザインされたおしゃれなビルです。長野県にある美術館よりアットホームでこぢんまりとしているので、サクッと気軽に立ち寄れますよ。

恐怖なのに感動・・・箱の中の宇宙空間!

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この作品展で1番楽しみにしていたのが「無限の鏡の間-宇宙の彼方から呼びかけてくる人類の幸福への願い」(タイトル長い!)という没入型のインスタレーション作品。チームラボのようなもの?と思っていましたが、恐怖という幻覚から星屑の中に入り込むというテーマが根底にある時点で、やはり草間彌生さんだなと感じます。小さな部屋に入るその先は、合わせ鏡で作る無限の異空間!ライトが星空のように光り輝き、なんとも不思議な宇宙の世界に入り込めます。マスク着用必須、1組ずつの入室で3分くらいしか居られないので本当にあっという間。1回では足らず2回目以上行くパターンも珍しくはありません。

夢や幻をリアル体験できる黄色の世界

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こちらの黄色い花の部屋。部屋の中を花が埋め尽くす幻覚をリアルに表現した「フラワー・オブセッション」もなかなか衝撃的。入室前に黄色い花のステッカーまたは造花を1つ選んで自由に貼り付ける参加型アートです。一歩踏み入れると、目の前に広がるのはファンタジーの世界!テーブルも椅子も壁も棚も、すべてが黄色尽くしです。ごく普通の部屋が、時間の経過とともに黄色の花で埋め尽くされていくので一緒にアートを作っているような気分で楽しめます。テーブルクロスにプリントされた花柄の幻覚が、人を感動させるアートになる・・・。何か人生のヒントを得たい方は、草間彌生さんのアートに触れてみると新しい発見があるかもしれません。

オシャレすぎるお土産にも注目

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草間彌生美術館の1Fには、おしゃれなお土産がいっぱい。個人的には、ヨックモックのプティ・シガールが入ったかぼちゃ缶がおしゃれで惹かれました。(お値段も1,000円くらいとお手頃!)コロナ禍ということで、草間彌生美術館は整理券&完全予約制。人が混み合うことはないので、安心感もありますよ。

不安や苦しみを武器に人生を切り開いてきた草間彌生さん。その価値観や生き方が表現されたアートは、ちょっと自分を見つめ直したいときにピッタリです。心に何か刺激がほしいとき、ぜひ訪れてみてくださいね。

■Writer's Profile

izumi

ライフスタイルライター|日本化粧品検定1級|TCカラーセラピスト|旅、美容、グルメ、おしゃれ、働くアラフォーの心に響いたリアルライフを執筆

instagram:@izumi_tabism

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