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私が事実婚を選ぶ理由
選択的夫婦別姓が未だ認められていない中、事実婚を選ぶ人が増えてきています。私も2021年末に事実婚をする予定の一人です。
なぜ敢えて法律婚ではなく事実婚を選ぶのか、私なりのアイデアを共有し、一人でも多くの人が「生き方の多様性」に理解を深められたらと思います。
2021.08.26公開
現代の日本は戸籍制度で国によって管理をされており、民法750条「夫婦の氏」では、夫又は妻のどちらかの氏を称することが原則となっています。婚姻後も、仕事上では旧姓を名乗る人もいますが、戸籍上は変えなければならないのが現状です。
選択的夫婦別姓制度とは,希望する夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の氏を名乗ることも認めるというものです。選択的な制度なので、すべての夫婦が別々の氏を名乗らなければならないわけではありません。これまで通り、夫婦が同じ氏を名乗りたい場合には同じ氏を名乗ることもでき、夫婦が別々の氏を名乗ることを希望した場合には別々の氏を名乗ることもできるようにしようという制度です。
選択的夫婦別姓制度は国会にて審議予定ですが、制度化されるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。そんな中増えているのが「事実婚」。法律婚のように婚姻届を提出することはせずに、内縁という形で関係を築くことです。
元々私は、好きな人と結婚して好きな人(男性)の氏になることが当たり前で、それが幸せなことだと思っていました。しかし男女平等というトピックに興味を持ち始めてから、現在の日本の婚姻制度がいかに不平等であるかに気づき、疑問を抱くようになりました。
現在日本の婚姻制度は夫婦どちらかの氏を名乗ることになっており、女性側が男性の氏に揃えなければならないわけではありません。しかし歴史的な名残もあり、現代でも97.4%の夫婦関係が男性側の氏を選択しているのです。
今でこそ、新戸籍の編製が主流になり、夫婦どちらかの元々ある戸籍に入籍するのではなく、婚姻と同時にその夫婦で新しく戸籍を作ることになっていますが、それでも男性側の氏を選択する割合が高いのは、「男性>女性」の考え方が根付いている証拠ではないでしょうか。私は夫婦両者がそれぞれの氏を保持することは、お互いの権利(人権)であると思うので、統一する必要はないと思います。
生まれてからずっと自分の氏で生きてきたのに、なぜ結婚したら変えなければならないのか、単純に全く理解ができませんでした。ならば、相手(男性)に変えてもらえばいいのでは?と言う人もいましたが、それも私の中ではNGでした。それぞれが生まれた時から授けられた氏で生きていけなければ、真の平等ではないと思ったからです。
しかし、事実婚はやはり法的に認められた選択肢ではないため、自治体や都道府県によって理解や支援が増えてきたといえど、デメリットもあります。何をメリット・デメリットと感じるかは人それぞれだと思いますが、その中でも私が直面しているデメリットは主に2つです。
具体的に予定はありませんが、将来的には子供を持ちたいと思っています。法律婚では、夫婦両者に親権が与えられますが、事実婚では出産直後に自動的に妻(母)に単独親権が与えられます。その後、役所にて夫(父)が自分の子供であると「認知」すれば、夫の戸籍にも子供の名が載りますが、親権は家庭裁判所の手続きが必要になります。
このように両者に親権が持てないことから、将来子供を授かったときに未だ夫婦別姓制度が施行されていなかったら、法律婚に変更する可能性もないわけではないと正直思っています。
事実婚は法的に認められた夫婦ではないため、国の扶養に入れないケースが多いです。基準を満たせば社会保険の扶養に入ることはできますが、税法上の配偶者としては認められないため、法律婚夫婦と比べると納税額は高くなります。
やはり法的に認められた夫婦関係ではないため、様々な課題は生じます。しかしこのまま法律婚で夫婦どちらかの氏を選択する婚姻の形が永遠に続くとも思えません。男女のみならず様々なジェンダー、人種、生き方において多様性がやっと認められ始めた今だからこそ、声を上げて見ることはこの国が前に進む一歩ではないかと思います。
参考:
20代OL/大手外資系キャリアコンサルタント/バックパッカー/新卒1年目で中絶を経験/誰もが生きやすい世の中実現のため、性教育支援や中絶経験者コミュニティー設立等活動中。
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