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性に関する不安や疑問に対して、適切な情報を。性教育プロデューサー中島梨乃さん

性教育プロデューサーとして、高校生の日常を舞台として性の多様性を描いたドラマ『17.3 about a sex』の台本監修をはじめ、正しい性の知識を届ける活動に取り組む現役女子大生の中島梨乃さん。中島さんが、性教育に関する活動を始められたきっかけや、現在の活動などについて伺いました。

2021.06.23公開

性で傷つく人、傷つける人の両者を減らしたい

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高校生の頃から性教育に関する活動を行なっている中島さん。活動を始めたきっかけは?

自分が性で傷ついた経験があったことが大きいですね。また、高校生ぐらいになって友人たちから性に関する悩みを相談されることが多かったことも影響しています。友人たちの色んな話を聞くようになって、性について悩んでいる人って私だけじゃないんだと感じました。

それから性に関する知識をつけるために、SNSで産婦人科の先生や性教育に関する活動をされている方々をフォローするようになったんです。それからだんだんとアウトプットとして発信を始めるようになりました。

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性教育プロデューサーとしてどんな活動をしていますか?

高校生の頃から「性で傷つく人や、傷つける人を減らしたい」という思いがあり、主にSNSで発信活動をしていました。大学生になってからは、大学の男女トイレに生理用品を置く活動や、大学生に人気のタピオカの容器に性教育の情報を書いて配ったことも。

多くの人が使うものや、その時流行っているものと性教育を掛け合わせたりして、「性に関心のない層にどうアプローチして、関心を集めるか」ということを意識しながら取り組んでいます。最近は正しい性情報を検索上位に表示されるように呼びかけるSEOセックスの署名活動もやっております。

“性教育をなぜ学ぶ必要があるのか”を教えることで、興味や定着度も高まる

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中島さんの日本の性教育に対する思いやお考えをお聞きしたいです。

私の経験談でいうと、なぜ性教育を学ぶ必要があるのか、という理由を飛ばして、性感染症や性器の部位に関して学びました。もし、簡単にでもいいから性教育を学ぶことは、自分の身体を守ることに繋がるという、「なぜ」の部分を教えてもらっていたら、定着度も高まるしテスト以外の場面でも役に立つ知識になったのかなと思います。

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国によって、性教育も異なると思います。どこか注目している国はありますか?

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北欧ですね。学校以外にも、ユースクリニックという地域のクリニックや家庭でも性教育をする環境があって、とても良いと感じています。特にいいなと思うのは、スウェーデン。社会全体で取り組んでいるのが素晴らしいと思います。

アフリカのある国ではレイプされそうな際にはコンドームをつけて、と性教育を受けるそうです。それぞれの地域や文化にあった性教育の必要性を強く感じました。

性に関する不安や疑問に対して、適切な情報を届けるシステムを作りたい

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先ほどおっしゃっていた「#SEOセックス」とはどんな活動なんですか?

性に関する不安や疑問があるとき、多くの人はその知識をインターネットで検索しますよね。でも状では、性に関するワードを検索しても、検索上位には、信頼できるサイトが表示されない場合が多く、必要なときに必要な性の知識にアクセスできていないんです。

SEOセックスは、全ての人が必要な時に、正しい情報にアクセスできる環境のために活動しているキャンペーンです。

賛同してくださる方々の署名を集めて、性に関する必要な情報を精査や、一覧にまとめたサイトの作成、すでにある民間サイトの後援を求めたり、信頼できるサイトや緊急連絡先などが検索上位に出てくるような仕組みの見直しを求めたりする予定です。

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どのような経緯で始めたんですか?

同世代の大学生二人と始めたプロジェクトです。二人とも性教育や人権問題に関心があって。きっかけは、今の検索のアルゴリズムや、SNSのプロバイダーが完璧ではないと思ったこと。自分が何か知りたいと思って検索した際に得られる情報が、とても偏っていると感じていて。例えば、今インターネット上で「セックス」と検索すると、検索上位にはアダルト動画サイトが並びます。子どもたちが初めて性知識に触れる場所は、アダルト動画サイトではなく、信頼できる性知識サイトであってほしい。もちろん信頼できる情報が記載されたページも沢山あるのですが、溢れかえる情報から優先順位をつけて適切な知識を見つけ出すことは非常に困難です。人々が情報を集める手段として身近になったインターネットの環境を整えて、適切な情報にアクセスできるようにしたいと思っています。

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自分が性について情報を集める時、正しい情報にアクセスできるよう、気をつけていることは?

国際セクシュアリティガイダンスという指針があるので、それに沿っているサイトがいいと思います。NPO法人ピルコンSEXOLOGY - 性を学ぶセクソロジーセイシル、大人から子供に性教育する際の情報を伝えている命育などをよく見ます。

しかし、性教育の活動をしている私でも、多い情報の中から適切な情報を取捨選択するのは、本当に大変なので、適切なサイトが検索上位表示されるようになってほしいです。

ご賛同いただける方には、ぜひご署名ください。 SEOセックス署名サイト

中島梨乃

2000年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部3年。性教育プロデューサー。性で傷つく人を一人でも減らしていくため、高校生の頃からSNSで性教育に関する発信活動をしている。SNSでの発信以外に、ABEMAオリジナルドラマ「17.3 about a sex」の台本監修をしたり、大学の男女トイレに生理用品を置いたり、性に関するメッセージを容器に書いたタピオカを配ったりなど、無関心層へ向けた取り組みを行う。

Twitter:@Roni20000830
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