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【世界の性教育】先進国「オランダ」の場合は?
性教育の取り入れ方は、国によって大きく異なります。今回は、世界の中でも性にオープンで進んでいる「オランダ」の性教育についてご紹介します。
2021.05.09公開
ある調査では、アメリカ人の70%ほどの人が「初体験に後悔がある」と答えた一方、オランダ人のほとんどは「素晴らしい体験だった」と答えたそうです。また、オランダでは10代の妊娠率がアメリカの5分の1というデータも。
このことからもわかるように、オランダの性に対する考えや理解は、世界と比べてもとても先鋭的と言えるでしょう。ではそれはなぜか? 一つに、性教育への取り組み方が日本や世界と大きく異なることが理由と考えられます。ではその取り組みを、順を追って見てみましょう。
日本で「最初の性教育は」と考えると、筆者の経験ではおそらく小学校高学年。およそ、女性が初潮を迎え始めるころにあったと思います。しかしオランダはそれよりはるかに若い、4才で最初の性教育があるのだとか。
オランダでは、幼稚園や保育園で、性に関する絵本を使って読み聞かせをおこないます。キスをする理由など、子供に問いかけながら話を進め、最後には「セックスは愛を持ってされる行為」ということまで教えるそうです。もちろんこの時使われる言葉は、”本来の言葉”。コウノトリなど、濁した表現を使わずしっかり理解をさせるという点でも、日本とは大きく異なりますね。
その次の段階といて行われるのが、日本の最初の性教育と同じ頃、11才ごろです。性的発達がある年頃だからこそ、ここでもあえて抽象的な言葉は使わず、男女の生殖器について具体的に学んでいくのだそう。
授業は男女一緒に行われ、マスターベーションや射精など、日本では考えられないようなテーマを題材に男女でディベートやプレゼンが行われることもあるのだとか。
「ここまでオープンだからこそ正しい知識が身につき、さらに軽はずみな好奇心で誤った性行為に至る可能性を下げているのでは」という考えも。確かに、ここまであけすけに意見を交わす場が設けられてきた環境で性を学べることがあるのとないのでは、性に対する考え方を決定的に変えていそうです。
11才くらいまでに行われるのが、日本でも考えられる「性教育」。しかしオランダでは11才以降、もっと性に対して幅広いテーマを議題にして、教育していくのだそう。
例えば性的アイデンティティ、性同一性、プライバシーについて、ジェンダーと社会、恋人との行為の線引き、性的魅力、インターネットにおける性の取り扱いなど。ディスカッションなどで自分の考えを整理、そして他人の意見を理解するという過程で、中には自身はセクシャル・マイノリティだとカミングアウトする人も少なくないようです。
いかがでいたか?
性に対して考えたり他人の意見に触れることが、日本と比べても段違いに多い印象のオランダ。だからこそ、正しい知識を深めることができ、結果、性をポジティブなものとできるのかもしれません。日本ではまだまだ「いやらしいもの」とされ、考える機会が少ない性。オランダの教育に、学べることが多いかもしれませんね。
雑誌編集者・フリーライター。女性ファッション誌読者モデル。30代に入り、色んな意味で人生の岐路に立っています。働き方や美容をメインに発信していきます!
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