Wellness
新しい美の捉え方、"クリーンビューティー"とは?取り組みブランドや話題のアイテムも
最近「クリーンビューティー」という言葉を良く耳にするけど、いったい何のこと?今や世界のトレンドとして注目を集めている、クリーンビューティーについて詳しくまとめてみました。美容に関する新しい概念を、取り組みブランドや話題のアイテムと一緒にチェックしてみましょう。
2021.05.12公開
クリーンビューティーとは、身体に優しい化粧品&美容品を表す言葉。クリーンビューティーの定義そのものは、まだハッキリと定まっていませんが、いくつかの概念を表すものとなります。身体に優しいということも、クリーンビューティーの概念の一つです。
「クリーン(Clean)」という言葉が、「清潔・清浄・綺麗な」という意味を持つように、身体に有害となる成分を含まないことを表します。パラベンやシリコンを始めとした、身体に強い刺激を与える可能性がある成分を含まない、化粧品や美容品のことを指すものです。
自然・天然の原料を使用することも、クリーンビューティーに含まれる概念の一つ。そのため、クリーンビューティー製品と呼ばれているアイテムは、自然の恵みを生かした原料を用いているものが目立ちます。
ただし、ブランドによって違いがあることも。100%自然・天然原料で作られている製品もあれば、一部で身体に優しいとされるケミカル成分を配合しているものも見られます。
クリーンビューティーは、環境に配慮するという概念も含みます。環境に負荷を与えないことをコンセプトに製品開発や製造が行われていたり、使用後のリサイクルが念頭に入れられていたりするものが該当するのが特徴。
例えば、パッケージの素材をプラスチックフリーにすることや、再生可能エネルギーを利用しての生産といった例が。使用後のレフィル交換や容器回収でのゴミ削減に繋げるなど、クリーンビューティーのブランドでは様々な取り組みが行われています。
ブランドによっては、クリーンビューティーの概念に動物愛護を含むところもあります。動物を虐待しない・搾取しないという精神を大切に、ヴィーガン処方に拘るブランドですね。動物由来の成分を使用しないことはもちろん、動物虐待を防ぐことも意識されています。
あまり知られていませんが、化粧品やスキンケアアイテムなどの開発では、安全性の確認のために動物実験が行われることが。ここ数年の流れとして、美容のための動物実験を疑問視する声が高まり、動画などを通した訴えかけが目立ちます。
クリーンビューティーの概念には、社会・人権問題も含まれることが。「フェアトレード」という、原料の生産者に対する労働環境への配慮や、公正な価格取引を意識したものです。
化粧品やスキンケアアイテムなどを購入するとき、「フェアトレード」の一言があれば、社会・人権問題を意識していることを表します。
Point
クリーンビューティーの概念は、ブランドによって異なるのが現状。定義が統一されていないため、企業の理念ごとに変わってきます。基本的には概念①②③をクリアするブランドが多い傾向に。さらに概念④の動物愛護をプラスするブランドもあれば、概念⑤のフェアトレードを加えるものもあります。
オーガニックビューティーやナチュラルビューティーは、クリーンビューティーの一部に含まれるとされるもの。間違えやすい概念として挙げられることが多いのですが、オーガニックビューティーは、農薬や化学肥料を使わずに生産された原料を使った製品のことになります。
また、ナチュラルビューティーは、自然・天然原料を用いた化粧品やスキンケアアイテムといった製品が該当。クリーンビューティーは、広い意味でのオーガニックビューティーやナチュラルビューティーとなります。
クリーンビューティーと、オーガニック・ナチュラルビューティーの違いは、サスティナブルな社会への意識の差にあると言われています。
オーガニック・ナチュラルビューティーがサスティナブルを意識していないわけではありませんが、クリーンビューティーほど全面的ではない点が異なります。ナチュラル・オーガニックで注目されるのは成分で、クリーンビューティーは倫理や環境保護、社会的な観点が欠けていると認められない傾向にあります。
クリーンビューティーが注目されるようになった理由は、サステナビリティやウェルネスに対する意識の高まりにあります。サステナビリティとは持続可能性のことで、環境・社会・経済の3つの観点から、世界をより良くしていくという考え方のこと。ウェルネスとは、健康的により良く生きようとする生活態度のことです。
国連のSDGs(持続可能な開発目標)の発表以来、規制も強化され、消費者の間でも環境や社会に配慮した行動がより強く意識されるようになりました。また、ウェルネスの意識も広まり、化粧品やスキンケアアイテムなど、自分の肌に直接つける製品の成分も強く気にされるようにもなりました。
その結果、クリーンビューティーは世界的なトレンドになることに。日本においても、2020年はクリーンビューティーを目指した新ブランドが数多く誕生し、高い注目を集めました。
クリーンビューティーが注目されるようになった背景には、環境変化による敏感肌の増加も関係すると言われています。大気汚染や日々のストレスに加えて、デジタル製品に囲まれた生活が、敏感肌を作り出しているという意見が。
そのため、化粧品やスキンケアアイテムに、敏感肌への対応が求められることが多くなりました。自然・天然原料を用いたクリーンビューティーな製品であれば、低刺激で使いやすいと注目を集めています。
技術進歩による、自然・天然原料を用いた製品の使用性・効果アップも、クリーンビューティーが注目される理由です。少し前までは、天然原料をそのまま利用した化粧品やスキンケアアイテムなどは、化学合成物質を利用したものよりも劣る傾向にありました。
しかし現在では、天然原料の成分を利用したものでも、クオリティの高いものが生産できるように。その結果、より良い生活をサポートしてくれる可能性が高い、クリーンビューティーに消費者が移行するようになったと考えられています。
『Milk MAKEUP(ミルクメイクアップ)』は、アメリカ発のコスメブランドです。防腐剤やパラベン、シリコンといった刺激の強い成分フリーが特徴で、100%ヴィーガンの天然成分を使った化粧品を販売。また、動物実験を行っていないことを意味する「クルエルティフリー」も掲げています。
また、ポップでカラフルなパッケージと、自己表現を第一とした個性的な使い方ができることで人気。日本でも製品が購入できる、代表的なクリーンビューティーブランドの一つです。
Sunny + 65 calls for Glow Oils 💅🏻💫 which shade is ur fav? 👀👇🏻 pic.twitter.com/7ipzoFovZt
— Milk Makeup (@milkmakeup) May 7, 2020
スウェーデンのブランドである『Maria Nila(マリア・ニラ)』は、ヘアケアアイテムを扱う代表的なクリーンビューティーブランド。
ヘアケアブランドでは、髪の強度アップと修復のために動物由来の成分を使用するのが一般的。マリア・ニラは、動物由来成分の代替えとして、植物性成分を使ったヘアケアアイテムの販売で注目を集めました。パステル調のパッケージが目印で、世界的な知名度も高いのですが、日本ではまだ入手困難なブランドです。
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— Annabel (@thisveganmum) April 28, 2019
フランス発の『L'OCCITANE(ロクシタン)』は、日本でも馴染みのあるブランド。おしゃれなパッケージの化粧品やスキンケアアイテムの販売で有名ですが、社会や人権問題に関するクリーンビューティーな企業としても知られています。
特に注目されているのは、フェアトレードの原料調達と女性の自立支援に取り組む姿勢。もちろん、環境保護やリサイクル問題にも積極的です。
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『LUSH(ラッシュ)』はイギリス発のブランドで、クリーンビューティーなバスアイテムが豊富です。天然素材を原料としたハンドメイド製品が多く、約9割がヴィーガン対応。動物実験を行うこともなく、エシカル消費にも力を入れています。
天然素材なのにパッケージも製品もカラフルで可愛いと、日本でも人気が高いですよ。バスアイテムをクリーンビューティーで揃えたい時にチェックしてみましょう。
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— LUSH (ラッシュ 公式) (@LUSHJAPAN) April 17, 2021
日本の代表的なクリーンビューティーブランドといえば、『bareMinerals(ベアミネラル)』です。資生堂傘下のブランドで、日本におけるクリーンビューティーの先駆けとなる存在。5種のミネラル成分だけで構成された、ファンデーションの販売で有名です。
また、マイクロビーズ不使用の化粧品やスキンケアアイテムを扱っていることも特徴。マイクロビーズとは、ポリエチレンやポリプロピレンで作られた極小のビーズで、海洋プラスチック汚染に影響すると考えられているものです。
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スティックタイプのハイライターやプライマーは、クリーンビューティーブランドとして有名な『Milk MAKEUP』の人気商品。マット下地プライマーは、軽いつけ心地で毛穴を綺麗にカバーしてくれることが特徴。
シリコンやパラベンは不使用、天然成分配合という『Milk MAKEUP』の特徴は、すべて揃えています。ロゴが強調されたパッケージが目印ですよ。
「イモーテル ディヴァインインテンシヴオイル」は、『L'OCCITANE』が提供する導入美容オイル。デザイン性の高いパッケージと、アップサイクルの発想から誕生したという逸話が話題となりました。
アップサイクルとは、本来捨てるはずのものを、環境価値が高い新しい製品に変換するプロセスのこと。エッセンシャルオイル抽出後の出がらしとも言えるイモーテルの原料に、コラーゲン生成促進効果があること発見し、商品化したと言われる画期的なオイル。
「リキッドシャンプーBIG」は、『LUSH』のバスアイテムの中でも高い人気を誇る商品。シックな黒のパッケージが目印ですよ。海藻とシーソルト原料に作られたシャンプーで、髪のコシとボリューム感アップをサポートします。
『LUSH』は、創立当初から美容品のための動物実験には反対の声を上げてきました。商品の原材料や資材の購入に至っても、動物実験を行っていない取引先を利用しているので、BIGも例外ではありません。
『bareMinerals』のオリジナルファンデーションは、ブランドが誇るロングセラー商品。余分なものを一切配合しない、ミネラル100%のファンデーションとして日本で話題を呼びました。
5種類のミネラルだけを原料としたシンプルさなのに、皮脂や汗にも強い商品。他のメーカーのものとは異なる、崩れにくいファンデーションとして便利に使えます。シックなパッケージで高級感あふれる一品。
これからのスキンケ&ボディケアアイテムは、クリーンビューティーが主流に。取り扱いを増やすブランドも、新規に立ち上げられるブランドも、これからますます増えていくと考えられています。
お肌のことだけでなく、環境や社会問題のことを考えても、クリーンビューティーなアイテムを使うことは大切。新しくアイテムを購入するときは、ぜひ意識してみてください。
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