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SOGIとは何か分かりやすく解説。性自認・性的指向を見つめ直すきっかけに

SOGIとは何か分かりやすく解説。性自認・性的指向を見つめ直すきっかけに

現在「LGBT」などのセクシャリティを表す言葉と共に、「SOGI」という言葉が広まりつつあります。しかしSOGIの意味や考え方は、まだまだ認識が浸透していません。そこで今回は、SOGIとは何か詳しく解説。SOGIの意味や、ハラスメントなどの問題をご紹介します。

2021.08.16 私の選択

SOGIとは何か

性的指向や性自認を意味する

人

SOGIとは、性的指向や性自認を意味する考え方のこと。「Sexual Orientation and Gender Identity」の頭文字を取った言葉で、日本語では「ソギ」「ソジ」と発音されます。

性的指向とは「好きになる性別」を表すもので、性自認とは「自分が感じている自身の性別」のことを指します。「自分をどのように認識しているか」という状態を示すため、全ての人が含まれるのがポイント。SOGIは全人類の属性であり、誰もが意識すべき考え方であるといえます。

LGBTのような線引きがない

性自認や性的指向を表す考え方として「LGBT」が挙げられます。SOGIはLGBTとは異なり、セクシャルマイノリティのカテゴライズがありません。LGBTは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字を取った言葉。この言葉は、性的マイノリティに関する認識を世界中に広めました。

しかし一方、「バイセクシャル・トランスジェンダー・レズビアン・ゲイの4つ」と、「それ以外の性別」の線引きをするという問題も。そのためマイノリティを示す「LGBT」という言葉ではなく、多数派も含めた全ての人を指す「SOGI」が注目されているのです。

全ての人にとって平等・対等な社会の実現が目標

SOGIの考え方は、全ての人が対等・平等に扱われるべきという国際的潮流に則っています。LGBTという言葉だと、どうしても「バイセクシャルやゲイなど、特定の人々にのみ配慮が必要」という認識になってしまいます。

SOGIという言葉を活用することで、どんなセクシャリティであっても対等に人権が尊重される社会を目指すことが可能に。現在国際連合でも、「LGBT」ではなく「SOGI」を全面に押し出した取り組みが開始されています。

SOGIハラスメントが問題になっている

SOGIの広まりに伴い、現在「SOGIハラスメント」と呼ばれる事象が問題視されています。一般的に「SOGIハラ」と呼ばれ、性的指向や性自認に関するいじめや差別を受けることを指します。SOGIに関する考え方が正しく広まっていないことが、SOGIハラ問題の背景です。

SOGIハラの具体例

セクシャルマイノリティによるいじめや差別

孤独

SOGIハラの問題として挙げられるのが、性自認や性的指向に関するいじめや差別。具体的には、「あの人はトランスジェンダーだから、関わらないようにする」「ゲイだから差別する」などの問題が起こっています。SOGIに対する勝手な偏見で、不当な差別をする事例が増加しているのが現状。

バイセクシャルやトランスジェンダーである本人が差別を受けるだけでなく、その家族がいじめを受ける事例も。その人のSOGIに関係なく、どんな人でも平等に暮らす権利がある、という考え方を広める必要があります。

アウティングによるセクシャリティの公開

アウティングによるセクシャリティの暴露も、SOGIハラに該当する行為です。アウティングとは、レズビアンやゲイなどのセクシャリティを、本人の許可なく第三者に広めること。カミングアウトをしたSOGIを勝手に言いふらされ、退職や退学を余儀なくされたケースも。

アウティングを苦とし、自ら命を絶ってしまった事件もあります。SOGIは個人情報であり、本人のみが言うべきか言わないべきかを決められるもの。

「バイセクシャルだから」「レズビアンだから」と言って、勝手にSOGIを広めて良い理由はありません。もし誰かからSOGIをカミングアウトされたら、第三者には伝えないようにしてください。

望まない生活の強要

SOGIハラの事例として、望まない生活を強要することがあります。例えば「男だからこの制服を着なくてはいけない」「女だから女性トイレを使って」など、身体的性別を理由とした問題。性自認と身体的性の異なるトランスジェンダーの方が、このような強要に苦しんでいます。

差別的な呼称・言動

差別的な呼称や言動をすることも、SOGIハラの一つに当たります。例えば同性愛者を意味する「ホモ」や「レズ」という言葉。これらの言葉は、同性愛者の蔑称として使われた歴史があり、非常に差別的な発言として捉えられます。「レズビアン」「ゲイ」など、正しい言葉で表現することが必要。

SOGIハラを防ぐために求められることとは

子供たちへの教育

子供

SOGIハラを防ぐために求められるのが、子供たちへの教育。統計的には、どの学校やクラスにもセクシャルマイノリティの子供がいる、と言われています。学校側がきちんとセクシャルマイノリティを理解して教育を行うことで、SOGIの価値観を正しく広めることができるのです。

SOGIに対する偏見や差別は、「男性はこうあるべき」「女性はこうしなくてはいけない」と言う規範意識から生まれることも。規範意識を取り除き、「どんなSOGIを持っていても全員が平等である」と言う考えを広めることで、SOGIハラの防止につながります。

会社のSOGIハラ対策

SOGIハラを防ぐには、会社での対策も欠かせません。2020年6月、企業に義務づけられるパワハラ防止対策の中に、「SOGIハラ対策」という項目が盛り込まれました。企業や自治体は、就業規則でSOGIに対するパワハラを禁止し、相談窓口を設ける必要があります。

ただし会社側が対策を行なっても、社員がSOGIを理解していないと意味がありません。そのためSOGIに関する研修や講演会などの実施も求められています。会社がSOGIハラ対策を行うことで、不当な理由で解雇・退職を余儀なくされる人を減らすことが可能に。

今日から企業の「SOGIハラ」対策が義務に。「パワハラ防止法」施行

ハラスメントに加担しないこと

SOGIハラを防ぐには、自身がハラスメントに加担しないことも大切。SOJIハラの場面に遭遇したら周りを注意する、当事者を気遣って「自分は理解している」と伝える、ということが挙げられます。個人の意識や行動によって、SOGIハラで傷つく人を減らせます。

SOGIに対して私たちがするべきこと

SOGIに関心を持つ

関心

SOGIを深く理解するためには、まず関心を持つことが大切です。周りにSOGIで悩む人がいないからと言って、無関心でいては周りの人々への理解が欠けてしまいます。また、SOGIとはあなた自身にも当てはめて考えられるものなのです。

正しい知識を身につける

SOGIに対して正しい知識を身につけることも大切。自分のSOGIで悩む人々は、民間企業のサービスや学校、職場、病院など、様々なコミニティで困難に直面しています。実態を正しく把握できていないと、SOGIに苦しむ人を傷つけてしまいかねません。

昨今はセクシャリティに関する発信や活動が活発に行われていますので、積極的に調べてみたり、耳を傾けてみてください。研修や講演会などもありますので、深く知りたいという方は、是非参加してみましょう。

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どんなセクシャリティも受け入れようという意識を

世の中にSOGIを正しく浸透させるためには、どのようなセクシャリティでも受け入れることが重要。相手がどんなセクシャリティを持っていても、「その人の個性だ」と受け入れる気持ちを意識的に持っていただきたいです。

SOGIの意味や考え方を理解しましょう

人

SOGIとは、性自認や性的指向を意味する言葉。バイセクシャルやレズビアン、ゲイ、トランスジェンダーを表す「LGBT」とは異なり、全ての人の属性を示しています。SOGIの考え方を理解して、どんな人でも平等に暮らせる世の中を目指しましょう。

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