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海外の性教育は日本とどう違う?世界の事例から考える性の知識の伝え方

海外の性教育は日本とどう違う?世界の事例から考える性の知識の伝え方

海外の性教育って、日本と比べてどうなの?性の知識や伝え方は、国によって異なるって本当?そんな疑問を解消すべく、世界の性教育の事例をまとめてみました。国別にチェックすることで、日本の今後の課題も見えてきやすくなるので、ぜひ目を通してみてください。

2021.01.30 Sexual Wellness

日本における性教育の実態は?

①学校の性教育は遅れている

教室

日本の性教育は、世界の先進国の中で最も遅れていると言われています。学校で性教育が開始されるのは、小学4年生からの段階。性教育のメインとなる内容は、男女の体の違いや、妊娠後の体の変化などを扱ったものになります。

しかし、体の特徴や妊娠については触れているのに、性交や避妊についての勉強はしないという問題が。学習指導要項でも、性交に関しては扱わないという旨の文言が記されています。日本の学校では、中学生や高校生になっても、性交の仕方やコンドームの使い方を学ばないまま卒業を迎えるケースが多いのです。

また、外国では性教育の一環として扱われるLGBT(セクシュアルマイノリティの総称)教育も、日本では遅れがち。2017年に改訂された学習要項にも、LGBTのことは盛り込まれていません。

NHKおはよう日本:変わるか?日本の“性教育”

②「寝た子を起こす」とタブー視

日本の性教育が遅れているのは、「寝た子を起こす」とタブー視する傾向があるためだと言われています。「性教育=セックス」というイメージが強く、性交といった具体的な内容を教えることで性的関心が増し、性行動が早まると危惧する傾向に。

しかし、学校で具体的な教育が行われない一方、スマホの普及から性の情報は身近なものに。性に関して、何が正しく何が間違っているのか知らないまま、アダルトサイトを性のお手本にしてしまう可能性があります。SNSを介した子どもたちの性被害も増えている今、性教育のアップグレードが必要とされているのです。

③2021年から新しい取り組みが

日本の学校では、2021年の4月から「生命(いのち)の安全教育」という新しい取り組みが実施されます。性にまつわる具体的なリスクを教えることを目標に、幼稚園・小中学校・高校・大学まで、段階に導入される方針です。

「生命の安全教育」の内容としては、プライベートゾーン・デートDV・SNSのリスクなどが、例として挙げられます。性犯罪や性暴力などが回避できるよう、授業を進めていくのですね。また、学習要項でこそ取り上げられていませんが、LGBT教育に通じる「性の多様性」も中学生の教科書で触れられるように。

しかし、「寝た子を起こす」意識は未だに健在。新しい取り組みが始まっても、性交や避妊は取り扱わないという方針に変わりはありません。

【アメリカ編】海外の性教育の事例

①州によって異なる

授業中

アメリカの性教育は、州によって異なるという特徴を持ちます。性教育を義務付けている州もあれば、義務付けていない所も。小・中学生といった義務教育の過程で、必ず性教育に触れる日本とは、事情が違ってくるのですね。

アメリカ合衆国の50州のうち、性教育が義務付けられているのは29州。残りの21州は、義務付けられていないことになります。しかし、全く性教育とは無縁というわけではありません。例えばワシントン州は、義務ではないものの、公立学区で性教育の授業を行うかどうかを選択できる制度を取っています。

また、LGBT教育については、日本以上に保守的な州も。世界の中でも、LGBT先進国というイメージが強いだけに意外な事実と感じる方もいるかもしれません。2017年のカリフォリニア州で、中学生までの教科書にLGBTの歴史が含められたことが、50ある州の中での初めての試みだったとされています。

②3つのパターンに分けられる

アメリカにおける性教育は、州によって大きく3つのパターンに分かれると言われています。1つ目は、「総合的性教育」と呼ばれるもので、性を生物学・心理学・社会学の側面から多角的に捉えたもの。一人の責任ある人間として、どのように行動するべきかを学びます。また、避妊・妊娠中絶・同性愛の否定もしません。

2つ目は、「禁欲教育」と呼ばれるパターン。性行為を助長せず、結婚まで禁欲することの重要性を教える教育になります。3つ目は、「総合的性教育」と「禁欲教育」を組み合わせたもの。場所によって、比重の偏りが異なります。

【スウェーデン編】海外の性教育の事例

①1955年に必修化

勉強する子供

スウェーデンは、世界的に見ても性教育およびLGBT先進国に分類される国。1940年には学校での性教育が導入されており、1955年から必修化されています。日本の場合は、1980年代から意識されるようになったので、歴史を比較すると、四半世紀以上も差があることに。

そのため、性に関してオープンに話せる環境が整っています。また、13~25歳の若者のための「ユースクリニック」が、国内の至る箇所に準備されていることも特徴。性交・性感染症・避妊・妊娠・デートDVといった悩みが、気軽に相談できます。

②2021年はさらなる転換期に

スウェーデンの学校における性教育は、さらなる転換期を迎えています。これまで、日本の小6から中学2年にあたる学年で、性教育が必須科目となっていました。しかし、2021年から小学生や中学生はもちろん、幼稚園や高校の授業でも正式な科目として導入されるように。

また、教える先生自身が性の知識に自信を持っていないという調査結果があったことから、教職課程においても変化が。教師の専門が何であっても、性教育関連の科目の取得が必須となるとのこと。

【オランダ編】海外の性教育の事例

①世界一実践的と評価されている

オランダ

オランダの性教育は、世界一実践的だと評価されています。単なる性知識の伝授だけにとどまらず、性的なトピックに関する対話を深めたり、具体的な避妊具の使い方を小学生のうちから学んだりと色々。もちろん、性教育の中には性的多様性を考えるLGBT教育も含まれます。

ちなみに、オランダの10代の女の子の妊娠率は0.5%。初体験の平均年齢も18歳と、他国に比べて遅いというデータも見られます。性感染症の罹患率も、欧米諸国において最も低い国の一つです。

オランダの青少年の初体験年齢上がる

②幼児期から始まる性教育

オランダの性教育は、幼児期から始まります。思春期からでは遅いという考えから、4歳から始まる授業もあるほど。プライベートゾーンや不快なタッチに対するNO、ジェンダー意識などを学んだりすることから始まります。

小学生の授業では性機能の仕組みを中心に、マスターベーションの仕方や性行為について学ぶケースも。二次性徴や性交に関する調査プロジェクトを実施する学校も。

中学生以降になると、各生徒に合わせて色々なテーマが選べる授業に。恋人との関係性や性同一性のゆらぎといった様々なトピックを取り扱います。また、オランダにおける性教育は、以下のような特徴を備えて実現されていると言われています。

オランダの性教育の特徴
  • 性や快楽をポジティブなものとして捉える
  • 早期から、性について包み隠さず教える
  • 性に関する正しい情報がTVやネットを通して得られる
  • 子どもの恋愛や性を肯定し、話し合える家族文化がある
  • 知識のみで終わらず、自分のこととして捉える視点を養う

【韓国編】海外の性教育の事例

①日本の事例に近い

誰もいない教室

韓国の性教育やLGBT教育の現状は、日本の事例に近いと言われています。世界的に見て、遅れている方なのです。男女の体の違いや妊娠などについて学びますが、性交や避妊に関する説明は、授業ではほとんど行われていません。

韓国で問題とされているのは、コンドームの使用率と初体験の平均年齢。性交の際の避妊方法として膣外射精が選ばれるケースが多く、コンドームを使用する割合が低いとされています。また、初体験の平均年齢はたったの13歳ほどだというデータも。

creatrip Record China

②性教育の授業時間が少ない

韓国では、小・中・高ともに年間15時間の性教育を行うことを、ガイドラインで定められています。しかし、激しい受験戦争の影響で他の教科に追いやられ、実施が徹底されていないという現実も。中学生から高校生にかけて、1年に1~2回のみ行われる事例も見られます。

年間15時間の実施を確保した学校の場合でも、他の教科の授業に便乗する形で行われているケースが目立つとされています。正しい性教育の充実は、今後の大切な課題といえます。

【中国編】海外の性教育の事例

①性教育はあまり重視されない

中国

中国において、学校での性教育はあまり重要視されていません。また、社会的に性の話がタブーという傾向が強く、性教育の制度化にはネガティブな議論も巻き起こります。

現在は、中学生や高校生で「思春期の身体衛生」に関する授業が、1~2度あるかどうかという状況。また、性教育が取り入れられている学校も一部のみで、中国全土には行き渡っていないという問題が。都市部における一部の学校では、日本よりも進んだ性教育がされているケースも見られるなどバラツキがあります。

②台湾では踏み込んだ事例が

性教育において踏み込んだ事例が見られるのは、台湾です。小学4年生から中学3年生までの期間に、段階的に性教育が取り入れられています。性交の仕方や避妊方法といった具体的な授業も、性教育の中に含まれています。

また、台湾は「ジェンダー平等教育」にも積極的。性教育の一環として、男女平等の重要性や、男らしさ・女らしさといったステレオタイプの解消などを、小学生や中学生のうちから学ぶのだとか。

【タイ編】海外の性教育の事例

①HIV感染者の増加をきっかけに始まる

タイ

タイにおける性教育は、1990年代のHIV感染者の増加をきっかけに始まりました。学校で保健体育の一部として授業が行われるようになったのは、2006年からだとされています。

内容に関しては、生物的な観点や人権の視点にも立っていますが、現状と即していない問題も。教育内容が充実していても、教える先生に保守的な考えが根強く、深く踏み込めていないという指摘もなされています。

②性的多様性への理解も不足

タイの性教育では、性教育多様性への理解も不足しています。世界的に「LGBTに寛容な国」というイメージがありますが、社会的には根強い反発も。年配の方の多くが、同性愛者は「前世の業を背負って生まれてきた者」と、捉えているためだと言われています。

学校の性教育においても、性の多様性に踏み込んだ内容とはいえません。学校内で差別を受けるケースも多く、今後の課題となっています。

海外の性教育と日本の現状を照らし合わしてみて

授業

世界と日本の性教育を比較してみると、特にヨーロッパには大きく遅れをとっていることが分かります。性教育が進んでいる国では、社会的な受け入れ方が異なります。家族間でもオープンに性の話ができる文化が整っているとのことで、あまりご自分が家族とそのような話をするイメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか。

日本においては、性教育の正しい知識と受け入れを、社会的に促進することも課題。世界各国と日本の違いを知るとともに、個人や周囲の性に関する向き合い方を見つめ直したいですね。

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