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【夫婦別姓】いつから適用される?日本と海外の違いを比較

結婚した後、それぞれ結婚前の氏を名乗ることを認める選択的夫婦別姓制度。長い歴史の中で何度も協議されていますが、2021年7月の時点では認められていません。民法第750条「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められている通り、これが日本の文化として根付いているのが現状。 これを踏まえ、夫婦別姓はいつから適用されるのかを探るとともに、日本と近隣国の違いをまとめて紹介します。

2021.08.25公開

夫婦別姓は一体いつから?

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女性の社会進出が目立ち始めた1990年代頃から活発化している「夫婦別姓」という考え。働き方改革をはじめとする多様な生活様式の変化が求められる2021年現在、選択的夫婦別姓制度は未だ適用されていません。

某大学と市民団体が合同で行った市場調査では、全国7割以上が選択的夫婦別姓に対して「賛成」と回答し、ネット上でも夫婦別姓の声は多く挙がっています。とりわけここ数十年で増えている女性経営者からは、企業経営者として不便・不都合を感じたという意見も多く、氏に対する選択肢を持つことが今後の人生やライフスタイルに大きな影響を与えると認識している方が多くいるのも事実。

今年4月、自民党本部で行われた「氏制度」を議論する初会合でも、賛成派と慎重派が真っ向から対立したものの、「国民の意見や国会における議論の動向を見ながら、司法判断も踏まえた上で更なる検討を進める」と締めくくり、「通称使用の拡大」これが現実的な対応だろうという意見も見え隠れしています。結局のところ導入を検討するという声はあるものの「まだ分かりません」というのが今の日本の政治です。

近年では、事実婚の夫婦が起こした家事審判もニュースで話題となりましたが、社会に対してもっと声を挙げていかないと、夫婦別姓の実現は先になるのかもしれません。

海外の夫婦別姓に対する考えは?

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さまざまな論争が渦巻く夫婦別姓ですが、国際結婚はイレギュラーです。夫婦同姓を定める民法第750条が適用されるのは、あくまでも日本人同士の婚姻のみ。外国人と日本人の国際結婚には適用されないため、夫婦別姓となります。

さらに日本と海外では、婚姻中の姓に対して根本的な考えが違います。むしろ日本のような夫婦同姓という価値観はあまりないといえるほど、夫婦同姓が少数派とする国もあります。参考までに、アジア圏の国での夫婦別姓の状況をまとめてみました。

韓国の場合

お隣の国でもある韓国は「姓不変」という考えがあることから、夫婦別姓主義の国です。婚姻によって戸籍は変わっても女性の姓は変わりません。むしろ個人を尊厳するという意味において夫婦別姓が推奨されている国ですので、同一の戸籍の中にいろいろな姓が登載されています。

台湾の場合

昔から共働き夫婦が多い台湾も、韓国と同じように夫婦別姓が基本的な考えです。ただし戸籍を管理する役所にて書面で登記すると、夫または妻の姓を名乗ることができます。とはいえ、結婚しても結婚前の姓を使う、この認識が台湾人の中では多いようです

中国の場合

中国も韓国・台湾と同様、結婚前の自分の姓を使用する夫婦別姓が原則です。昔は生まれた子どもの姓は父親側の姓を名乗ることが多かったそうですが、近年の「2人っこ政策」をきっかけに1人目は父親の姓、2人目は母親の姓にするという兄弟で違う名前という事例もあるそうです。

タイの場合

結婚した女性は夫の姓を使うと法律で定められていたタイですが、2005年に選択的夫婦別姓が導入され、夫婦の合意によりいずれかの姓、またはそれぞれが従来の姓を称することができるようになりました。また、配偶者の同意が得られた場合は配偶者の姓をミドルネームに使うこともできます。

日本の歴史や伝統を考えると夫婦同姓の考え方に対して頷ける部分も少なからずありますが、世界という広い目で見ると夫婦別姓という価値観は受け入れている国が多いようです。変わりゆく時代の中で何を優先するのか、夫婦別姓を通じてあらためて考えてみてくださいね。

参考:

韓国法の特色―家族法を中心として
中華人民共和国における 身分関係法制調査研究
大阪相続遺言相談センター

■Writer's Profile

izumi

ライフスタイルライター|日本化粧品検定1級|TCカラーセラピスト|旅、美容、グルメ、おしゃれ、働くアラフォーの心に響いたリアルライフを執筆

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