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国際ガールズ・デー「NHK記者 柳澤あゆみ氏が語る中東・アフリカの女の子」オンラインイベントレポート

国際ガールズ・デー「NHK記者 柳澤あゆみ氏が語る中東・アフリカの女の子」オンラインイベントレポート

FGM根絶に向けた意識啓発活動に参加するエジプトの女の子たち ©プラン・インターナショナル

2021.10.28 レポート

来たる10月11日「国際ガールズ・デー」に先駆けて、先日10月8日に国際NGOプラン・インターナショナル主催のオンラインイベントが開催されました。NHK記者の柳澤あゆみさんを迎えた本イベント。柳澤さんが駐在中に出会った中東・アフリカに住む女の子たちのリアルな現状や、「女性器切除」というとてもデリケートな問題を中心にお話を聞くことができました。今回は、そのイベントについて詳しくレポートしていきます。

「NHK記者 柳澤あゆみ氏が語る中東・アフリカの女の子」

・イベント概要

日時:2021年10月8日(金)20時~21時15分

主催:国際NGOプラン・インターナショナル

場所: オンライン ※ZOOMウェビナー形式

主催「国際NGOプラン・インターナショナル」

プラン・インターナショナル

©プラン・インターナショナル

プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発を進めてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。

https://www.plan-international.jp/

登壇者プロフィール

・NHK記者 柳澤 あゆみ(やなぎさわ・あゆみ)

2008年NHK入局。秋田局で警察・行政を担当後、宮城県の石巻報道室へ異動。入社3年目で体験した東日本大震災が記者としてのターニングポイントに。その後、仙台局、国際部を経て2018年夏から3年間カイロに駐在し、中東アフリカ地域の女性が直面する課題を継続して取材してきた。今年7月に帰国し、現在は報道局ネットワーク報道部に所属。

オンラインイベントの内容

「女性器切除(FGM)」

日本人にはあまり馴染みのない「女性器切除(Female Genital Mutilation=FGM)」という言葉。しかしながら現在も、31ヶ国で約2億人が女性器を切除されているという現実があるんだそう。主に中東・アフリカを中心に(アジアではインドネシアでも)その慣習が残っており、ほとんどの女性が10代半ばまでに女性器切除を執り行われると言われています。。

2021年7月までエジプト、カイロに駐在し、3年間にわたり中東アフリカの女の子や女性たちの取材に注力してきた柳澤さんが目にした女の子たちの女性器切除の実情についてお話してくださいました。

FGM撤廃の必要性についての歌を歌うスーダンの女の子たち

FGM撤廃の必要性についての歌を歌うスーダンの女の子たち ©プラン・インターナショナル

女性器切除とは?その目的は?

女性器切除(Female Genital Mutilation=FGM)とは、アフリカを中心に約2千年前から行われている慣習。その名の通り、女性器を部分的もしくは全体的に切除することをさします。方法は国や地域にによっても異なりますが、切除ではなく縫合して閉じる方法も用いられているのだそう。現地では大人の女性になるための通過儀礼とされており、結婚の条件となっている地域もあるということです。

その目的は、女性が性的快感を得られないようにするため、純潔を守るためなど様々な理由があると言います。それは男性優位の社会が色濃く反映されていることのようにも感じます。しかしFGMを女の子に進めているのは、驚くことにその母親や祖母といった女性たち。なぜなら彼女たちも当たり前に行ってきたことであり、代々行ってきたことをいきなり止めるということには抵抗があり、また周りの目も気になるということから、実の娘を女性器切除に連れていくことが当たり前に行われているようです。

FGMが身体に与える影響

国や地域によっても異なるそうですが、FGMは助産師によって施術されます。錆びたナイフなどが使われる場合もあるそうで、必ずしも衛生的な環境で行われているとは言えないそうです。感染症の恐れや激しい痛み、時には出血多量により死に至ることも。そして短期的な影響だけでなく、排尿障害や生理不順、性交時の激痛、精神疾患などに繋がってしまう場合もあり、心に傷を抱える女性も少なくありません。

FGMをなくすための活動

国際NGOプラン・インターナショナルをはじめ、各国でFGMをなくす活動もされているんだそう。スーダンでは2020年4月、刑法が改正されたりと良い動きもあります。しかし水面下ではまだまだ広くFGMが続けられている現状で、賛成派と反対派の間には溝があり、議論は平行線を辿り、なかなか根絶が難しいとのことでした。また新型コロナウイルスの拡大により、FGM根絶活動も中止を余儀なくされたり、学校閉鎖になったりしたこともあり、今まで以上ぶいつでも施術ができる状況になったことで、FGMが盛んになってしまうという悪循環も生じています。

FGM根絶の必要性を訴えるギニアの女の子たち

FGM根絶の必要性を訴えるギニアの女の子たち ©プラン・インターナショナル

このような現実を知って、どんな風に感じましたか?まだまだ選択権も持たないような幼い女の子が、自分の体のことを決める権利なく女性器を切除されるという慣習。遠い国だから、となかなか知らないことも多いですが、ジェンダー平等が声高に叫ばれる現代においてまずは知ることが大切なように感じます。

これまで、そして現在に至るまで、一筋縄では行かないようなFGMの実情ですが、未来の女の子たちに選択肢と権利を与えられるように、そのためには「常識」を変える必要があります。

遠い国の女の子たちに思いを馳せる、貴重なきっかけとなるオンラインイベントでした。

■Writer's Profile

Ayu

「美しくなることは、自分を好きになること」をモットーに、スキンケア・メイク・美マインドなど、美容全般に関する情報をSNS等で発信。

Instagram:@ayu_27s ameblo
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