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ジェンダーニュートラルの意味とは?受け入れるべき自由な価値観に触れる。

ジェンダーニュートラルの意味とは?受け入れるべき自由な価値観に触れる。

ジェンダーニュートラルって何のこと?どんなことが該当するの?新しい価値観として社会に広まりつつある、ジェンダーニュートラルについて意味や具体例をご紹介します。言葉やファッションなど、身近な事柄にも影響が見られるので、ぜひチェックしてみてください。

2021.03.30 レポート

ジェンダーニュートラルの意味をご紹介

①性差に偏らない考え方

虹

ジェンダーニュートラルとは、男女の性差に偏らない考え方のこと。英語で性別を意味する「gender」と、中立を意味する「neutral」を組み合わせて生まれた表現になります。

ジェンダーニュートラルに関する概念自体は、数十年前から存在していたと言われています。しかし、知名度が上がってきたのは21世紀に入ってから。LGBTQムーブメントが活発になり、多様なジェンダーに対する理解が深まるようになったことがきっかけです。

②伝統的な男女の役割に囚われない思考

ジェンダーニュートラルは、「伝統的な男女の役割に囚われない思考」も意味します。「男だからこうであるべき」「女ならこうでなければいけない」といった認識に囚われないことが大切。

例えば、「男だろ」という言葉の裏には、「男だから泣き言をいってはいけない」「男は強くなければいけない」といった意味が含まれていることがあります。また、ピンクは「女の子の色」というイメージが強い傾向に。意識のどこかに、性の役割に支配されている部分はないか、客観的に見つめ直してみましょう。

③社会に影響を与える新たな価値観

ジェンダーニュートラルは、社会に影響を与える新たな価値観です。ジェンダーニュートラルという考え方が広まるにつれて、言語や社会的制度、日常の行動などの性差に基づく規範が見直されてきています。

特定の性にとって優位に作られたシステムや、性差別の助長などを打破する流れが社会的に生まれているのですね。性差を超えて、誰もが「平等」に「個人」として扱われる社会に近付きつつあります。

【言葉】ジェンダーニュートラルの考えが社会に反映された例

①職業名

職業

ジェンダーニュートラルの考えは、職業名を始めとした言葉遣いに影響を与えています。例えば、英語で警察官は「policeman」となります。「man」は男性を意味する名称ですが、現在は女性警官も珍しくありません。女性を排除する名称とならないよう「police officer」という言葉が誕生しています。

日本語でも、「看護婦」や「保母」という言葉の例が。女性が就く職業というイメージが強い名称でしたが、男性が参画するようになった現在では「看護師」「保育士」という呼び方が一般的です。英語や日本語に限らず、様々な言語の言葉で同様の変化が見られます。

ジェンダーニュートラルの影響を受けた職業名の例
これまでの英訳 これまでの和訳 これからの英訳 これからの和訳
businessman/woman 実業家 businessperson 実業家
cameraman カメラマン photographer 写真家
fireman 消防士 firefighter 消防士
housewife 主婦 homemaker 主婦/主夫/家事担当
sportsman スポーツマン athlete アスリート
waiter/waitress ウエイター・ウエイトレス server 給仕人

②公共放送の呼びかけ

公共放送の呼びかけも、ジェンダーニュートラルの考えに基づいて変化しています。代表的な例が、交通機関でよく使用される「Ladies and gentleman」。紳士と淑女に限定された呼びかけが、「Passengers」や「Everyone」といった、中立的な意味合いの言葉に置き換えられつつあります。

日本においても、『日本航空』の機内での案内が置き換え済み。日本航空の英語のアナウンスで「Ladies and gentleman」という言葉が響くことは、もうありません。

③人称代名詞

人称代名詞における言葉遣いにも、ジェンダーニュートラルの考えが影響しつつあります。とくに注目したいのが、スウェーデンで使用される「Hen」という代名詞。「彼女」を意味する「Hon」でも、「彼」を意味する「Han」でもない、ジェンダーニュートラルな三人称として公式辞書に追加されています。

英語でも、「He」や「She」の代わりに、「They」が三人称単数の代名詞として使われるケースがあります。他にも、フランス語やスペイン語といった言語で同様の流れが見られます。

【ファッション】ジェンダーニュートラルの考えが社会に反映された例

①コレクション

ファッションショー

ファッション界のコレクションにも、ジェンダーニュートラルの考えは影響しています。2019年に「ジェンダーレスファッション」というトレンドが掲げられて以来、両性的なデザインのコレクションが注目の的に。

『LOUISVUITTON』や『VALENTINO』といった、有名ブランドもジェンダーニュートラルなファッションを提供しています。どんなジェンダーの人にも当てはまるファッションは、単なるトレンドでは終わらない可能性が。

FASHION PRESS ルイ・ヴィトン 2021年春夏コレクション

②アンダーウェア

Keyhole Bralette

TOMBOYX

Keyhole Bralette

円 (税抜き・参考価格)

ファッションにおけるジェンダーニュートラルの考えは、アンダーウェアにも見られます。例えば、シアトル発の『TOMBOYX(トムボーイX)』というブランドは、性別や体型の既成概念に囚われない製品を提供。男っぽさや女っぽさから離れたデザインのアンダーウェアが見つかります。

日本では、『REING(リング)』というブランドが話題に。「着る人の性別を問わず着用できる」というコンセプトのアンダーウェアを提供しています。下着からジェンダーニュートラルファッションを揃えてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

TOMBOYX REING Online Store

③コスメ

ラスティングスムースリップスティック・ブリックレッド

iLLO

ラスティングスムースリップスティック・ブリックレッド

円 (税抜き・参考価格)

女性の使用が前提とされることが多いコスメも、ジェンダーニュートラルの考えの影響を受けて変わる時が。ファッション業界において、性別を問わず自由に選択できる化粧品は、いまや普通の存在です。

ジェンダーニュートラルなコスメは、品質や色合いなど、どんな人でも手に取りやすいよう作られています。また、パッケージのデザインも性別に囚われないものに。スキンケアアイテムからメイクアップアイテムまで、ニュートラルな製品は増えています。

日本でも、『iLLO(アイロ)』というブランドのコスメが話題に。「全ての人にメイクアップの選択肢を」というコンセプトのもと、製品を提供しています。

iLLO

【製品開発】ジェンダーニュートラルの考えが社会に反映された例

①音声アシスタント

音声アシスタントも、ジェンダーニュートラル仕様になったものが。アップルの「Siri」やマイクロソフトの「Cortana」など、これまでの音声アシスタントには、男声・女声のオプションしかありませんでした。

そんな中、中性的な音声アシスタントも誕生することに。『Virtue』という会社と、北欧最大のLGBTQの祭典となる『コペンハーゲン・プライド』が共同で開発ものです。「Q」と名付けられた音声アシスタントは、男性のものでも女性のものでもない中性的な声で案内してくれます。

②おもちゃ

バービー人形

おもちゃ業界においても、ジェンダーニュートラルを意識した商品が開発されています。例えば、バービー人形で有名な『Mattel』は、「人形遊びは全ての子どものためのもの」というコンセプトで人形を開発。

肌や髪の色が異なる6種類の人形は、ショートヘアにもロングヘアにも変更可能。スカート・ズボンなどの着せ替えファッションも、自由に選べる仕様に。性別を特定しない遊び方ができます。

また、アメリカでは、性別でおもちゃ売り場を分けること廃止する例も。商品のパッケージから、「男の子用」「女の子用」という表記を取り払う動きも見られます。

③飲料

飲料業界も、ジェンダーニュートラルの考えとは無関係ではありません。アルコールドリンクにおいては、「強いお酒は男性向き」「甘いお酒は女性向き」のような固定概念が見られることも。

しかし、どんなお酒でも性別に関係なく楽しむ権利があります。例えば、ビールメーカー『Heineken』が作ったCMが有名。内容は、カクテルを注文した男性とビールを注文した女性が、店員に逆の飲み物を手渡されるというもの。男女が飲み物を交換しあった後、「男性もカクテルを飲む」という一文が流れます。

また、メーカーによっては、飲料のカラーやデザインにジェンダーニュートラルが感じられるものを採用するケースも。飲み物のチョイスでも、性別に縛られない試みが始まっています。

【生活】ジェンダーニュートラルの考えが社会に反映された例

①身分証明書

パスポート

パスポートのような身分証明書に、ジェンダーニュートラルの考えが反映されるケースも。性別の欄に、不確定を意味する「Indeterminate」や、第三の性を意味する「Third gender」といった記入が認められるケースが増えてきています。

日本ではまだ取り入れられていませんが、カナダ・オーストリア・オランダ・デンマーク・ドイツ・オーストリアといった国では受け入れられています。インドやネパール、パキスタンといった国も該当します。

②履歴書

履歴書の性別記入欄も、ジェンダーニュートラルの考えを受けて廃止する動きがあります。性別によって、採用条件や処遇が左右される可能性があることが原因。また、性別を記入することで、面接でアウティングを強制されるケースが見られることも影響していると言われています。

日本でも、2020年にJIS規格の参考例から、性別欄のある履歴書が削除されることに。履歴書販売の大手メーカーの『コクヨ』も、性別欄のない履歴書を発行するようになりました。

③トイレ

欧米では、ジェンダーニュートラルトイレという概念も普及しつつあります。オールジェンダートイレとも呼ばれ、性別に関係なく誰でも使えるようになっていることが特徴です。

ジェンダーニュートラルのトイレは、大きく2つのタイプに別れます。1つ目は、日本の居酒屋で見られるような一つの個室を共有するタイプ。2つ目は、トイレに繋がる入り口が一つで、中に入ると誰でも使える個室が連なっているタイプです。男性用の小便器は設置されていない形になります。

また、どんなジェンダーの人でも、気兼ねなく使える空間を意識していることも特徴。ホテルやレストラン、学校や公園といった、あらゆる場所で採用されるようになっています。

ジェンダーニュートラルはもはや珍しいものではない

警察官

一昔前までは、あまり知られていなかった価値観であるジェンダーニュートラル。しかし、ジェンダーに関する考えや教育が進んできた現在では、意外に身近な事例で触れていることもあります。

機会があれば、何気なく手にとった商品やふと目にした広告に、ジェンダーニュートラルの考えが反映されていないか意識を向けてみてくださいね。きっと自由な価値観に対する、新たな発見がありますよ。

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