トランスジェンダーについて学べる映画特集。本当におすすめしたい良作をセレクト
生まれてきた身体とは違う性認識を持つ、トランスジェンダー。昨今はトランスジェンダーへの認識が広まってきているとはいえ、まだまだ知識が浅いという人も多いでしょう。そこで今回は、トランスジェンダーについて学ぶことができる映画をまとめました。
ラブストーリー|トランスジェンダーについて学べる映画
①わたしはロランス
KADOKAWA
わたしはロランス
トランスジェンダーを描いたラブストーリー洋画として人気なのが、『わたしはロランス』という作品です。ロランスとフレッドという、男女のカップルが物語の主人公。ロランスは性別上男ですが、性同一性障害に悩まされていました。ある日ロランスは、女性として生きることを決意します。
フレッドは、性同一性障害をカミングアウトしたロランスを激しく非難。しかし一方で、ロランスを理解しようと努力を始めます。性同一性障害であるロランスと、パートナーのフレッド。ジェンダーを超えた二人の愛の物語です。
②リリーのすべて
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
リリーのすべて
『リリーのすべて』も、トランスジェンダーが描かれているおすすめの洋画です。画家のアイナーは、妻をモデルにして絵を描いたことをキッカケとし、女性として生きることを決意します。性転換手術を受けリリーとして生まれ変わるアイナーと、そんな夫を支える妻。
一緒に生きていくことを決意する2人ですが、そんな彼らの前に様々な壁が立ちふさがります。世界で初めて性転換手術を受け、女性として生きることを決めた、実在の人物を題材にした作品。夫婦の心境を見事に演じ切った俳優の演技も見どころです。
③ミッドナイトスワン
トランスジェンダーを描いた邦画として話題となったのが、『ミッドナイトスワン』です。草なぎ剛演じる凪沙は、性同一性障害を持つ男性。女性として生きる凪沙の前に、親からの愛情を知らずに育ってきた一果が現れます。
全く異なる境遇と悩みを抱えている2人。一果と出会って共に過ごすうちに、凪沙の中に「子供を愛したい」という母性が生まれます。トランスジェンダーの愛情と、それにともなう苦悩が描かれたラブストーリー。
ミッドナイトスワン オフィシャルサイトヒューマンドラマ|トランスジェンダーを取り上げた映画
①アバウト・レイ 16歳の決断
ファントム・フィルム
アバウト・レイ 16歳の決断
『アバウト・レイ 16歳の決断』は、トランスジェンダーを描いたアメリカ映画。女に生まれながらも男性になりたいと願う少女、レイが主人公です。16歳になったレイは、心も身体も男性として生きることを決断します。ホルモン治療を行いながら、性転換手術を望むレイ。
そんなレイの様子を見て、シングルマザーのマギーと祖母のドリーは、驚きと戸惑いを隠せません。しかし自分らしく生きていくレイの姿を見て、2人の心は徐々に動かされていきます。母と娘、祖母の3世代を通した愛情が描かれた、おすすめの洋画。
②彼らが本気で編むときは、
スールキートス
彼らが本気で編むときは、
トランスジェンダーを取り上げた邦画を観たいのなら、『彼らが本気で編むときは、』という作品もおすすめ。トランスジェンダーを持ち、性転換手術を受けた女性リンコと、恋人のマキオ。2人の前に、育児放棄されてしまったトモという少女が現れます。
自分が経験したことのない愛の形に、初めは戸惑うトモ。しかしリンコの優しさに触れ、徐々に心を開いていきます。様々な悩みや障害を乗り越え、幸せになる3人の様子を描いた邦画ですよ。
③Girl/ガール
TCエンタテインメント
Girl/ガール
『Girl/ガール』は、ベルギーで発表された洋画。プロのバレリーナを目指す少女、ララが主人公です。男性の身体に生まれたララは、女性になりたいと願い、性転換手術を受けることになります。しかし治療が遅れ、なかなか思うように効果が出ません。
女性として生きることを決めているララは、局部をテープで覆いながら、バレエの練習に励みます。しかしこの行動により、陰部が炎症を起こしてしまいます。性転換手術は更に延期。クラスメートからの差別も過激化していきます。耐えきれなくなったララは、ある行動に出る…というストーリー。
コメディ|トランスジェンダーに関する映画
①タンジェリン
ミッドシップ
タンジェリン
『タンジェリン』は、コメディタッチでトランスジェンダーを描いたおすすめのアメリカ映画。トランスジェンダーのシンディは、クリスマスに恋人に浮気されてしまいます。そのことに腹を立て、次なる恋人を探し求めるシンディ。親友のラズミックと共に大暴走を始めます。
トランスジェンダーだからと臆することなく、正々堂々と生きるシンディの姿に、勇気をもらえる作品。アイフォンで撮影された、ということも話題を呼びました。
②プリシラ
トエンティースセンチュリーフォックスホームエンターテイメント
プリシラ
『プリシラ』も、コメディタッチでトランスジェンダーを描いた洋画です。トランスジェンダーでドラァグクイーンとして働く3人が、ショー出演をキッカケにリゾート地を目指す、という物語。
心優しい人や仲間と一緒に旅する、3人の姿が楽しめます。トランスジェンダーならではの悩みや苦悩も描かれていますが、コメディ調なので構えずに観られるのもポイント。カラフルな衣装や、70年代の音楽も見どころです。
③トランスアメリカ
松竹
トランスアメリカ
心温まるコメディ映画として人気なのが、『トランスアメリカ』という作品。性同一性障害を持つブリーは、昔の結婚生活で生まれた息子、トビーと出会います。既に性転換手術を受けていたブリーは、父親だという事実を隠しながら、息子と一緒に旅に出ます。
2人の心の触れ合いがハートフルに、そしてチャーミングに表現された作品。性別を超えた「幸せ」の形を探す、親子の姿が描かれています。構えず観られるというのも『トランスアメリカ』の魅力の一つ。是非、視聴を検討してみて。
社会派|トランスジェンダーを扱ったおすすめ映画
①I Am Here ─私たちはともに生きている─
トランスジェンダーのリアルを描いた社会派邦画が、『I Am Here ─私たちはともに生きている─」。監督は、性同一性障害を抱える浅沼智也さん。20代から70代まで、17人ものトランスジェンダーの人が実体験を語ります。トランスジェンダーが抱える悩みや問題が浮き彫りになった、ドキュメンタリー映画。
トランスジェンダーへの理解が深まっているため、昔よりも生きやすくなっている日本社会。しかし、性同一性障害を抱える人が持つ悩みは大きいままです。日本におけるトランスジェンダーの実態が見えてくる、おすすめの邦画。
I Am Here ─私たちはともに生きている─ 公式サイト②パレードへようこそ
KADOKAWA
パレードへようこそ
社会派のトランスジェンダー映画としておすすめしたいのが、『パレードへようこそ』。舞台は1980年代のイギリス。炭鉱が閉鎖されて追い込まれた人々は、政府に対してストライキを起こします。その様子を見たトランスジェンダーのマークは、他のLGBTの人とチームを結成。彼らを支援しようと立ち上がります。
そしてLGBTと炭鉱夫の尊厳を守るため、パレードをやることを決意。実話を元に作られているため、非常にリアルで現実的な作品ですよ。トランスジェンダーだけでなく、他のジェンダー問題への理解も深まります。
③ボーイズ・ドント・クライ
フォックス
ボーイズ・ドント・クライ
『ボーイズ・ドント・クライ』は、1999年に発表されたアメリカ映画。女性として生まれ、男性として生きるティーナ。恋人と平穏な日々を過ごしてきましたが、ある日周囲に実は女性だということがバレてしまいます。
その日を境に、周りの人々の態度は豹変。ティーナへの差別的な視線は、やがて惨劇を引き起こします。この作品は、実際の事件を元に作られているのが特徴。性同一性障害への偏見、その恐ろしさを浮き彫りにした作品です。
映画からトランスジェンダーを学びましょう
洋画や邦画など、トランスジェンダーを描いた作品は多数存在します。映画を鑑賞することで、トランスジェンダーへの理解を深めることができるでしょう。トランスジェンダーについて学びたい方は、今回紹介した作品を是非観てみてくださいね。
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